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国民民主党が与党の予算案に賛成しれいわ新選組は議場で叫ぶ

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ある時代が終わったことがわかる出来事が二つあった。一つは「外交の敗北」を象徴するウクライナ東部分離だった。もう一つは国民民主党が与党の予算案に賛成したことである。労働組合運動の敗北と言って良い。労働組合運動がもはや自力で立っていられないほど弱っているということがわかってしまった。

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国民民主党と立憲民主党は無党派層の支援に支えられているということになっているのだが実際には組織によって支援されている候補者の集まりである。このため無党派層の多い都市に候補者がいる。一方で過疎化が進み大きな労働組合のない地方や無党派が優勢になっている都市部では弱い。「日本」という構造物は政治的にはもはや一つの塊をなしていないと言って良いだろう。

最近支持母体の連合が怪しい動きを見せていた。会長候補が決まらず「仲を取り持つ形」で女性の芳野友子会長が誕生した。この芳野さんは最初から挙動がおかしかった。共産党と野党共闘を悪し様に攻撃し続けついには「女性同士で話がしたいから」といって小渕優子さんと会談をした。つまり自民党に擦り寄り始めたのである。

派遣労働・非正規労働への組織化を怠り旧来の組織の上にあぐらをかいていた労働運動組合はついに成り立たなくなった。だから自民党に接近して「おこぼれが欲しい」と言っているのである。

これはかつて労働組合運動が蓄積してきたものを差し出す代わりに明日の飯を分けて欲しいと言っているのと同じであろう。同じことを玉木代表も行った。これまでの蓄積を捨て「ガソリンでいい雰囲気だから」という曖昧な理由で予算案に賛同した。誰もこの説明がまともだと思うものはいないだろう。資産は持っている。おそらく民主党時代に蓄積した政党助成金のあまりもあるからだ。これを与党に差し出してあまりものを分けてもらおうとしている。

有権者に向けて説明する体裁になっているのだが実際には「賃上げをするには与党案に賛成するしかない」といっている。これは労働組合など役に立ちませんよと言っているのと同じことである。玉木代表も「ガソリンなどを勝ち取ることができそうだから政府の予算案に賛成する」と言っている。

事実上の敗北宣言なのだから「あなたたちが支えてくれないからこうなった」と恨み節の一つでも唸って欲しかった。もしくはれいわ新選組のように議場で叫ぶべきだろう。ただこのニュースは政治ニュースではなくエンターティンメントセクションで表示すべきだ。「我々の存在を忘れるな」という叫びはそれなりには重要だが政策的には何の意味もないからである。

事情はわかった。だが言い訳がみっともない。国民を説得しわかってくれというつもりもないようで単に体裁だけを整えてその場を逃げ切ろうという卑しい根性が見える。

おそらくこの国では労働運動というものがもはや成り立たなくなっているのだろう。経営側にすり寄っておこぼれをもらうくらいしか取れる方策がない。つまり経営翼賛体制に舵を切ったのだ。これは労働組合運動の敗北である。

これを批判したくなるのだが、かと言って有権者も騒ぎたい時に騒ぐだけで野党を支えるようなことはなかった。政治は普段の愚痴や攻撃性のはけ口になっているだけでもはや問題解決のための道具ではないのである。負けるべくして負けたと言って良いだろう。

立憲民主党も国民民主党を攻撃できない。長崎県知事選挙では現職に相乗りして自民党県連の一部と維新が推した新人に負けている。票差はわずか541票だったことから「最後は気迫」だったことがわかる。

  • 大石賢吾、無所属、新。当選。23万9415票。
  • 中村法道、無所属、現。23万8874票。
  • 宮沢由彦、無所属、新。4万6794票。

これはかなりみっともない負け方だった。地方政治レベルでも自民党に代わる新しい政治体制を自ら構築しようという意欲を持った人たちはいないということが露見している。単に利権にしがみつきたいのだなということが透けて見えているのだ。何も対立だけが野党の仕事ではないのだが、新しい価値観を政治に持ち込めないのでは単なる抵抗勢力と言われてもしかたがない。それもできないなら最後は気合だけでも見せて欲しいのだが、今回の国民民主党の説明を見ているとそれも期待できないようだ。

目が死んでいる。

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