TwitterのタイムラインはiPhone7のニュース一色だった。CPUの高速化・効率化が図られた。主に注目されたのは、FeliCa対応と有線のイヤホンが生き残ったことだったようだ。
いろいろ調べるとデュアルカメラが面白そうに思えた。カメラが深さを認識できるようになると、一眼レフのように背景をぼかした写真も撮影できるしARへの対応が進むだろう。
昔からのAppleウォッチャーは「クックは市場を気にしすぎる」と、Appleの姿勢に批判的だ。Appleは昔から古いテクノロジをいち早く切り捨てることで新しい技術を導入を推進してきた歴史があるからだ。古くは全面的なUSBへの移行があり、最近ではUSB-Cの採用やDVDドライブの全廃などがある。だが、Bluetoothへの全面的な移行は見送られたようである。
もう一つのFeliCaも意外だった。日本市場を気にしたものと思われる。日本は世界でもiOSのシェアが高いことで知られる(週刊ダイヤモンドの記事がよくまとまっている)。かつてのAppleであれば各国の市場シェアなど気にしなかっただろうが、最近のAppleはそうではないのだろう。かつてのFelicaチップは重かったので小型化の阻害要因になると考えられたようだ。また、ApplePayと呼ばれる決済方式の普及を狙ったのかもしれない。
意外なことにAppleがトップシェアを誇っている国はそれほど多くない。開発途上国ではApple製品は高嶺の花になっていて、Android端末の方が人気が高い。各社が価格を抑えた端末を開発できるからだ。
日本人がiPhoneを持ちたがるのはなぜだろうか。MM総研が面白い調査を実施している。
購入理由として一番多いのが「人気があるから」というもので、次に目立っているのが「買い替え時期だから」というものである。みんなが持っているから自分も持ちたいし、古いと格好が悪いから買い換えるのが日本人なのだ。裏を返せば性能が上がってもあまり意味がないことになる。プロダクトの良し悪しで買っているわけではなさそうだ。また、Appleのパソコンはシェアが高くないのでOSレベルでの連携を求めてiPhoneを選択している人もそれほど多くなさそうである。掲示板には「写真をなくした」という人が散見されるのだが、パソコンと同期していればありえない問題である。
この人気を支えているのが端末価格実質0円という施策だった。新しい端末はパソコンの価格を上回るのだが、月割りになっているので気軽に買い換えることができたが、安倍政権が禁止してからこれがなくなった。
つまり、考えられるシナリオは3つある。
- 新しい端末が手に入れにくくなったのでApple人気が落ち込む。
- 人々は他の支出を抑えてでも携帯電話につぎ込む。
- 中古市場が発展する。
格安スマホが台頭すればIPhoneのシェアは確実に落ち込む。みんなが持たなければIPhoneを持つ理由はなくなってしまうわけだ。一方でスマホはAppleにすべきという常識が固着すれば日本だけでApple人気が残る可能性もある。