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ルーブルの反転急落と国債発行断念

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ロシアでルーブルが反転急落している。行きすぎたルーブル高の是正という説明になっている。また、ロシア政府政府は年内の国債の発行を諦めたそうだ。経済制裁が効いて戦争が止まってほしいと思うのだがロシア側は新司令官を投入し戦況の立て直しを図っている。またオーストリア首相の説得にも応じなかったようだ。こうなると「軍事作戦」継続の費用をどうやって賄うつもりなのかが懸念される。

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ルーブルの反転急落と国債発行断念は別のニュースとして取り上げられている。つまり今の所この二つは連携したニュースではない。

ルーブルの反転急落を伝えているのはロイターだ。政府のコメントを引用しているわけではなく独自分析で「政府はこれ以上のルーブル高は容認できないと判断したのではないか」と書いている。個人の外貨購入を認めるのだという。

なるほど政策的な誘導なのかと思ったのだがその理由がわからない。理由はいくつか考えられる。

  1. 行きすぎたルーブル高が続くとロシア産のものが売りにくくなる。天然ガスの採掘コストなどにも影響が出るかもしれない。だが経済制裁で貿易がほとんど止められてしまったロシアが今更交易条件など気にするだろうか?という気もする。
  2. すると「これ以上ルーブルを支えられない」がそうとも言えないので外貨を容認するという「転戦系」発言をしたのではないか。ルーブルは急落し株価も落ちているが「政策的にやった」と言えば負けを認めなくても済む。
  3. 記事を素直に読むとなぜか国債調達価格(つまり金利)が下がっているそうだ。普通はルーブル安が進み輸入品が値上がりするとインフレになると思うのだが経済制裁のために常識とは違った動きになっているようだ。金利が下がればロシア政府の将来の負担軽減にはつながるだろう。

長期金利が下がったとは言えロシア政府は今後国債による資金調達は続けられそうにない。国債の発行そのものを断念するそうだ。調達コスト(つまり金利)が天文学的数字になるというのが理由だそうだ。共同通信が伝えている。海外からの投資が期待できないのだから国内の投資家を頼るしかない。だがそれでも「金利をいくら上げても国債による資金調達は難しくなるだろう」というわけだ。ただこれも「外国による人為的デフォルトのせいである」と説明されている。

外からこれを見ると「西側の経済制裁が効いているな」と思うのだがロシアは戦争を諦める気はないようだ。

ただ「国債による資金調達を諦めた国がどのように戦費(ロシア的に言うと軍事作戦行動にかかる費用)」を調達してくるのだろうか?が気にかかる。「戦争が終わったら後で返すから」と言う約束の元で国民から調達してくるか天然資源を売った金を全て政府が徴収し戦争に使うくらいしか残された道がなさそうだが、どちらも国民生活や国民資産を犠牲にすることになるだろう。

オーストリアの首相がわざわざモスクワまで出向きプーチン大統領を説得したようだが「友好的ではなかった」という。共同通信がロイターの伝聞として伝えている。またプーチン大統領はシリアで「実績」のあるドゥボルニコフ司令官を任命し戦線の立て直しを図っている。ロシア側から見るとシリアでの戦功のある司令官だということになるのだろうがウクライナ側から見ればシリアの残虐行為で知られる司令官の投入である。プーチン大統領の頭の中は「どうやれば勝てるか」と言うことでいっぱいになっていて国民生活や経済の維持には頭が回っていないのかもしれない。

軍費の調達もままならない中で新司令官が投入されればウクライナ(特に東部)はさらに激しい戦闘や非人道的行為にさらされる危険はさらに高まるだろう。一方、ロシアはなんらかの形で戦費と兵隊を調達しなければならない。つまりこちらも国民がその負担を背負うことになる。民族の栄光と勝利という表向きのスローガンとは裏腹に理不尽な状況が継続している。

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