ハフィントンポストがセサミストリートの戦争報道へのアドバイスを紹介している。「小さいお友達」に向けたものだが大きなお友達も参考にできる。
セサミストリートは古くからある子供向け番組だ。早い時期から多様化推進の教育に力を入れてきた。日本でもNHKが長く放送していたことから広く認知されている。
メッセージは簡単なものである。まずニュースを見て辛くなったらその辛い気持ちを誰か信頼できる人に打ち明けてみるべきだとアドバイスする。そして大人の側にもその話を聞いてあげるようにと勧めている。
小さい子供は目の前で起きている情報を取捨選択して取り入れることはできない。だからそれを情報整理するためには大人の助けが必要だ。
この記事を見ていて思った。「大きいお友達」は今回のウクライナの情報を整理できているのだろうか。
ロシア側は情報を統制を始めた。こちらはわかりやすいメデイアコントロールなので批判の対象になりやすい。これに対してウクライナ側はスマホによって細かい情報を拡散する情報ゲリラ戦を展開している。さらにロシア側はそれに対抗するために「ネットに流れてくる情報は敵の罠である」と主張するという展開になっている。
明らかな情報撹乱が起きているのだから、大人であっても「何だかよくわからない」とか「気分が悪くなった」という感情を持って当然なのだ。
ネットの情報を見ていると「ある違和感」を言語化できない人が陰謀説を唱えるケースも散見されるようになった。西側諸国はロシアと直接対峙して核戦争の脅威が降りかかるのを防ぎたい。さらに東ヨーロッパにはロシアに蹂躙された国々がある。こうした国々は逆にぜレンスキー大統領を過剰に持ち上げる傾向が強い。
またアメリカには「トランプ戦争」を受け止められない人たちがいて彼らも盛んに民主主義のために戦うゼレンスキーを応援している。
つまり彼らは自分たちの代理でウクライナに犠牲を強いているという罪悪感を払拭するためにゼレンスキー大統領を過剰に持ち上げているのだ。
当のゼレンスキー大統領もこれによってかなり高揚した気分にあることは間違いがない。彼は情報のハブになっているので彼が高揚したまま間違った判断を下せばウクライナはかなり危険な状態になるだろう。
普通の我々一般市民が処理できる情報量を超えてしまっているので「疲れた、わからない」と考えるのは極めて普通のことなのである。
こうなると逆に「いや私は全く疲れないし、むしろだんだん真実がわかってきた」などと言い出す人の方がよほど危険だということがわかる。強烈な刺激に対して酩酊状態に陥っているか、他人への共感を遮断して自分なりの独りよがりの結論を導き出そうとしている可能性が高い。
つまりこの時点で「私は真実がわかった!」などと堂々と主張する人はまず疑ってかかるべきだ。さらに言えば「私は真実がわかったぞ!」とTwitterに書き込みたくなったら1時間くらい散歩に出かけた方がいい。散策して目に入るものが現実であって、おそらくTwitterやYouTubeが現実というわけではないという当たり前のことをもう一度再確認するべきだろう。