【ご注意】この記事は2016年の記事なのだがGoogle検索にかかっているらしくいまだに訪問者がある。今、GUのシャツがどうなっているのかは確認していない。
当時、GUのシャツは、色落ちしそうなものも色落ちしそうにないものも全て「色落ちする」という注釈がついていた。ただ現在もGU+色落ち・GU+色移りで検索すると「GUの製品は色落ちしやすい」と書いている記事が大量に見つかる。当時の記録がまだまだ残っているようだ。
なお現在は「濃い色のものは色落ちする可能性があるから注意しろ」と注意喚起されているのみである。プチプラの製品は一度水洗いしてから他のものと混ぜて洗濯をするという用心深い人もいるそうである。
白いシャツにも「色落ちします」と書いてある
GUのシャツを買った。ふとした動機からウェブサイトを見に行った。すると気になる表現を見つけた。
この商品は汗や雨等で湿った状態、または摩擦によって、他の物に色移りしますのでご注意下さい。淡色のもの(ソファー、靴、バッグ、車のシートなど)との組み合わせはお避け下さい。色落ちしますので、他の物とのお洗濯はお避け下さい。生成り・淡色には蛍光増白剤の入っていない洗剤をご使用下さい。長時間の水への浸漬はお避け下さい。洗濯後は速やかに形を整えて陰干しをして下さい。乾燥機のご使用はお避け下さい。 着用・洗濯時の摩擦により、生地の表面が毛羽立って白っぽくなることがあります。雨や水に濡れた場合は、こすらずにタオル等で湿気を吸い取るようにして下さい。 生地の性質上、激しい運動や無理な力を加えることで縫い目が開いたり、滑脱(織り糸がすべり、織り目が開くこと)する恐れがあります。お取り扱いには十分ご注意下さい。
GUの製品は「色落ちするのか」と気になったのだが、同時に違和感も感じた。買った製品の色が薄いピンクだったからである。そこで、白いシャツを見たところ同じように「色落ちする」と書かれていた。白なのでそもそも落ちる色が付いていない。
これはどういうこと?だと思った。
別にどうでもいいことなのだろうが、どうも気になってカスタマーセンターに電話した。カスタマーセンターの担当者は不意を突かれたような感じでしどろもどろだ。最後には「お客様は何が聞きたいのですか」といいだした。
システム上表示を分けることはできない
ここで諦めてもよかったのだが食い下がることにした。「担当者がなんていうか聞いてみましょうよ」と意地悪な提案をしたころ、担当者からは次のような答えが戻って来た。
- システム上、色ごとに表示を変えることができないので白でも「色落ちする」と表示している。
- 色落ちは防ぐ方法はない。
- 第三者機関でチェックしてもらっているので安心して着ていただける。
日本人が「論理」に弱いことがわかる。クライアントとしては色落ちするかしないかが知りたいだけである。だがそれには答えず、結論として「とにかく大丈夫だ」と主張する。
「一体何が本当なのか」と笑いながら聞くと、オペレータはついに黙ってしまった。ここでオペレーターが大丈夫だといってしまうと製品について保証したことになってしまう。だが、品質テストをやっていない以上大丈夫と保障することはできない。
おそらくこの表記はクレーム対応として書き始めたのだのだろう。色落ちクレームがついたときに「きちんと書いてありますよ、読まなかったお客様が悪いんですよ」というためだ。だがこのメーカーの対応は極めて誠実さに欠ける。
GUはお客の洗濯物に興味はなく、単にクレームが来た時に対応できるように書いているのだろう。顧客は実際に色落ちが起こるまではこのことに気がつかない。結局そうして全く論理的ではない商品表示が長い間残ってしまっているのである。