「ウィグル弾圧に習近平国家主席が関わっていた」という文書が流出する

BBCが「習近平国家主席をはじめとする中国の指導者たちが、同国の少数民族ウイグル族の弾圧に関与していることを示す文書の写しが、このほど新たに公表された。」という書き出しで始まる記事を掲載した。BBCは継続してこの問題を扱っている。

再教育キャンプの話を最初に大きくしたのもBBCである。




中国共産党が新疆政策を大きく転換させたのは2014年ごろのことだったと考えられている。きっかけは習近平国家主席の新疆訪問だ。習近平国家主席を狙ったテロが起こったことから中国政府はテロリストの鎮圧に乗り出した。

しかし誰がテロリストかを見分けることができずやがてウイグル族全体の同化を目指すようになったようだ。もともとイスラム教徒は長くこの地域に暮らしてきた。そのため共産党は大人の教化を諦めて子供の漢民族化=中華民族化を図ろうとしているようだ。それが洗脳などと言われて騒がれている。

習近平国家主席はこれまでの慣例を破り国家主席三選を目指している。それを人民に認めさせるためには「習近平国家主席が特別である」ということを内外に証明しなければならない。中国は清の領域を支配する後継国家であるべきだということになりさらに習近平国家主席そのものを神格化する歴史が作られる。清に服属していた地域全体が共産党を支えなければならないということになり緻密な物語が作られるようになった。

ところが中国が経済的にアメリカを圧迫するようになるとアメリカからの圧力が強まることになった。「自由と民主主義の守護者」であるアメリカは共産主義中国を専制国家と名指しして中国の抑え込みを目指すようになった。共産党が清のような帝国を目指していて一部のウイグル人だけではなくウイグル全体を抑圧しているというのは西側から見れば都合の良い物語である。

そもそもこの「法廷」とはなんだろうか。もともとは「ある学習会」だったそうだが熱烈な信者が多かったために共産党に邪教と認識され国外追放された。このため国外に逃れて国外から反共活動をしている。この法廷も反共活動の一環であり「被告なき裁判」をイギリスで行なっていることになる。当初彼らが訴えていたのは臓器売買である。2019年の記事では中国は組織的に臓器売買をしていたということになっている。

特徴になっているのは「一部の悪人が犯罪に手を染めている」のではなく、中国が犯罪者の国家であるという悪の国家中国を世界に流布することだ。

おそらく中国では人道に反するようなことが行われてるはずである。だがそれが国ぐるみの犯罪であるかどうかはわからない。だがこの「法廷」はそもそも共産党に恨みを持っているのだからどうしても中国全体が悪でなければならない。さらに国家間競争上この悪の中国像を世界に広めたい国もあるという具合だ。台湾と大陸中国の対立も原点は国共内戦という内紛なので、中国に関する対立を突き詰めてゆくと大抵仲間割れの歴史に遡ることができる。

こうなる理由もわからなくはない。おそらく中国には権力者が決めた唯一つの歴史しか存在し得ないのだろう。我々のような自由主義の国では全ての人が歴史を評価する権利を持っている。つまり歴史の評価は複数ある。民主主義はこれを織り合わせあるいは折り合わないままで共存させる知恵といえる。だが中国はそれを発達させることなく世界一の巨大国家になった。

国内で一つの歴史を固定し「意味の帝国」を作りだそうとすると巨大な影がいくつもできる。この法廷も影の一つであるといえるだろう。

アメリカ合衆国でも歴史には複数の評価がある。そのため国はすべての記録を後世の評価のために残しておかなければならないことになっている。トランプ前大統領のようにそれを隠そうとする人もいるわけだが、連邦地裁は「大統領は王様ではないし、トランプ氏は大統領ですらない」と聞き入れてもらえない。代わりに映画という嘘を使って人々に良いアメリカを信じさせようとする。

いずれにせよ中国は国家の威信をかけてすべての歴史を支配することに決めたわけだからそのままこれを貫くしかない。彼らにとってこの戦いに負けるのは国家権力を手放すときだろう。

当人たちにとっては生死をかけた歴史戦闘なのだがはたから見るとこれほど滑稽なことはない。

習近平国家主席をイジっているとみなされたため中国ではくまのプーさんが扱いにくくなっているそうだ。するとくまのプーさんに「国家弾圧に抗議する」という意味がついた。

今では彭帥さんとバッハ会長のビデオ通話にプーさんが映っているからこれはSOSなのではないかと言われているそうだ。バッハ会長は中国に協力して炎上を食い止めようとしたが「オリンピックそのものが帝国主義である」という従来の批判に火がついた。慌てて2回目のビデオ通話をやり「我々も心配しているからこそ電話をしたのだ」と取繕わざるを得なくなったそうだ。

この「意味の戦争」の犠牲になっているのは当然ながら当事者になっているウイグルの人々である。親子が引き離される事例がありCNNが直接取材した映像もある。だがこの件について中国政府は「親はテロリストだから」と説明している。おそらくこれは共産党から見れば嘘ではないのだろう。共産党が定義する物語を壊そうとするものはすべて彼らから見ればテロリストなのである。

付け加えて言えば彭帥さんもその犠牲者の一人である。どのような意図で最初の文章を出したのかはわからないが非常に大きな何かに飲み込まれることになった。おそらくすでに彭帥さん一人がなんとかできる問題ではなくなっている。そっとしておいてほしいというのが本当の意思だったとしてもすでにそれは多くの人の興味と関心の的になっている。

サイト内Google検索


Google Recommendation Advertisement



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です