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東京五輪汚染が電通も含んだ談合疑惑に発展 山下会長は「知らなかった、ごめんなさい」と謝罪

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東京オリンピック・パラリンピックの汚職事件がついに電通も含んだ談合疑惑に発展した。ただし検察情報であるため詳細はわかっていない。今回も「抜いた」のは読売新聞のようだが読売新聞は「独自」と出さなくなっている。山下会長は知らなかったと謝罪した。会長の関心事は次の札幌五輪の招致にあるようだ。果たして国民の理解が得られるのかに注目が集まる。

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東京オリンピック・パラリンピックの汚職事件が電通も含んだ談合疑惑に発展した。読売新聞の記事によると「大手広告会社「電通」など9社と1団体」が落札したことになっているが、落札できなかったもののその後で仕事を回してもらったという会社もあるのだろう。

すでに広告代理店から複数名の逮捕者が出ている。彼らが今後業界に戻ることができないと仮定すると「だったら隠しておく理由も無くなった」と考えていても不思議ではない。あるいは「特定の誰かだけ逃げるのは許せない」と考えていた可能性もある。

検察は法務省の管轄なので政府の意向を受けている可能性がある。民主主義の強い国ではそのような疑念を持たれかねないためマスコミは検察の情報だけを取材源にすることはない。しかし日本では「お上は間違えないだろう」という認識を持つ人も多い。だからメディアが検察情報だけを情報源に「独自」記事を書いても特に怪しむ人はいない。ただしあからさまな【独自】はさすがに広報宣伝の印象がつく。読売新聞も使わなくなったようだ。

さらに厳密に言えば裁判が終わるまで「疑惑」のままであり「事件」とは言えない。おそらく今情報が盛んに打ち出される裏にはなんらかの意図や計算があるのだろう。

今回の記事で電通のコメントは見られなかった。捜査中でもあるためコメントは出しづらいのかもしれない。だが山下会長の元にはいくつか取材が行っているようだ。山下会長のコメントを総括すると次のようになる。責任を回避しつつ次回の札幌オリンピック招致に影響が及ばないようにしたいという配慮が滲む。

  • 今回の件は非常に残念。
  • 当時の状況から見ると把握は困難だった。
  • 今後二度と同じことが起こらないように再発防止に努めたい。

おそらく多くの日本人はこの一連の事件に大した驚きは持たないのではないかと思う。つまり東京オリンピックはもともと公共事業のようなもので公共事業は特定の団体が国からのお金を分配するために誘致されると考える人が多いだろう。そう思っていた人は少なくなかったし実際にそうだった。

今回これがたまたま事件になったのは高橋理事がみなし公務員だったからである。広告代理店やスポーツビジネスは一種の利権化しておりみなし公務員でなければ単なるビジネス慣行だった。

むしろ日本人が気にするのは「誰か特定の人にトクをさせるために自分達の支持が利用された」のはズルいという感情ではないだろうか。こうなると山下会長が責任を回避しつつ札幌オリンピック・パラリンピックの招致を目指すのは難しいのではないかと思う。

二度とこういうことが起こらないためには「誰かが詰め腹を切って利益を自分達だけで分配しません」と誓わなければならないというのが「村の掟」である。

カタールでワールドカップが始まった。異例の冬季開催だ。東京オリンピック・パラリンピックは猛暑でもスポンサーの都合でスケジュールが動かせないと言われたのだが、カタールにはお金があり現地の事情が考慮されたことになる。世界中で原油価格などが高騰しているが、天井の開いた会場をガンガンに冷房してサッカーイベントをやるということだ。サッカーとオリンピック・パラリンピックという違いはあるもののスポーツ大会とはそういうものなのである。

東京大会は今後の事業の多角化のためにお金を払ってでも食い込みたかったスポンサー業界全体の将来が先細る中で談合をしてでも受注したかったという企業があったことになる。経済的に見れば非常に寂しい光景だ。

あるいは検察も「政治に影響が出ないようにしつつ」「札幌招致の前に清算したい」と考えているかもしれない。仮にこうした慣行が放置されていれば札幌でも同じようなことが繰り返された可能性があるからだ。今度こそ監督責任が問われかねない。

だが仮に形ばかりの清算が終わったとしても国民の理解は得られそうになく、理解が得られたとしても札束でスポーツ大会を買うような国とは競合できない。札幌の招致も一度立ち止まって考え直すべきなのかもしれない。「成熟国家」にふさわしい文化イベントは他にもあるのではないだろうか。

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