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コンゴ民主共和国で難民が発生 「第二次アフリカ大戦」は起こるのか

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コンゴ民主共和国で軍と反政府武装勢力が衝突し72,000人の難民が出た。記事は難民の発生とその背景について短く伝えている。20年前の地域紛争に由来する武装勢力が乱立していてルワンダの関与も噂されているという。この記事だけを読むとどこか遠い国の難民の話でしかないのだがこの「地域紛争」がなかなか曲者である。実は内戦の体裁でアフリカの多くの国が参戦した「アフリカ大戦」と呼ばれる戦争だったのだ。国際社会の注目が特定の地域に注がれる中でコンゴ情勢が再び不安定化すればそれが周辺国に拡大しかねないという情勢になっている。

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事の発端は隣のルワンダで起きた民族紛争だった。ツチ族とフツ族の争いが激化しラジオで扇動された両民族が100日の間に大勢の人たちを殺害した。犠牲者の数は80万人とも100万人とも言われる。この内乱はルワンダでは収まった。ルワンダは西側の援助で蘇り経済も成長を続けていると言われている。西側が持ち上げた大統領は今や独裁化しているが西側はあまりこのことに触れたがらない

だが、隣のコンゴ民主共和国は世界第11位という大きな国であり中央政府の力が強くない。ルワンダの武装勢力の一部がコンゴ民主共和国に避難しそこで大統領と結びついたために対立状態が生まれた。形式上はコンゴの内戦のように扱われているが、周辺国(特にルワンダ)を巻き込み「第一次コンゴ戦争」「第二次コンゴ戦争」と呼ばれる大規模な戦争に発展した。このうち「アフリカ大戦」と呼ばれるのは「第二次コンゴ戦争」のほうだ。

ルワンダ紛争の難民がコンゴになだれ込みコンゴで戦争が起きた。そして武装勢力が国を超えて活動し「内戦のような国際戦争のような」よくわからない混乱状態が続いている。第二次コンゴ大戦は形式的には2003年に終了しているが、各地の武装勢力は残ったままである。

この混乱をかろうじて抑えてきたのが国連のミッションだ。国際連合コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)と呼ばれるミッションで安保理決議に基づいて組織されている。

多くの難民を出しつつもミッションによってかろうじて抑えられてきた戦争だがそれが抑えられなくなりつつあるのかもしれないと感じる。ところが現在の国連安全保障理事会はアメリカ・イギリス・フランスの西側諸国と中国・ロシアという専制主義国家のあいだで機能不全状態に陥っている。

さらに都合の悪いことに飢餓の予感がある。ウクライナから小麦が輸出されなくなっており世界的な食料不足を招くだろうと予想されている。BBCによると国連は関係者の善意に訴えかけているのだができるだけ有利な形で交渉を行いたいロシアは食料を「交渉カード」として利用しようとしている。

混乱は今も続いておりちょっとした機能不全をきっかけに拡大しかねない情勢だが西側メディアの関心は高くない。コンゴ民主共和国について検索してもWHO職員の性的暴力の話が出てくる程度で大きく取り扱われたニュースは他になかった。

日本との関係が緊密なウクライナや中東の問題は大きくクローズアップされるがアフリカのトラブルは無視される傾向にあるということがよくわかる。

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