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民進党のPDF捏造疑惑

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ちなみに、立場を鮮明にさせるために最初に申し上げておくと、安倍政権は害悪だと思っているので加計学園の議論は安倍側が負けて欲しいと考えている。だが、その元資料に疑惑があるとすると大問題なので、民進党はなぜこういうことが起きたのかを説明すべきだと思う。さらに文部科学省から「あの文書はあった」という証言も出てきているようで、全く偽物だったかはわからない状況になっている。非常に気持ちが悪い。

2017/6/14: 田崎史郎さんは、このことに薄々気がついているようで、フォントが違っているという情報は得ているようだ。がフォントのことを「文体」と言っていた。つまり、政治界隈の人にはITに関する知識が全くないので、下記に書かれていることはそもそも理解できないのかもしれない。自民党側も情報を隠したい一心なので、ここまではたどり着かないのではないだろうか。義家副大臣のような「間抜けな」ことをいう方がいらっしゃるおかげで、騒ぎが別の方向に向かってしまうのだ。

2017/6/15: 文部科学省が文章があったことを認めた。ということは文書には細工が施されておりなおかつ本物だったということになる。すると、何らか別の理由で文書が加工されたということになるだろう。憶測にすぎないのだが、流出元が特定されないように複数の人(あるいは複数のプリンター)で印刷してスキャンした上で切り貼りしたのかなあと思う。追求をかなり恐れていたことになるのだが、内閣府の恫喝はかなり強いものだったのかもしれないと思った。政府の内部でかなり深刻な省庁間対立が起きているのかもしれない。

[民進党から説明があったらここに追加する]
民進党が、内閣府からの圧力文書を共有したメールの存否を追及 加計学園疑惑調査チームという記事をリリースした。具体的に内閣府から圧力があったという内容で、掲載されているPDFにはメールのヘッダーが付いている。最初この資料について、CCの表記がばらついている(大文字・小文字とか全角・半角がばらついている)という指摘があったのだが、メーラーの違いなんじゃないのかくらいに思っていたし、安倍政権に近い人たちが騒いでいるだけかもしれないと思っていた。
だが、Twitter上で「Illustratorで開いたら文章が継接ぎ(つぎはぎ)になっていた」という指摘があった。どうやらヘッダーと文章が分離しているようだ。ヘッダー部分はコピーしたものを読み込んだように見える。専門的にいうとピクセレートされており、解像度がちょっと荒い。本文はいくらかきれいに画像化されている。つまり、2つのレイヤーがあるように見えるのだ。
PDF加工のやり方によってはこうなるかもしれないのだが、ヘッダーのないメモが具体的なメールであったことを示すためにヘッダーを後付けしたと考える方が自然だ。
なぜ、わかったのかなあと思ったのだが、あるヘッダーの一部だけフォントが変わっている。次ページのフォントは本文と同一だったりするので不自然さが目立つのだ。
もともとメモ書きだけでも内閣府から圧力があったことがわかるわけだが、菅官房長官が「どこから出てきたのかわからない」と言ったために、あとで体裁を整えたように見えてしまう。やり方としては、画像ファイルを2つ用意してPDF制作ソフトで重ねるとこういうことになる。正直「捏造するなら解像度くらい揃えておけばいいのに」と思ってしまうが、捏造があったらそれ自体がダメなことであるのは言うまでもない。
また別のファイル(「藤原審議官の」というやつだ)は別の切り貼りがされているようだ。
左の画像はレイヤーをずらして画像ソフトで加工し直したものでオリジナルファイルではない。面白いというと怒られるかもしれないのだが、元の文章がうっすら残っているので興味のある人は見てみると良いと思う。
なぜ加工したものを掲載したかというと。なんとなくパズルみたいになっているからだ。わざわざこんな組み合わせ方するかなあと思うような複雑な組み方になっており制作意図がよくわからない。
ということで、民進党はこの書類をどうやって作ったのかを説明する必要が出てきたと思う。加計学園の問題は本来なら、獣医師の需要と供給とか、他の学校が獣医学部を作らないところになぜわざわざ進出するのかという「本質的な」問題に集中すべきだと思うのだが、資料を出してしまったことで逆にクレディビリティが損なわれるようなことがあってはならないだろう。
都知事選を前に支持が集まらないこともあり、執行部に焦りがあるのかなあとも想像する。党首や執行部が「なんとかしろ」と曖昧な指示をした結果、プロジェクトチームが「忖度」した可能性も排除できない。
実はこれが高度なトラップになっていて、情報提供者がダブルスパイだったという可能性まで想像してしまった。つまり、民進党に偽の書類を渡せしてある程度議論が「深まった」ところで捏造疑惑を持ち出せば全てが嘘だったという印象操作もできる。できればこういうことはあって欲しくないので、民進党にはぜひ合理的な説明を求めたいところである。
マスコミでは文部科学省からも「あのメールはあった」という証言が得られたという報道がある。いったい何がどうなっているのだろうか。


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