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岸田総理、バイデン大統領、習近平国家主席らが参加する「世界外交ウィーク」の会議日程を短くおさらい

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今週は外交ウィークになる。様々な会議が行われる予定になっている。ここでは短く会議日程をおさらいするのだが、短く書いただけでもかなりの分量になる。COP27、ASEAN、G20の会議が開催されているため、各国首脳たちは忙しくこれらの会合をハシゴすることになる。

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ヨーロッパでは関心が高かったCOP27

まずCOP27がおこなわれている。会期は11月6日から11月18日まで。場所はエジプトのシャルム・エル・シェイク。市内半島の突端にあるリゾート地なのだそうだ。

先日、気象災害に対する先進国の補償を話し合う会議が行われた。イギリスのスナク首相は参加しないと言っていたが結局参加を決めた。ヨーロッパでは関心が高い問題だ。

バイデン大統領は遅れて参加し自分の言いたいことだけを言って会場を後にした。ヨーロッパとアメリカで環境問題に対する取り組みが微妙にずれていることがよくわかる。

アメリカ国内でも関心が高いため環境問題への取り組みはアピールしたいが余計な責任は負いたくないと言う姿勢が窺える。Newsweekに背景を説明した記事が出ている。ヨーロッパでは危機感を伴った運動になっているのだが、アメリカ人は自分達の善行をアピールする機会だと感じているのかもしれない。

岸田総理はそもそもこの会議にはあまり関心を示さず、外交日程としてはスルーされる形になった。このため日本ではCOP27の報道はあまり見られなかった。

ミャンマー問題で揺れるASEAN首脳会議と拡大会合

その後の11月11日にASEANで首脳会談が行われた。場所はカンボジアのプノンペンだ。主な議題はミャンマー問題だ。軍政を支持する国とそうでない国があり意見の差は埋まらなかったようだ。

この会議の後の13日(日曜日)には拡大会合が行われる。バイデン大統領、岸田総理、尹錫悦大統領、李克強首相が参加する予定になっている。このほか、オーストラリア、ニュージーラーンド、インドが加わる。台湾問題、南シナ海の問題、ミャンマー問題、ウクライナ侵攻について話し合われる。事前に入念な準備をして望みたいところだが岸田総理は葉梨法務大臣の失言問題で出発が遅れ午前1時にドタバタと出発することになった。

バイデン大統領はすでに12日に中国への対抗を全面に押し出している。

ASEANは米中対立で注目が集まる中「美味しいところどり」を目指したいところだろう。またバイデン大統領の頭の中には常に国内へのアピールがあり、中国に強く対峙している姿勢を鮮明にしたい。各国の思惑が交錯する中に岸田総理は遅れて飛び込んだことになる。すでに12日のベトナム・ブルネイとの首脳会談はリスケになった。

プーチン大統領の不在と習近平国家主席の存在感が際立つG20

その後G20首脳会談が行われる。会期は11月15日から16日。開催地はインドネシアのバリ島だ。ASEANに参加していた一行はプノンペンからバリ島に移動することになる。こちらには習近平国家主席が参加する。この習近平氏が誰と会うのかに注目が集まっている。すでに決まっているのはアメリカとフランスだ。アメリカは14日に会談予定だ。

バイデン大統領は国内で「中国は唯一の競争相手」と位置付けておりどのような問題についてどのようなトーンで話し合いが行われるのかに注目が集まる。民主党の大敗が回避されたため外交で得点を稼いでおきたいところである。ただし外交下手なバイデン大統領は民主主義の価値観を押し付けつつ自分の要求だけを相手に伝えがちだ。

実は日本も日中首脳会談を調整中だ。だがこちらはドタバタとした日程調整が続いていることもありまだ正式決定の報道がない。すでに「調整する」と発表されているのだから「会談ができませんでした」では済まされない。外務省としては面子がかかっているが「中国の都合の悪いことは持ち出さない」と言うような妥協を引き出される原因になる可能性もある。場所はタイのバンコクが予定されているそうだ。日程は「来週のどこか」ということになっている。

日韓首脳会談はすでに11月13日(日曜日)に開催されることが決まっている。事前に麻生副総理を送って状況を確認している。文在寅政権下では様々な問題が拗(こじ)れていたのだが、これをどの程度修正できるのかが課題になりそうだ。尹錫悦大統領は支持率が低迷しており日本との関係改善で支持率を高めたいところである。中国と違って日本側にやや有利なのかもしれない。

さてプーチン大統領はG20に(対面では)参加しないことがわかっている。習近平国家主席が誰と会うかは焦点だがもう一つの焦点はロシアの不在ということになる。

面白いことにトルコがその隙をついて中央アジアでのプレゼンスを高めようとしている。12日にウズベキスタンのサマルカンドでチュルク諸国会議が開かれエルドアン大統領が参加した。

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