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ロシア国債デフォルトで次に注目される2022年5月25日

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日曜討論でパネリストたちがロシアの国債について言及する場面があった。ロシアの国債はデフォルトしますか?という問いに対して3月の利払いが実行されたことでひとまず峠を越えたと話していた。だがこれがロシア国債の安定性を保証するわけではないのだという。専門家は5月25日という日付を提示していた。

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NRIに関連する記述がある。もともとロシアは16日の利払いをルーブル建てで行うとしていた。これは嫌がらせの意味を含むという。だが実際には悪影響が及ぶことを懸念してドルで利払いされた。このようにロシアは最初は強気に出て周りをハラハラさせはするものの最終的には収まるところに収めるという態度を取ることがある。これもその事例である。

3月5日の大統領令第95号で「外国の再建はルーブル建てで支払うことを許す」法律が発行していた。非友好国(ロシア、米国、EU、英国、スイス、シンガポール、日本、カナダ、ニュージーランド、台湾、ウクライナ、韓国、オーストラリア)に対してルーブル建ての口座の開設を許すという内容である。法的にはルーブル建の口座にお金を振り込んだ時点で「返済したとみなす」という体裁が整ったわけだが当然国際的には許容されない。相手との契約があるからだ。

国内にルーブル口座を作るというのは天然ガス代金支払いとおなじ「プーチン・スキーム」なのだがいずれにせよ実際にはこの通りにはならなかったということになる。

天然ガスでドルとユーロが入ってくるのだからロシアが外貨を持っていないということはない。だから「今まで通りにやればいいのではないか?」と普通の感覚であればそう思いたくなる。ロシアがやっていることの意味が今ひとつわからない。

プーチン大統領の経済理解には「ロシアが許可をしてやれば西側もルーブル口座を持ちたがるに違いない」というような希望的観測があるのかもしれない。また「偉大な国の偉大な通貨であるルーブルが国際通貨にならないのは単にその仕組みがないからだ」と思っている可能性もある。だから「ルーブル口座を作るようになればみんなそれを利用するのではないか」と考えているのかもしれない。

ただ実際のルーブルは単なるローカル通貨に過ぎない。プーチン大統領の願望は願望に過ぎないのだ。

尊大で周りから理解しがたい身勝手とも言える提案の裏でプーチン大統領はデフォルトを避けようと必死になっている。プーチン氏を観察していると尊大な提案と怯えが同居しているように見えることがよくあるのだがこれもその一例と言えるだろう。

NRIは2021年末に6,300億ドル相当の外貨準備があったと書いている。ウクライナ侵攻前に1030億米ドル程度を保有していたということになるそうだ。FRBに預けていたドルは凍結されたため今使っているドルは民間銀行の隠し玉だと見られているそうだが、とにかくロシアは必死になって外貨をかき集めていた。

法律まで作って「自分たちは借金を返すつもりがある」と表明して見せたが実際にはドルで支払いをしている。だが、プーチン大統領がドルで支払いをしたいと考えてもそれができなくなる可能性がある。

次のターニングポイントは5月25日になるという。アメリカ政府はアメリカの投資家を保護する名目でロシア政府から国債の利払いをドルで受けることができるように猶予措置を講じているそうだ。この措置は時限措置であり実際にアメリカ合衆国政府が措置を延長するかどうかはわからないのだそうだ。

支払い手段が封じられても格付け機関はこれをデフォルトとみなす可能性が高いそうだ。ロシアはドル建て国債をルーブルで支払うという発表をしており国内の投資家は従ったようだが、国外の投資家にルーブル払いを強要すればそれは「デフォルトだ」とみなされる可能性が高いという。

ではロシア国債がデフォルトすると何が起こるのか。ロイターが分析している。

ロイターもNRIと同じように5月25日の意味について書いている。「再建ないし株式の利子や配当、償還金受け取り」を目的とする取引は禁止対象から除外されているという。主語がアメリカ人になっていないので西側の投資家全般に言えるのかもしれない。

デフォルトに起因する訴訟が解決しないと金融市場に戻ってこれなくなるそうだ。ロシアはすでに国債的な金融市場からは締め出されているのでもはや関係ないと思えるのだがなぜかロシアはデフォルト回避に必死である。つまり、国際金融市場に復帰したいと考えていることがわかる。またロシア革命以来ソ連・ロシアはデフォルトを経験していない。このためこの伝統を是が非でも守りたいという気持ちもあるのだろう。

5月25日直後の5月27日にはまた利払い日がやってくる。自分たちの「軍事作戦」が招いた結果とはいえ払いたくても利払いができないという事態に陥りかねない。さらにこの制裁が行われなかったとしても年内に20億ドル分の対外債務を返済しなければならないのだそうである。

このため日曜討論では「ロシアのデフォルトは不可避なのではないか?」との分析が示されていた。

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