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バイデン大統領とネタニヤフ首相が直接会談 中東戦争は回避できるか

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バイデン大統領とネタニヤフ首相が直接会談を行った。その後イスラエル側は強い姿勢で「イランへの報復」を明言しているが、言葉が強いときにはそれほど強硬な攻撃には出ないだろうという一種の安心感がある。とはいえイスラエルはレバノンは第二のガザになると主張し国連軍に対しても発砲している。まさにやりたい放題だ。

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ガラント国防大臣が訪米し今後の対応について話し合う予定にしていたが直前にネタニヤフ首相がこれをブロックしていた。その後バイデン大統領とネタニヤフ首相の間で電話会談が行われている。ネタニヤフ首相は自分の頭越しに議論が進むことを恐れたのだろう。

イスラエル側は「イランへの攻撃は致命的になる」「だがイランは何が起きたかわからないだろう」と主張している。アメリカ側も建設的な会談だったと評価している。

おそらくバイデン政権はアメリカの物価上昇に繋がりかねない中東戦争の危機を少なくとも大統領選挙の前には起こしてほしくないと考えているのだろう。今回の両サイドの発表を見る限りアメリカが恐れているようなことは起こりそうにない。つまり、アメリカの株価急落につながりかねない「中東戦争の再来」は(少なくとも大統領選挙が終わるまでは)避けられたように思える。

だがこれで状況が好転したわけでもない。

イスラエルはレバノンに対して「ヒズボラを政界から追放しなければ第二のガザにしてやる」と息巻いている。つまりレバノンの各宗教勢力(キリスト教とイスラム諸派)にたいしてガザの民間人のように痛い目を見たくなければ自分たちの言う事を聞けと脅している。実際にレバノンの国土の1/4は避難対象になっている。

ここからガザの市民たちは逃げられない状態に置かれつつイスラエルの見せしめのために利用されていることがわかる。

またレバノン南部の再駐留も目指しているようだ。南部の集落は「占領」され、国連軍に一方的に退避勧告を行ったあと発砲もあったという。もちろんアメリカは形式的にはガザの状況を改善しろと要求しており、レバノンのガザ化は容認できないという姿勢だ。だが、結果的にはイスラエルの暴挙を容認し続けている。

もっとも、バイデン大統領はネタニヤフ首相の暴発が気に入らないようだ。ボブ・ウッドワード氏の最新の著作によるととても放送に耐えられない言葉でネタニヤフ氏を罵っているそうだ。

バイデン氏が下品な俗語をよく口走ることはすでに知られているが、同書では新たに、同氏が禁句とされる俗語を使い、イスラエルのネタニヤフ首相を陰で「悪者」「うそつき」と非難したことが明かされている。

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バイデン大統領はロシアのウクライナ侵攻を声高に批判してきたがイスラエルの暴走は容認している。ただし「本音ではネタニヤフ首相を支援している」わけではない。アメリカの提示する便利な建前の使い分けが通用しないことに苛立っているのである。

とは言えトランプ氏も「ガザはリゾートとして利用できる」「自分が大統領になれば反ユダヤ的な人たちを政権から排除する」などと過激な発言を繰り返しておりパレスチナの平和には貢献しそうにない。バイデン大統領は少なくとも同盟の戦略的価値がわかっているが、トランプ氏は戦争はビジネスディールの一環だとしか感じていない。

心理的にアメリカに依存している日本人はこの苦い現実を無視しようとするだろうが、日本の防衛の柱だった「アメリカが主催する平和こそ正義」という物語は今や風前の灯なのだ。

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