第8波入りを前に「コロナワクチンには金を払え」と政府が提言

夕方のニュースで「財務省がコロナワクチンの有料化を提案している」と言う話が流れていた。第8波入りを前に全国知事会は政府にワクチン接種の推進を要請しており真逆と言える提言だ。何よりも突然降って沸いたような報道にびっくりした人も多いのではないかと思う。仮に政府にその気があるのなら事前にそれとなく告知をして既成事実を作ろうとしただろう。なぜこんなことになったのかと考えた。






正確には発信元は「政府」ではなく財務大臣の諮問機関だ。諮問機関なのだが財務大臣ではなく財務省の総意を委員たちに言わせる場所になっているのだろう。国費負担が17兆円にもなりこのままでは財政悪化の危機感があると共同通信は書いている。

ただ懸念材料は財政悪化懸念だけではないように思える。

共同通信によると新型コロナ対策では13兆円の使い残しが2022年度(つまり今年度)に繰り越されている。使われなかった予算は全体の2割にあたるそうだ。そのうちの多くが地方創生臨時交付金事業である。2019年から2021年度までの話なので全てが岸田政権と言うわけではないが自民党・公明党政権が地方の不満をかなり恐れていることがわかる。同時に地方のニーズを汲み取れなくなっているようだ。必要な予算なら使われていたであろう。このトレンドは統一地方選挙に負けたら後がないと言われている岸田政権にも引き継がれている。とにかくお金は配ろうとするがうまく使ってもらえないということになる。政府の分配機能の衰えを感じさせる。

このような規模ありきの選挙対策・広報予算に不満を募らせているのが財務省である。税収は好調だったがそれでも足りないために国債で賄う。低金利の国債は市中で引き受け手がいないため日銀に回収させている。さらに円安対策も行わなければならず神田財務官は円防衛軍として日夜戦っていると言う状況である。

それでも、政府首脳はさらなる資金調達を迫ってくる。「どう調達するかはあなたたちに任せたと」いうばかりで責任をとってくれない。

追い詰められた財務省は「自民党と合意ができている」と言う報告を官邸にあげた。萩生田政調会長に言わせればそれは「掟破り」の嘘であった。反発した自民党の要請に応える形で岸田総理は土壇場での増額を決定する。当然財務省は「岸田総理は総理として自分たちを守ってくれていない」と感じたはずである。この攻防の様子はテレビ東京がYouTubeに「「禁じ手には禁じ手で」自民党vs財務省 経済対策をめぐる攻防(2022年11月4日)」としてまとめている。

このため全国知事会が「第8波コロナ対策としてワクチン接種の推進を」と要請するのとほぼ同時に財務省から「ワクチンの全額国費制度廃止」と言う提言が出てきた。彼らは彼らなりに抵抗しているのだろうが国民には伝わらない。結果的に有権者は当惑する。政府から二つの違ったメッセージが出ているからだ。

実はワクチン接種率は落ち込んでいる。セットだった1回目と2回目は80%を超えているが3回目は66.3%に止まっている。さらに複数のバージョンがある第4回目に至っては4250万人程度しかワクチン接種をしていない。高齢者には行き渡っているが若年層の「ワクチン離れ」が進んでいるものと思われる。わからないから放置しようということになっているのだ。

第8波がどうなるかはわからない。

だが、政府から一貫したメッセージが出なくなっていることで岸田政権の支持率は順調に低下し続けている。公明党の山口代表は支持率低下の原因を究明すると言っているが「今から精査する」と言っている。つまりチグハグなメッセージングが有権者を当惑させていると言う自覚はないようだ。このため、「心配り(予算配分)」が足りないのではないかと言う結論に達するのかもしれない。

仮に政治の側が「支持率のためにもっと予算を」と要求すればするほど政府内部から一貫したメッセージは消えてゆくことになるだろう。かなり悪いスパイラルに入ってしまったと言えそうだが中にいる登場人物たちがそのスパイラルに気がつく日は当分来そうもない。

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