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アメリカ下院議会演説中に子供が変顔 ガイ・ローズ君に何が起きたのか?

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アメリカ下院で議員が真剣な演説をしている後ろで子供が変な顔をし始めた。中継を見ていた人たちの頭の中にはもはや演説の中身は入ってこない。一体あの子は何をしているのだろう?として騒ぎになってしまう。ただ、その後のニュースを見ても「議会の品位を貶めた」などいう論評は見られない。それなりの「事情」があったためである。

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トランプ氏の有罪判決を受けて、下院共和党議員のジョン・ローズ氏はトランプ氏を擁護する演説を行った。このところ共和党では盛んにトランプ氏を擁護する発言が行われている。「これは民主党による政治的迫害だ」ということになっている。ジョン・ローズ氏の演説もこの趣旨に沿ったものだったようだ。

ところがこの演説が注目されることはなかった。議員の後ろで子供が変顔を始めてしまったからだ。

この子供の名前は「ガイ君」という。ジョン・ローズ氏の息子である。AP通信によると6歳で幼稚園を卒園したばかり。ガイ君には3歳の弟がいる。今週はお父さんがガイ君の面倒を見ることになっていて、弟はお母さんと一緒にテネシー州に戻っている。

Before long, young Guy Rose, the son of the congressman, was a social media star and a new meme — at age 6. The youngster just graduated from kindergarten last week and is with the congressman for the week. Rep. Rose’s youngest son, Sam, 3, and his wife, Chelsea, are back in Tennessee.

アメリカのメディアは「子供を議会に連れてくるなど不謹慎だ」とか「なぜ親は大人しくさせておけないのだ」という論調ではなく、ガイ君がなぜこのような顔をしたのかを知りたがった。父親である議員の説明によると「弟に笑いかけるため」だそうである。遠く離れている兄弟なりのコミュニケーションだったということになる。

“This is what I get for telling my son Guy to smile at the camera for his little brother,” Rose tweeted.

所詮は子供の悪ふざけなのだし、父親が育児を担当するのは当たり前だ。そう考えると日本の子育て環境がいかに子供に厳しいものなのかがわかる。議場に連れてゆくかは別にしてこれくらいの大らかさはあっても良いのではないかと感じる。

アメリカではトランプ氏の有罪評決を受けて緊張感が高まっている。バイデン大統領はトランプ氏をa felon(重罪で有罪判決を受けた人)と呼んでおり両陣営に緊張が高まる。そんな中ガイ君の変顔は一服の清涼剤のような役割を果たしたのかもしれない。

日本は少子化が進み国を上げて子育てに優しい国にならなければならないとされているが改革は一向に進まない。特に意識改革が遅れている。男性の育児参加意識は希薄であり騒ぐ子供に対しても不寛容である。

あるいは議会が率先して子供を議場に入れて模範を示すべきなのかもしれない。アグネス・チャン氏がテレビ局に子供を連れて行ったところ林真理子氏が「大人の世界に子供を入れるとは何事か」と噛み付いたとされる「アグネス論争」が起きたのが1987年だそうだが、日本人の意識はその頃からあまり変わっていないように思える。

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