ポーランドがNATOはウクライナ情勢に介入すべきかもしれないと主張し始めた。第三次世界大戦の可能性が見えてきた。
きっかけになったのはロシアの生物化学兵器に関する警告だった。ウクライナにアメリカが主導する生物化学兵器計画があるという主張である。国際社会はこれを認めずロシアが自分たちの作戦を正当化するためにアメリカの謀略を持ち出したのではないかと警戒感をあらわにした。
ポーランドの大統領はこれを持ち出して「仮にロシアで化学兵器が使用されることがあればNATOも介入を検討すべきだ」と主張した。政治的にも軍事的にも不利なプーチン大統領は何をしでかすかわからないというのである。
ところが予想外のことが起きた。ポーランドの国境に近いリビウにミサイルが撃ち込まれ35人が死亡したのである。ポーランド国境からリビウまでの距離は70kmから80kmといったところなのだが記事をよく読むと「国境から20km」と書かれている。つまりより近いところに攻撃が加えられたことになる。米軍を牽制する狙いがあると時事通信は書いているがもはや意図が何なのかは誰にもわからないだろう。
リビウにはレンベルグというドイツ語の別名がある。オーストリア帝国に支配されていた頃の名残なのだそうだ。ポーランド領だった時代もありヨーロッパ人には身近な土地である。
こうなるとすでに警戒感をあらわにしてきたポーランドの大統領の姿勢が硬化することは避けられそうにない。クロアチアの首都にもロシア製のドローンが飛来している。これも何を考えているのかはよくわからない。するといよいよNATOで参戦議論が高まることになる。
今回の件でウクライナで焚き火をしていたバイデン大統領はアメリカの世論を抑えるのに必死だ。アメリカが積極介入すればロシアとNATOの間で戦争が起きかねない。これは第三次世界大戦だと主張しているという。バイデン大統領はついに自分が起こした焚き火が失火しているということに気がついた。つまりアメリカにはすでに積極介入論があるのだ。
このタイミングでアメリカのジャーナリストが殺されてしまった。連日自分たちと似た姿の白人が戦争に巻き込まれている映像も流されている。アメリカの世論がどんな状態にあるのかを想像するのはそれほど難しくない。
シリアやアフガニスタンの戦争と比べると今度の戦争はNATOにとっては身近な戦争である。ロシアが不利な戦いを強いられる中で暴発する可能性は日々高まっている上に攻撃されているのは自分たちと同じ白人だ。
感覚だけで第三次世界大戦とはという気もするのだが世論によって動かされる戦争とはそんなものである。2月24日にロシアがウクライナに侵攻してからまだ1ヶ月も経っていない。状況はどんどんエスカレートしておりそれを抑えられそうな人は誰もいないという状況になっている。
日本のテレビ局はいち早くキエフを逃げ出してしまい今は香港人のジャーナリストに現地特派員のようなことをやらせている。おそらく日本人にとってこの戦争はそれほど身近なものではない。だがヨーロッパとアメリカの白人社会はおそらくそうは思っていないはずである。気がつかないうちに国際世論が緊迫していたということになりかねないのではないかと思う。