Quoraで中央アジアの国々はロシアのウクライナ侵攻をどう思っているのか?と言う質問がついた。面白いので調べてみた。
Quoraの質問はぶっつけ本番で書く。この質問では何をもってしてどう思っているのかがわからない。結局非難決議にどう対応したのかと言うのが一番わかりやすいと思った。
- 賛成:グルジア、ウクライナ、モルドバ、エストニア、ラトビア、リトアニア
- 反対:ベラルーシ、ロシア
- 棄権:アルメニア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン
- 意思を示さず:アゼルバイジャン、トルクメニスタン、ウズベキスタン
まずロシアを非難した国は二つのグループに分かれる。既にNATO入りしているバルト三国とEUやNATOに加盟してロシアから守ってもらいたいと考えている三カ国である。このうちウクライナは今回攻撃を受けている。
意外だったのは表立って反対している国がロシアとベラルーシしかなかったことだ。ベラルーシはロシアと運命を共にすることを決めてしまったようだ。ロシアと集団安全保障の枠組みを作っているそのほかの4カ国は棄権した。
これらの国々はカザフスタン暴動を鎮圧したことが記憶に新しい。もともとは反政府運動だったのだが「外国に扇動されているから安全保障上の対応が必要だ」として安全保障の枠組みで介入した。ロシア主導の軍事介入と言われていた。ロシアを刺激することは避けたいが国際社会からも締め出されたくないと言う意図が透けて見える。おそらくは武力で脅かされていると言う希薄な意識で参加しているのだろう。介入されたカザフスタンのナザルバエフ前大統領はもともと独立志向が強かったのだが、今回の介入で政界引退を余儀なくされた。
さらにこの外に「面倒に関わりたくない」と言う三カ国が含まれる。いずれも状況が異なる。
まずウズベキスタンだがロシアともウクライナとも仲がいいから今回はどちらも応援しないと宣言している。ベラルーシと並んで独裁国家と言われ個人崇拝が進んでいるとされるトルクメニスタンの大統領の声明は確認できなかった。
中でも最も面白い立ち位置なのはアゼルバイジャンである。アゼルバイジャンはアルメニア(これはロシア陣営である)と戦争をしていた。そして最近トルコと軍事同盟を組んだ。もともとアゼルバイジャンとトルコは兄弟民族であり仲がいいことで知られている。つまりロシアとは敵対する関係にある。トルコはNATOの一員として今回のウクライナ侵攻を非難する決議に参加した。だがロシアと国境を接するアゼルバイジャンはこれに追随する道を選ばなかった。面倒なことは聞いてくれるなということで意思表明しないと言う道を選んだのだ。
ロシアと同盟を組んでいる国で死んでもロシアについてゆこうと考えているのはベラルーシだけということになる。意外と希薄な関係なのだ。