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萩生田文科大臣は岸田政権でうまく立ち回ったようだ

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政局のニュースは10日までめぼしいものは出てこないのだろうなあと思っていたのだが、意外と早くから動静が伝えられている。「統一教会ロンダリング」で安倍派が退けられる一方で、安倍派の中で首相官邸に入り「政権構想」に加わった人がいる。それが萩生田文科大臣である。

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安倍派の多くは統一教会と関係があったとされる。その関係性は実は様々なのだが総括する人がいない。このため岸田政権は「統一教会を洗い流す」として問題そのものを切り離そうとしている。

しかし、これによって全ての安倍派が政権から遠ざけられるわけではない。岸田政権と保守本流に忠誠を誓うのであればこれまで通りに役職を割り当ててもらえる。岸田総裁は茂木幹事長は温存し「安倍案件」だった高市政調会長と福田総務会長は交代させるのではないかと言われているそうだ。

ところが時事通信によると安倍派の萩生田さんは茂木幹事長と一緒に官邸入りし次期政権構想について話し合ったようだ。萩生田さんと松野さんが実質上の窓口となって安倍派の取りまとめをするということなのかもしれない。

萩生田さんは加計学園の獣医学部誘致問題で文部科学大臣として「安倍総理の弁護団」を務めていた。このため安倍元総理に近いと見ていた人も多いのではないだろうか。ところが最近ではシリコンバレーを視察し岸田政権のスタートアップ誘致の姿勢を積極的に宣伝していた。つまり安倍派と言ってもその内情は様々なのだということがわかる。

萩生田さんはシリコンバレー出張で「安倍元総理が蒔いた種をしっかり受け継ぎたい」と言っている。つまり、安倍元総理のやり残した仕事は岸田政権によって引き継がれるだろうと言っている。

このように安倍派の切り崩しが進む中、時事通信は「自民、「保守漂流」の危機 衆目一致の後継者なく 安倍氏死去、8日1カ月」という記事を出している。小泉総理が出てくるまで清和会は保守傍流と呼ばれてきた。つまり自民党の中では一段下に置かれていたわけだ。時事通信はわざわざこの保守傍流という言葉を持ち出しめぼしい後継者がいない保守傍流は安倍元総理の威光にすがるほかないと言っている。安倍政権しか知らない人は「保守傍流とはなんだ?」と思ったかもしれない。2012年以降安倍派こそが自民党本流だったからである。

安倍派の議員たちは萩生田さんが官邸に呼ばれるニュースを読みながら「イデオロギー」か「役職か」という難しい選択を迫られているのかもしれない。

いずれにせよ岸田政権は「良いレガシーは継承し」「悪いレガシーは切り離そう」としているようだ。これが成功するかどうかはその後のマスコミの扱いと民意によって図られることになる。

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