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石破総理が「強力な経済対策」を謝罪

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経済対策発言を謝罪する総理大臣は初めて見た。石破総理と斉藤公明党代表が揃って「強力な経済対策発言」を謝罪した。おそらくこの二人では参議院選挙は戦えないだろう。

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10万円商品券問題で石破総理の支持率は徐々に低下している。しかし予算編成が行われている最中に倒閣運動を起こしてしまうと「自民党何やっているんだ」と言われかねない。小林鷹之氏の勉強会(選挙における心構えがテーマだったそうだ)に50人が集まるなどすでに兆候は出ているようだが石破おろしの動きは顕在化していない。

このため石破総理としては予算編成が終わったあとの求心力を維持する必要があったのだろう。内々に斉藤代表を呼んで「参議院選挙対策もしっかりやりますから」と話をしたのではないかと思う。

ただ、建前上は「今の予算こそがベストであり補正など必要ない」という姿勢を維持する必要がある。つまり斉藤代表は空気を読んで記者に対するメッセージを調整する必要があった。

今回の謝罪は石破総理がいよいよ余裕をなくしているということがわかるだけでなく、斉藤代表が「空気を読むことが苦手でなおかつ予算編成の持つ意味をよく理解していない」ということを表している。斉藤氏が今の地位を築いたのは山口那津男氏の後継者と目されていた石井啓一氏が落選下からにすぎない。棚ぼた式に代表になった斉藤氏はこれまで党内で仲間の機嫌を取っていればよかった。この極めて内向きな斉藤氏が突然有権者の空気を読める人に変わることでもない限り公明党は参議院選挙で苦戦しそうだ。

「謝罪」こそしたが謝罪の相手は国民ではなく中央幹事会(つまり公明党)だった。

結果的に石破総理は「経済対策発言」を謝罪し「新しい予算措置は講じない」と約束してしまった。しかし予算が通った後は「力強い経済政策」立案が求められる。つまりここで「補正予算を組みます」と言った瞬間に「3月末のあの発言は何だったんだい?」と言われかねない。つまり石破総理にはもう明日の事を考える余裕はなさそうだ。

では石破総理はどのような経済対策を打ち出すのだろうか。

自民・公明・維新で暫定税率についての議論が始まっている。維新は夏に暫定税率を廃止しろと言っているが自民党は拒否している。地方の財源が減ることになり自民党としては受け入れられないのだろう。

石破総理は党内にいる選挙優先派と税制健全派のバランス調整もできていないようだ。

宮沢洋一税調会長は「補正予算の編成を伴うようなことはできない」と発言している。つまりそもそも石破総理の発言はその場限りのものであり補正予算の編成に伴う大胆な措置を講じるつもりはなかった(あったとしても自民党内の財政再建派をまとめることができていなかった)事がわかる。だが実際には選挙に焦る選挙優先派も石破総理の資質を疑問視している。

これに対し、自民の宮沢洋一税調会長は暫定税率廃止に伴い補正予算案の編成などが必要になるとして、「技術的にいくつか難しい問題がある」と指摘。ただ、自民内には参院選を控え「早急に判断していくことが大事だ」(松山政司参院幹事長)との声も出ている。

暫定税率廃止で議論着手 維新は今夏主張、与党難色(時事通信)

石破総理は80年談話でも躓いている。このまま自分の「お気持ち」を優先させてしまうと党内の保守派が暴発しかねない。かといって保守派に屈服してしまうとリベラルが離反しかねない。結果的に有識者に議論をさせることになり発表を後ろ倒しにしている。

立憲民主党がそもそも禁じ手とされるETFを「財源化」しようとしていることからもわかるが、結局のところ日本の一番の問題は地方も牽引できるような新しい産業が育たないという点にあるのだろう。

これまで没落を免れてきた自動車産業までもがトランプ関税によってめちゃくちゃになりそうだが、交渉相手は「一人勝ち」に固執したアメリカであり、みんなが楽しめるようなゲームに応じるつもりはなさそうだ。

このように「解のない問題」を解こうとするとおのずから「手っ取り早く表紙を越えてとにかく目の前の選挙を乗り切ろう」というような政局展開が予想されることになる。

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