国内も国外も「トランプ関税のニュース」一辺倒になっているのだが、永田町は選挙モードに入っている。戦略的思考は一切見られず「票を買うためにどうばらまくか」ばかりが語られると言う末期的状況だ。自民党は政権を買うためには給付しかないが「選挙目当てと思われたくない」と頭を悩ませているようだ。
国難と言えるトランプ関税が「奇貨=棚からぼたもち的に訪れたチャンス」とみなされるほどの末期的状況に陥っている。
一方、与党内からは「選挙目当てのバラマキだと見透かされてしまう」(公明中堅)と悪影響を懸念する声も出ている。自民執行部が給付案の検討に乗り出した背景には減税論を封じる狙いもあっただけに、「給付も減税も」との声が出始めたことを受け、自民幹部は「まさに選挙病だ」と頭を抱えた。
与党に給付・減税ダブル論 米関税「奇貨」、選挙対策否めず(時事通信)
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トランプ関税がどうなるかもわからずそもそも現状調査することもなかった。石破総理は来週にも補正予算の検討を指示する。共同通信は「実施する場合には」と但し書きをつけているが、3〜5万円の給付は今や既定路線になっているようだ。
与党では、全国民を対象に一律3万~5万円程度の現金給付案が浮上している。実施する場合、補正予算案に数兆円規模の関連経費を計上する方向だ。
【独自】首相、補正予算編成を来週指示 参院選見据え物価高・米関税対策(共同通信)
ただし林官房長官は「給付金の検討などしていませんよ」と発言している。党内で意見がまとまっていない上にまとまったとしても「石破総理が決断した」形にしたいのだろう。さらにヤフーニュースのコメント欄では「給付をするとフェイクニュースを流しておいて実際にはやるつもりがないのだ」というコメントが多数ついていた。昨今の政治ニュースは世代によって受け取り方がさまざまだと感じるが、少なくともコメント欄からは敵意しか伝わってこない。
斉藤哲夫公明党代表は事情がよくわかっていないようで「給付も減税もやればいいじゃないか」と言い出している。さらに赤字国債だって別に構わないのでは?と焦りを募らせているようだ。ただしだったらどの税金を下げるんです?と聞かれ「いやそれは」と明言を避けている。
これまで与党は散々減税を渋っておきながら選挙目前になるとばらまきを主張するようになった。選挙目当ての国民買収策であることは明らかで隠しようもないのだがそれでも政府は「これは関税政策だ」と主張している。
おそらく石破自民党は参議院選挙には勝てないだろう。
野党では興味深い動きが起きている。有権者は毎日の生活で支払う消費税減税に傾いており、野党では「誰が最初に言い出したのか」の手柄争いが始まった。立憲民主党の中の消費税減税派は勢いを増している。興味深いことに「立憲民主党がいつ消費税減税派に転じるのか」が争点になっている。つまり野田佳彦代表が消費税問題においては抵抗勢力扱いされているのである。
さらに自民党・公明党・国民民主党の間ではガソリン減税の議論が始まった。自民党側は補正予算を組まずに対応できる10円の値下げを提案しており、国民民主党は暫定税率の廃止を求めてゆく考えだ。
なぜガソリンの問題を本予算で解決しておかなかったのだろう?とは思うのだが、石破政権は期限内に予算を上げることで頭がいっぱいになっており4月以降のことは考えていなかったのだろう。