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維新の党はやはり戦略的思考がない

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維新の党の馬場さんという方が「政治家の二重国籍を排除する法律」を提出すると息巻いている。蓮舫氏の話題に乗っかろうとしたのだろう。やはり戦略的思考に欠けるなと思った。まあ、政権を取ることはないので、どうでもいいといえばどうでもいい話なのだが。
さて、王貞治氏の戸籍は中華民国らしいが、ホームランの世界記録を持っており、国民栄誉賞まで受賞した。だが、日本人は「ホームランの世界記録は日本人が持っている」と言いたがる。決して「台湾は偉大な国だ」とは言わない。もっとも父親は浙江省の人なので台湾とは関係がないし、母親は日本人のいわゆるハーフだ。
またノーベル賞受賞者を数えるとき南部陽一郎氏をカウントすることがある。帰化の理由は不明だが頭脳流出の一例だ。
アルベルト・フジモリがペルーの大統領になったときも「日系人だ」と言って喜んだ。後に二重国籍者だったことが「判明」するわけだが、誰もそれを非難しなかった。政治家の二重国籍はだめとは大騒ぎにならなかった。
この3例からわかるのは、日本人は成果を挙げた日本語ができる同じ顔の人を同胞だと思いたがるということだ。忠誠心などということはあまり気にしないのである。嘘はいけないというが、力動山は現役時代に朝鮮籍であることは公表しなかった。みんな日本のヒーローだと思いたかったからである。結局、何をやったかで評価がコロコロと変わるのだ。
もっともよい言い方をすれば、日本人にとっては定見を持たず周りの意見によって言動を変えるのが唯一の戦略なのだろう。
政治家は別だという声があるかもしれない。忠誠心が担保できないという声もあるだろう。しかし、個人的には安倍首相の日本国民への忠誠心はかなり怪しいと思っている。アメリカに魂を売るような行動を取ったかと思えば、今度は危うげにロシアに接近したりする。その度に「この人、次は何をしでかすのだろうか」とハラハラする。
蓮舫氏が非難されるのは、はっきりものをいう女性だからだ。女性におとなしく傅いいてほしい年配の男性はこうい女性が嫌いなのである。ただそれをいうと「女性差別だ」といって嫌われるので、このような屈折した形をとる。
民進党の党首選挙は日本の政治は行き詰まりを象徴している。ワクワクするような新しいアイディアが出ず、単にマニフェストの否定が行われているだけだからだ。こういう場合にはできるだけ多くのアイディアを集める方がよいわけだ。二重国籍を容認して華僑の図太さを取り入れたらよいと思うし、場合によってはアメリカ人の経済学者を顧問として採用すればよいだろう。それくらいのことができないと、日本の政治はますます閉塞感を強めるだろう。