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インド株急落 出口調査の結果と開票結果がマッチせず

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「BJPの勝利でインド経済はさらなる成長へ」という見出しから一転してインド株が急落した。BJPの得票率が期待されていたほど伸びなかったためだ。インドの民主主義はこれまで概ね健全なものだったが今回は野党から「出口調査は捏造なのでは」という批判が出ていた。ところが、実際の選挙結果が大きく変わったことでインドの民主主義の健全さと選挙管理委員会の奮闘ぶりが改めて示されることになった。

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当初の予想では与党(BJP)が前回獲得の303議席をどの程度上回るかに注目が集まっていた。憲法改正ができる2/3以上の議席を獲得できれば金融市場にとっては好材料となる。ただし民主主義という観点からはイスラム教徒が迫害される可能性が高まることが予想され必ずしも良い点ばかりではない。

ところが実際に開票が進むと与党連合が過半数をやや上回る議席を獲得するもの与党単独では過半数が維持できない可能性が浮上している。このためインド株、インド国債、通貨ルピーは急落している。

政治的な争点は単独過半数を獲得できない場合にどの政党と連立を組むかに鬱行っているようだ。ラフル・ガンジー氏率いる国民会議系も健闘したが政権を奪取するほどの勢いはない。CNNによるとモディ首相は勝利宣言を行い強気の姿勢を見せつつも次の連立先を模索している。中には民族主義的な極右政党もあり「右傾化」の懸念も高まる。これはイスラエルでも見られた現象だ。イスラエルではリクードが議席を減らした結果極右・超正統派との連立を選択した。この極右・超正統派の抵抗がガザ和平の実現を難しいものにしている。

インドは国が大きく、総選挙は7回に分けて実施された。事前の出口調査は与党圧勝で野党からは「捏造」批判もあった。今回出口調査の結果が覆ったことでインドの民主主義が概ね正常に機能していることが証明される形となった。「世界最大の民主主義国」という看板は本物だったと言えるのかもしれない。

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