政府が「戸籍の読みがなの登録」について指針示した。届け出について確認書の送付を求めるが「訂正届がない」場合には1年で固定されることになっている。地方自治体の事務処理に対する不安に対処したもの。
届け出にはマイナポータルを利用することになっているが、マイナポイント申請のときには「スマホが使えない」という人たちのトラブルも多かった。また地方自治体が勝手に読みがなを推測してシステムにいれることも容認されている。
おそらく事務手続きは混乱することになるだろうがすでに決まってしまっていることなのでハガキを見逃さないようにして自衛するしかなさそうだ。
共同通信が「戸籍読み仮名、作業簡略化 通知正しければ届け出不要」という小さな記事を出している。読みがなの登録が正しければ届け出は不要という表現はどこかわかりにくい。
新生児の親御さんは大変だなあ
などと呑気に読み飛ばした。
だが、ふと「これって新生児だけの問題なんだよな」と気になり検索してみた。2023年6月2日の日経新聞が見つかった。実は全員登録だそうだ。つまり全員届け出が必要になる。氏は戸籍筆頭者が確認する。
- 記載は片仮名で、新生児らが初めて戸籍に載る際は併せて読み仮名を記す。
- その他は戸籍筆頭者が氏名、筆頭者以外が名前に関し届ける。
- 書面か、マイナンバーカード取得者向けのサイト「マイナポータル」を使った届け出を想定する
記事は次のように書いている。
全員が届けてくれるとは限らないのでこれまでの情報から「この人はこういう名前なんだろう」というものを推測してシステムに登録するそうだ。そして「あなたはこういう名前ですよね?」と送りつけ1年間反応がない場合には「そうだこれに決まった!」として戸籍に登録し固定してしまうのだ。
地方自治体は確認作業すら面倒くさがっている。本当に「類推」はちゃんとやってくれるのかという気がする。
届け出を促すため、市区町村は住民票などで既に把握している読み仮名を通知する。1年以内に届けがなければ、職権で記載する。
戸籍に読み仮名、改正法成立 全国民の届け出必要に
特に氏に関しては「戸籍筆頭者(世帯主ではない)」の登録が優先されるが、仮に戸籍筆頭者(世帯主ではない)が間違いに気が付かない場合には戸籍に入っている人すべてが影響を受けることになる。
ここで「せめて自主登録だけにして「職権で記載はやめてくれないかなあ」という気もするのだが、マイナポイントのときに「スマホの操作ができない」人たちで市区町村役場が混乱したことを考えると、おそらくかなり混乱することが予想される。
ただしトラップはこれだけではない。戸籍係は「読みがなを認めない」権限がある。日経新聞はこう書いている。
「一般に認められている」の基準の詳細は法務省が今後、通達で示す。
- 漢字とは意味が反対
- 読み違いかどうか判然としない
- 漢字の意味や読み方からはおよそ連想できない
といった読みは許容しない方向で、具体的には「高(ヒクシ)」「太郎(ジロウ)」などは認められない見込み。常用漢字表や辞書に掲載がない読み方の場合も、届け出人に説明を求めた上で判断する。
「この確認作業はどうするんだろう」と言う気がするが、法律としてはすでに通ってしまっているためもうどうすることもできない。せめて地方自治体から送られてくるであろう(いつ発送されるかもよくわからない)ハガキを見落とさないようにしたい。
下手をすると自分の想定しない読みがなが固定されてしまう可能性があるからだ。
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