前衆議院議員の川内博史さんという人が「豊洲には青酸マグロの可能性がある」みたいなことを訴えていた。
豊洲の地下水調査。マスコミは、ベンゼンのことを報道しているが「検出されてはならない」とされているシアンが検出されていることの方が重大。シアンは水に溶けると青酸カリになる。現状の対策では、マグロに青酸カリが付着することは、専門家会議も環境省も認めている。
— 川内 博史 (@kawauchihiroshi) 2017年3月19日
民進党のことは信じていないので、テレビに乗りたくてウケ狙いで危ないこと言ってるんだろうなど考えて、軽〜くツイートしたらご本人から返信が来た。答弁を調べろという。ちゃんとURLつけてくれればいいのにとブツブツいいながら調べたら答弁が出てきた。リンク先はPDFだ。拙い理解なのだが要点は次の通り。
- 環境省の基準は飲み水についてのもので、揮発したものがどういう影響を及ぼすかということは考慮に入れられていない。
- 実際に対策を取るのは東京都と農水省なので環境省としては豊洲の危険性についてコメントする立場にない。
- モニタリングもちゃんとやるから危険があればちゃんとわかるはず。
まあ、豊洲について日頃からウォッチしている頭のいい文化人のみなさんはちゃんとこのあたりを読みながら議論しているんだろうけど、暖かい春の陽気でぼーっとなっている上に森友学園の面白いおっさんに夢中になっており、豊洲で何が起きているのかということはきちんとフォローしていない。ずいぶん前に環境基準は飲み物についてのもので魚市場などのための基準ではないみたいな話を昔聞いたことがあり、最近は「飲み水は水道だから大丈夫」というような説明を聞いた気がする。小池さんもコンクリで固めてあるから平気なんだけど消費者の理解が得られないみたいなことを言っていたような気がする。
答弁を読む限りは「シアン化合物が飛散してマグロについたら青酸マグロになる可能性があり、その可能性はゼロではないけど、わし(環境省)は知らない」であり、シアンが出たらか即青酸マグロになるというわけではなさそうだ。そういう意味では川内さんは言い過ぎである。だから、シアン化合物が検出されたとしたら、マスコミは下記のことを調べるべきなんだろうなと思った。
- これがある程度永続性があることなのか、地下水モニタリングシステムの稼働に伴う一時的なものなのかを調べること。
- 付着するんだとしたら、食べたら死ぬのか、お腹を壊すくらいなのかということをきっちり説明してもらうこと。
そこで新聞を調べてみた。日経新聞はシアン化合物は猛毒なんだけどコンクリートで覆われているから大丈夫みたいなことを言っている。漏れた時の想定がないのでちょっと怖いなあ〜と思う。NHKもシアン化合物がどのように危険なのかは書いてない。笑ったのは時事通信で
会議後の記者会見で平田座長は「地上は大気の実測値を見ても安全。地下も対策をすれば(有害物質を)コントロールできると思う」と述べる
思うってなんだよという感想を持った。多分平田さんはなんかあっても責任とらないですよね。
まあ、よく考えたらわざわざ毒がある土地を買い取って市場なんか作らなきゃいい話で「何やってんだ」くらいの感想にしかならない。浜渦さんは「難しい交渉をまとめて褒められてもいいくらいだ」などと言っていた。何言ってんのかわかってんのか。なんかロシアンルーレットみたいだけど、青酸というと「毒入り危険食べたら死ぬで」だ。
驚いたのはこれが民主党政権下での質問だということで(別に民主党の監督が不行き届きだったということを言いたいわけではないのだが)同じところをぐるぐる回っているんだなあと思った。日本の土木技術というのはそれなりに優れていて、なおかつ世界に輸出しようというくらいなのだと理解をしていたのだが、魚市場も満足に作れないわけで、それほどでもないものなのかもしれない。
小池都知事はいろいろ言っても「もうトップが変わったのだから、これからはきっちりマネジメントします」みたいなことをいうのかなあと考えていた。しかし「青酸マグロ」が出てくる可能性があるとしたら、もうアウトなのではないかと思う。実際に被害が出たらシャレにならないし、ここまでいろいろなことがわかって許可したら、もうこれは間違いなく小池さんの責任になってしまうからだ。
だが、みんななんとなく他人事に見える。マスコミも「小池さんがなんとか決めてくれるだろう」という姿勢らしい。でも自分の口に入る可能性のある食べ物については自分で判断したくないですかと言いたい。新聞はそのために必要な情報を提供すべきだろう。それともみんな魚なんか食べないんだろうか。