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斎藤元彦知事のパワハラ問題がついに万博に波及か 避けられない維新への批判

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共同通信が「斎藤元彦兵庫県知事のパワハラ問題に2名目の死者がいた」と伝えている。パワハラとの因果関係についてはぼかしたうえで兵庫県庁が公表を遅らせていたことを問題視している。

実はこの件はすでに週刊誌などで噂になっていた。ゲンダイが一週間前に伝えていたが「ちゃんとしていないメディアの噂」扱いだったのだろうが、共同が伝えたことで全国ニュースに格上げになった。

ゲンダイはこの問題を万博PR問題と接続させて報じている。企業援助に頼りすぎた果ての悲劇だったというのである。

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正確にはこのプロジェクトは万博のPRイベントではなく、阪神・オリックスの優勝パレードだった。当時の報道では大阪府の職員をボランティアで使っていたことが問題視されている。

ゲンダイはこれを「万博のPRに利用された」から万博問題だと主張している。運営費はクラウド・ファンディングで賄われるはずだったが資金が集まらなかった。そこで大阪側と兵庫側でスポンサー企業集めが行われる。だが大阪に比べると兵庫県側の資金が集まらない。そこで斎藤知事が職員にプレッシャーをかけたという内容になっている。

結局この職員は精神を病んでしまい休職する。その間に外郭団体へと出向となり不幸な最後を遂げた。

一部週刊誌は維新の県会議員は元県民局長にプレッシャーをかけて個人的に追い詰めていったと伝えている。また人事課長と副知事が県民局を急襲しパソコンを強奪していったという報道もある。組織的に高い圧力をかけ裏切り者としたうえで、じわじわと社会的な死に追い込んでゆくという陰湿な執拗さが見え隠れする。兵庫県庁トップの異常なムラ社会ぶりが明らかになっている。

今回の件もかなり悲惨だ。一人の職員がいなくなっても誰も気にしないだろうとばかりに死を隠蔽しようとしたことがうかがえる。「江戸時代の話ですよ」と言われてもなんの違和感もないムラ社会ぶりである。

兵庫県は地方自治体であり「憲法上の地方自治の本旨原則」を適用すれば中央政府や官庁の監督は受けない。今後兵庫県はこの遺恨を何らかの形で生産する必要があり、とても県知事が辞めたくらいで収まるような問題ではなさそうだ。

「4月20日に自宅で自ら命を絶ったと聞いています。パレード直前は相当な超過勤務を強いられていたようです。ところが、県の現・元職員の訃報データベースでは彼の死が共有されていない。彼の死は5月の県議会で取り上げられましたが、斎藤知事の側近である彼の上司が答弁に立ち、『現時点では何も答えられない』と繰り返すのみ。H氏を知る人は皆、怒っています」(H氏の知人)

兵庫・維新系パワハラ県知事の「犠牲者」はもう1人いる! 別の職員の死亡「隠蔽」の疑い(ゲンダイ)

関係者によると、男性は4月20日に死亡。男性の子どものために職場の有志で「遺児育英資金」を集めようとする動きを県幹部が止めていたという。

告発文書言及の元課長死亡 兵庫県、3カ月公表せず(共同通信)

この問題で維新政治の危うさが改めて浮き彫りになった。いわゆるフリーライダー(タダノリ)気質だ。

「行政のムダを省く=企業の協賛や国の援助に頼る」という図式も問題になりそうだ。大阪府はパレードに職員をボランティア動員した。大阪・関西万博の経営の杜撰さは国を巻き込んで大騒ぎになっている。赤字の補填についても目処が全く立っていない。国が補填を認めてくれば良いが、仮に「関西の財界でなんとかしなさい」ということになると今回のような悲劇が起こりかねない。もはや兵庫県庁や維新が総括できる問題ではなくなっている。つまり、すべて「善意」「企業の協力」「国の援助」などが前提になっていて節約されたものだけが維新の成果として宣伝されてしまうのである。

特に万博は赤字の補填について十分な取り決めがない。将来の悲劇を防ぐためには地方自治の本旨をかなぐり捨ててでも国が介入すべき極めて深刻な段階に来ているのかもしれない。だが、今のところ一連の問題について斎藤知事の辞職要求を超えるような報道が出てきていない。マスコミは問題意識を持って一連の事件を調査すべきだろう。おそらく国はマスコミが騒がなければ動かないだろう。

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