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石破新総裁に問われる過去の7条解散封印論

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石破新総裁が誕生し人事の骨格が固まった。非常に不思議なことだがまだ総理大臣にもなっていないのに「内閣人事案」がでている。さらに不思議なことに解散も決まってしまった。解散は総理大臣の専権事項であり石破氏はまだ総理大臣になっていない。では「誰が解散を決めたのか?」ということになるが、誰も気にしていないようだ。

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石破茂氏は過去に7条解散に懐疑的だったそうだ。GHQはもともと内閣不信任を前提とした解散権のみを認めている。これは二元代表制的な対立を議院内閣制の日本に持ち込んだもの。

このため早くから議会と行政府の馴れ合いが起き7条解散という「曲解」「拡大解釈」が生まれたという経緯がある。もともとの石破茂氏は原理原則にこだわる人であり国事行為の補佐を拡大解釈した7条解散は許せなかったのだろう。

そもそも7条解散には否定的なのだから何も始まっていない(したがって内閣不信任などでるはずもない)時点での解散などできるはずはない。そもそも石破茂氏は総理大臣ではない(つまり、天皇の国事行為に助言できない)ので7条解散する権限もない。にも関わらずすでに「衆院選、来月27日投開票へ 石破氏意向、9日解散―国会論戦最小限に」という記事が出ている。

本来は総理大臣が決まってから次の内閣入りが期待されている人たちのところにマスコミのカメラが集まり総理大臣からの「お電話」を受け取り官邸に呼び込まれてゆく。こうして「新しい内閣ができた」という期待感が高まり、支持率がなんとなく上がることになっている。

ところが石破新体制の場合は何故か首班指名前から内閣のリストが取り沙汰されている。とにかく少しでも早く解散したいという自民党全体の焦りが伝わってくる。こんな気持で選挙に勝てるのかという気がする。

ただしこれではまずいと思ったのか「党首討論はやります」ということになった。国民は少ない材料の中で判断を迫られている。

これについて論評しようと考えたのだが、そもそも総理大臣でもない人が「解散を決める」という無茶な筋立てに無理があり論評すらできない。

さすがに批判一緒になってもまずいので「自民党が変わったという証拠も集めよう」と考えてNHKの日曜討論の記事を見てみた。

浮かび上がってきたのは石破総裁の党内基盤の脆弱さだった。岸田総理が派閥を解体したあとであり麻生派も自滅してしまったので党内の取りまとめを重鎮に任せるしかない。地位の曖昧な副総裁と最高顧問(彼らの意見が対立したときどっちの話を聞くのだろう?)というポジションが作られた。党の顔は森山氏になり政府の顔も林芳正氏のままで刷新感がない。

さらに朝日新聞が掘り出した例の写真について日曜討論では逃げ回るような発言をしており(ビデオ付きの投稿が流れていた)、石破氏に党内野党の切れ味はない。「ああ取り込まれてしまったなあ」という印象だ。

このためかねてより自民党に批判的だった左寄りの人たちからも高市氏を支援していた右寄りのひとたちからも批判が殺到している。これで本当に党内が期待するご祝儀相場などあり得るのだろうかという気持ちになった。

あとは、それでも自民党を信じたい人たちに期待するしかなさそうだ。内閣の支持率は基本的に就任当初が一番高いそうだが、例外もあるそうだ。中央調査社の記事は海部・小渕内閣を挙げている。知名度が低かったため期待されていなかったという共通点があるという。つまり長い間党内野党として知名度が高かった石破茂氏には当てはまらない。

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