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人事恫喝を続けてきた菅総理の元には都合の悪い情報は入ってこない

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今日取り上げる記事は2つある。一つは朝日新聞の「「え、そんなに遅れる所あるの!」首相、接種の遅れに」である。もう一つは時事通信の「ワクチン高齢者接種「さば読みいっぱい」 秋田知事、7月末まで85%に」だ。結論は菅総理を今すぐ変えないと大変なことになるで変わらない。ちなみにこれを書いてから緊急事態宣言で「分科会が造反した」という話が入ってきたのだがその件は織り込んでいない。つまり状況はますます悪化しつつある。切り捨てるなら早いうちがいい。

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最初の記事は公明党と面会した菅総理が公明党地方議員団が「9月か10月までかかるところがある」という話を聞いて驚いたというものだ。公明党議員団は実際に地方の声を聞いて「そういう話がある」と知っていたのだろう。それを伝えたら菅総理が驚いたというのである。つまり、菅総理の耳元には都合が悪い話が全く入ってきていない可能性があるの。

ではなぜそうなるのか。時事通信は岸田派の会合の声を伝えている。言「われたら地方はそう答えざるを得ない」のではないかと予測している。だが実際にはもっとひどいことが起きているようだ。

佐竹秋田県知事は藩主の末裔であり、地元の支持基盤が分厚いのだろう。あまり中央政治に忖度する必要がない。

佐竹さんが「上の指示だからなんとかやってくれ』と言われる。厚労省以外の関係ない省庁から来る。要は総理の顔を立てろということだ」と言っている。とにかく、菅総理の顔色を伺って国の色々な官庁から「形だけでも整えてください」と言われているようだ。

この話を知っていたので、西村大臣ら政府メンバーが分科会から突き上げを食らって総理の顔色を伺いに行き10分で態度を変えたという話を聞いてもあまり驚かなかった。

要するに恐怖独裁政治になっているのだ。西村大臣らはおそらく法的には諮問内容を変更する権限を持っているはずだ。菅総理はその場にいないのだから当然である。だが自分の権限を行使できない。その理由はおそらく一つしかない。菅総理が怖いのだ。

この恐怖感は様々な当事者たちをパニックに陥れている。

厚生労働省は「菅総理のご要望にあった」形で地方が計画を出してきて欲しいと言っている。そして厚生労働省ができないとなると自衛隊に圧力をかけて(はっきり言ってしまおう、これは圧力なのだ)やらせる。そして色々な通路から圧力をかけささせて結果を出させようとする。

ただこれは単に菅総理が官僚を脅しているだけだ。だから官僚の頭の中には「ミッションをクリアしよう」という気持ちはない。単にその場から逃げられればいいのである。

当然、地方自治体は「これは計画が遅れているんだな」ということを感じる。だから市長や町長たちがこぞって我先にワクチンを接種し「自分たちだけは特別なのだ」と情報発信するようになってしまった。政府は機能していないことを彼らは知っているわけだから自分たちだけが助かろうとする。それをみた人たちが「自分たちだけは逃げよう」として連鎖するとパニックが起こる。

だが、厚生労働省の役人たちが「自分たちの失敗や要望」を菅総理に伝えることはないだろう。そんなことをしても叱責されるだけだからである。結果的に誰も失敗は報告しなくなり、うまく行っていますよというレポートだけが菅官邸にあげられる。だから菅総理は「当然自分の指示した通りに動いている」から「オリンピックは実施できる」と考える。

公明党がいてくれて本当に良かったと思う。

菅総理には意思決定に必要な情報が入らなくなってきている。国難ともいえる状況に対応することはできない。おそらくこの態度は8年の官房長官時代に培われたものなのだろう。人事を恫喝に使う恐怖政治を8年も行えば、当然誰も菅総理に都合の悪いことを言わなくなる。

菅総理が野党の政治家から何か都合の悪いことを指摘されても「指摘には当たらない」と考えてしまうのはおそらく菅総理のところに情報が上がってきていないからだった。公明党の地方議員団が指摘して初めて「これはまずい」ということになったのだろう。

記者会見は見ていないが「尾身会長に助け舟を求めてばかり」だったそうだ。国民の選択肢は覚悟も能力もない独裁者に付き従って一緒に沈むか切り捨てるかの二択のような気がする。オリンピックのことなどそのあとで考えればいいのではないか。

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