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中央銀行が低金利に固執する日本とトルコだがその結果はかなり異なっているようだ

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タイミングが同じなのは偶然なのだろうが、トルコの中央銀行と日本の中央銀行が「従来の低金利政策を維持する」姿勢を表明した。しかし、その結果はかなり異なっている。トルコは80%という24年ぶりの高いインフレに直面するが日本の物価はそれほど動いてはいない。背景に大きな国力の違いがあるからだ。アメリカの急速なタカ派シフトが金融市場に痛みをもたらしているため、皮肉なことに黒田総裁の発言にも一定の説得力が生まれ始めている。

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まず、トルコである。トルコは現在の低い金利を維持することを決めた。すでにトルコの経済は高いインフレに苦しみリラ安も持続する傾向にある。

トルコは輸出業者にリラを買わせる政策などありとあらゆる手でリラ防衛を試みていたようだ。今回も「リラ建て融資について銀行に中銀への預け入れを義務付ける比率を2倍にする」などしてリラ防衛を行なっている。Bloombergはこれをマイクロプルデンシャルと表現している。本来は信頼を高めるための仕組みのようだが、どうにかしてリラ需要を増やそうとする苦肉の策のようにも感じられる。

日本でも黒田総裁が会見を開き次のように発言した。単なる脅しのようにも聞こえるが「FRBのパウエルショック」を経験している現在の金融関係者が聞けば「ああなるほどな」と思わざるを得ない内容である。

黒田総裁は為替を目的とした政策運営を改めて否定。ただ「金利を少し引き上げたら円安が止まるとは到底考えられない」とし「本当に金利だけで円安を止めようという話であれば大幅な金利引き上げになるが、経済にはすごいダメージになる」と述べた。

日本の特徴は「躍起になって円の需要を増やす必要がない」点にある。むしろアメリカやヨーロッパの経済が悪化すると安定資産を求めて円を買う動きが見られる。これを書いている現在は「1ドル140円か」とみられていた円安懸念は後退し1ドル137円あたりで推移している。

アメリカの金融市場は現在「嵐の中」にありいつピークアウトするのかということに注目が集まる。予想されていた100bpの利上げはどうやらないらしいという観測が広がると株価が戻すという状態になっている。こうしたアメリカの怯えを見ると黒田総裁の発言もあながち根拠がないとは言い切れない。

ロイターは「安倍総理が亡くなっても金融政策は継続された」などと書いている。確かにその通りなのだが、だからと言って今のままのドル高・円安の方向性を維持していいということにはならない。2022年上半期の貿易赤字は7.9兆円だった。明らかに円安と資源高が影響を与えている。

しかしながら日本は国としての蓄積が大きいため「円が全面的に売られる展開」にもなりにくい。

ロイターは識者・市場関係者の声をまとめているが「アメリカとヨーロッパの金融政策や経済状況次第」というのが大方の評価のようだ。つまり、黒田総裁が金融政策を変えたからといってすぐに円安が解消するわけでもないという評価である。

今回の会見で気になることがいくつかある。まず岸田総理などの発言が全く聞こえてこない。対処療法的な物価高対策はいくつか出てきているようだが「根本的に状況を改善すべきなのか、あるいはこのまま何も変えずに凌ぐのか、凌ぐとしたらいつまで続くのか」という説明はがないのだ。これは第七波に突入した新型コロナ対策と同じである。さらに付け加えるならば政策との連動性が高いアメリカとも異なっている。岸田政権と黒田総裁の関係がよくわからないのである。

次に7月24日に政策委員が2名入れ替えになるのだがそのインパクトがわからない。今回は「反対1」だったそうだが、これがどのように展開するかは今の所見通すことができない。ロイターは次のように書いているが、この2名入れ替えのインパクトについては特に説明はしていない。

片岡委員、鈴木人司委員は23日の任期満了を前に今回が最後の決定会合となった。片岡委員は新型コロナの濃厚接触者となり、電話会議で出席した。

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