もはや、プーチン大統領が「シスの暗黒卿」にしか見えなくなってしまった。プーチン大統領はトランプ大統領を巧みに操りアメリカ合衆国をダークサイドに引きずり込もうとしている。焦ったマクロン大統領がホワイトハウスを訪れたがプーチン大統領のメッセージを鵜呑みにし間違った情報を主張し続けたため腕をそっとトランプ大統領に伸ばして発言を制止せざるを得なかった。完全に洗脳されてしまっているのだ。第二次世界大戦後の国際秩序を守ってきたアメリカ合衆国のヘリテージは完全に破壊されたと言ってよいかもしれない。
うろ覚えだったのでパルパティーン元老院最高議長について調べてみた。彼の正体はシスの暗黒卿。シス卿としての名前はダース・シディアスである。戦争に乗じて議会から非常大権を与えられ「皇帝」となった。シス卿は恐怖を原動力とし正義に屈することなくあくまでも自分の権利拡大を目指す。
東ドイツの民主化から逃れてきた経験があるプーチン大統領はその後も民主主義を憎悪し続けた。ソ連崩壊期の混乱に乗じてオリガルヒと呼ばれる新興財閥に巧みに取り入りその後テロの抑止などで成果を上げてゆく。ウクライナの民主化要求運動によって親ロ派の大統領が追放されるとクリミア半島を併合、東ウクライナにも傀儡政体を作る。これが2014年以降ウクライナ侵攻以前にロシアとウクライナの間で起きたことである。
オリガルヒを懐柔したプーチン大統領にとってみれば自称「交渉の天才」の不動産屋とそのお使いの不動産投資家を懐柔することなどいともたやすかったようだ。彼らの言葉(ビジネス用語)を巧みに操り「新領土(ウクライナのこと)」を含めたレアアースを一緒に支配しようと持ちかけている。
ロシアのプーチン大統領は24日、国内やウクライナの占領地に埋蔵されるレアアースの採掘を米企業と共同で進める用意があると述べた。新たに任命されたドミトリエフ大統領特別代表(外国との投資・経済協力担当)も、エネルギー部門などで米国との経済協力に応じる姿勢を示唆した。
ロシア、レアアース採掘やエネルギーで米国と協力の構え(CNN)
では、プーチン大統領はアメリカの対中政策に協力しているのだろうか。実はプーチン大統領と習近平国家主席は電話会談を行っている。習近平国家主席の態度は自信に満ちておりロシアと中国の関係は揺らぐことはないだろうとしている。
一方ヨーロッパは大いに慌てている。
マクロン大統領がホワイトハウスを訪れてヨーロッパの立場を強調した。しかしその場でもトランプ氏は熱に浮かされたようにシス卿に囁かれた言葉があたかも真実であるかのように主張し続けている。ヨーロッパは「無償支援などしていない」という主張をされてしまったためマクロン大統領はそっと腕を伸ばしトランプ大統領を静止せざるを得なかった。また、アメリカの方がヨーロッパよりも多くの援助をしているというのも実は嘘なのだそうだ。軍事支援こそ上回っているがヨーロッパは非軍事的な支援もしている。
ヨーロッパの対応を少しおさらいしておく。イギリスは軍事費のGDP比2.5%への拡大を行い3%を目指す。ドイツでは軍事国債が議論されているが政権が出来ておらず連立パートナーから否定される可能性があるそうだ。
しかしながらダークサイドに落ちつつあるアメリカ合衆国は「ロシアは侵略者である」という表現に反発する18カ国の1つになってしまった。
国連総会の特別会合で採択された欧州案に対し、アメリカは驚くべきことに、棄権ではなく、反対票を投じた。反対したのはアメリカ、ロシア、イスラエル、北朝鮮、スーダン、ハンガリーなど18カ国。
アメリカ、ロシア側につき国連決議に反対票 ウクライナ侵攻めぐり(CNN)
独自にアメリカが案を出したがこちらはヨーロッパが棄権している。
安保理の会合では、内容が修正されていない米国案の採決が行われ、10カ国の賛成多数で採択された。イギリス、フランス、デンマーク、ギリシャ、スロヴェニアは棄権した。
アメリカ、ロシア側につき国連決議に反対票 ウクライナ侵攻めぐり(CNN)
このトランプ大統領の闇落ちは共和党強硬派の強い懸念を呼び起こしている。しかしイーロン・マスク氏の財力による刺客を立てられたくないという議員も多くなかなか声があげられないようだ。共和党強硬派とMAGAの戦いについては別のエントリーですでにご紹介している。共和党内部にはひびが生じておりこれが亀裂になりかねない。
この他にサマーズが元財務長官のコメントを見つけた。第一次世界大戦の敗戦国のドイツは過剰な賠償を求められ後のナチスドイツ台頭につながってゆく。しかも今回は戦争を仕掛けた側ではなく仕掛けられた側が「アメリカ合衆国にご迷惑をおかけしました」として賠償を求めらている。
仮にこれがアメリカ合衆国の経済的な特権を維持するのに役立っているのであれば「経済大統領として一定の合理性はある」のだと思う。それはロシアと中国が分離されることによってアメリカのように資源と市場を持った国が現れないという前提に立っている。
しかしながら習近平国家主席の自信は揺るぎないもののようだ。結果的に欧米の価値観が揺らぐだけに終わっており、プーチン大統領が一定の成果を上げただけということになる。
物語は最終的に闇落ちした父が息子に斬られて救われたところで終わるのだが、トランプ大統領が目覚める日は来るのだろうか。