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岸田総理の長男の息子のインターン先は研修旅行付き

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通常国会が始まった。子育て政策や防衛政策の転換といった重要なテーマが多いはずだが負担の話ばかりで直接の支援策がないため世論はそれほど盛り上がっているようには思えない。そんな中で新潮のある記事が波紋を読んでいる。岸田総理の長男が外遊先で「観光旅行をしていた」というのである。

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発端となった新潮の記事は「岸田総理の「長男秘書官」が外遊中にパリ、ロンドンの観光地めぐり 公用車を使って繁華街でショッピングも」というタイトルだ。総理大臣としては究極の研修先(インターン)を準備して息子の後継者教育を万全のものにしたいのだろう。だが、却って「説明責任」に晒され息子の将来を潰しているように思える。

新潮は「翔太郎クン」と長男を若造扱いしている。メディアから「翔太郎クン」扱いされ行動を全て監視されるというのは当人にとってみればかなり辛い経験だろう。

官邸も対応に苦慮しているようだ。

木原官房長官は「一般論」を語るにとどめたが「ヨーロッパ歴訪に参加していたのだからおそらく知っていたのだろう」というトーンで報道されている。つまり現場を知っているからこそ明確に否定できなかったという印象だ。磯崎長官は「点検します」といっている。裏で話を合わせておかないと後で記者に突っ込まれた時に話が会わなくなる可能性がある。何もないなら何もないと言えるはずだ。だが、おそらくそうではないのだろうなと想像がつく。

上司の御子息を庇うのはやはり大変なのだ。

おそらく野党もこのわかりやすいスキャンダルをどう利用するかを考えるのではないだろうか。立憲民主党・国民民主党は世論からの支持を集められていない。代表質問のトーンを見る限り「防衛については増税議論を先行させているが子育てについては後回しである」というような印象を与えたいようだ。所詮政府にとって子育ては他人事だと言いたいのである。政府の少子化対策は地方選挙後の6月にならないと出てこないと言われている。

岸田総理は「負担をお願いしつつ増税とは言わないゲーム」を展開しようとしているようだがうまくいっていない。規模感のトーンはすでにかなり後退しており「予算規模ではなく社会全体が参画するから異次元なのだ」というような説明に変わってきている。所得倍増が企業への賃上げのお願いに変わったのと同じように、聞きようにによっては「なんだ政府は少子化対策を国民に丸投げして降りてしまうのか」と思われかねない。

他人事感の漂う岸田総理の主張が政権の存続に直ちにマイナスに働くとは思えない。そもそも地方には与野党の対立構造がないからだ。

その唯一の例外が近畿圏である。

近畿地方では漠然とした閉塞感を背景にした漠然とした改革欲求が強い。これを抑えてきたのが安倍総理の「俺について来ればみんな大丈夫」という根拠はないが自信に満ちた一連の発言だった。岸田総理にはこの根拠なき自信がない。安倍総理に漠然と期待していた人たちが選挙に行かなくなればそれだけ維新に有利に働くだろう。

国民にとっては「岸田さんは結局自分の子育てだけが重要な人なんだな」という方が伝わりやすい。日本社会の大きな特徴に「嫉妬」がある。どうしても自分達の境遇を他人の境遇と比べてしまうのだ。岸田総理がこの印象を払拭するのはかなり困難だろう。

安倍総理時代には安倍総理が好きな人と嫌いな人がはっきり分かれていた。結果的には嫌いな人が増えれば増えるほど好きな人が盛り上がり自民党の人気を支えるというのが基本構図である。岸田総理は「極端に嫌いな人を増やさない」という戦略だったのだが、これが却って支持率の低迷に繋がっているように思える。

岸田翔太郎さんが岸田家の後継者になる上でも「国民からの嫉妬心」は大きな障害になるのではないかと思う。小泉進次郎さんの例を見てもわかるように偉大な父親というのはある意味最も大きく最も厄介な障壁である。

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