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フジテレビを経営危機に陥れた中居正広氏の「守秘義務条項」

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当ブログのアクセス数を見る限り、スポンサーのCM一時撤退を受け庶民の懲罰感情は満たされたものとみられる。そんな中、ワイドショーは弁護士たちが「和解の守秘義務条項」を問題視ししはじめた。

これは中居正広さんの芸能界での仕事の継続を意図した条項と見られるが、結果的に中居さんを引退に追い込んでしまった。そればかりではなく「内容を語れない」ことでフジテレビの社長会見の内容も制限された。

更に今後は(中居さんと被害女性に話が聞けたとしても)第三者委員会の調査内容も黒塗りしなければならない。結局真相が語られることはなく「フジテレビは反省していない」と指摘され続けることになるだろう。

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別のエントリーでCIAがひた隠しにしてきたとされる3つの暗殺事件の文書公開について取り上げる。公開されていない部分はほんの僅かしかないそうだが「全部が公開されていない」ことで数々の陰謀論の根拠になっている。発表しないことに関する危険性がよく分かる。人は「不完全なものを完成させたがる」動物だ。

中居正広氏の事件も週刊誌に部分的な情報が出たために人々が情報を完成させたがっている。

結果的に

  • 男性陣は「被害者は和解金を貰い得」だと主張し
  • 中居正広氏のファンはX子さんと推定されている女性アナウンサーのInstagramアカウントに口汚い言葉を投げかける

という状態になっている。当初「和解金は貰い得」と考える男性の指摘はひどいものだと感じていたが女性アナウンサーのInstagramについている口汚い罵り言葉の数々を見て「このファンの多くは女性なんだろうなあ」と思った。女性が同じ女性に対してここまで残酷になれるのかと呆れ果ててしまう。

中居正広氏は当初の声明で「芸能活動が続けられることになりました」と表明していた。これは和解を念頭にフジテレビの関与が語られることはなく、また活動再開後に女性の側からの告発が行われず、したがってCMや番組に起用する法的リスクがないという意味合いだったのだろう。引退声明でもフジテレビの関与を頑なに否定し続けているが、何も語ることは出来ず顔出しもないのだからその言葉は社会的に信頼されることはない。結果的に和解が中居さんの選択肢を狭めているのだ。

ワイドショーは現在盛んにこの問題を扱っているが、弁護士の中には「週刊誌報道が出た時点で和解条項は解除できるという条件をいれなければならなかった」とか「和解条項が週刊誌報道が出る前提で組まれてこなかったのかもしれない」という人が出てきた。芸能関係の法律専門家も想定していなかったケースだったようだ。そもそも中居さんは守秘義務を科されているため第三者委員会の聴取(任意)に答えられないのではないかとする意見まででている。

この和解が純粋に中居正広氏主導で行われたのか、あるいはフジテレビが間に入っているのかはわからない。仮にフジテレビが関与しているとすればコンプライアンスの部署が「自分たちは知らされていなかった」と主張していることから、ごく一部の幹部たちが主導した可能性が高い。

仮にフジテレビが関与していた場合フジテレビは従業員ではなく番組存続と幹部(会社全体ではなく)の保身のために和解を勧めたことになる。従業員保護義務に違反するばかりでなく、結果的にフジテレビの信頼回復の法的な障害となっていることから(公開するしないは別にして)大口の株主にとっては重大関心事だろう。

Yahooニュースの識者のコメント欄を参照するまでもなく、フジテレビは公共の電波を独占的に使用することが認められている。従業員の権利を守ることもできず、株主の利益も大きく毀損している経営幹部が公共財をきちんと管理できるとは思えない。

もちろんすべての情報をネットの好奇心を満たす為に公開すべきだとは思わないが総務省は何があったのかをきちんと監視し必要であれば電波の免許についてもきちんと検討し国民に知らせるべきだろう。

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