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参議院選挙・各政党を比べる

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参議院選挙関連のあれこれを聞きながら、政党の長所・短所をまとめた。雑感は次の通り。

  • 新興国並みとは行かないまでも、欧米で実現できているような経済成長を目指す政策や産業界とのつながりを持った政党がない。経営者的な良識を持った人たちは選挙から離脱しており、深刻な状態と感じる。
  • 非正規雇用者などを代表する政党もない。有権者の自己認識と現実の間に深刻なずれがあるのだろう。
  • 全ての政党になんらかの懸念事項があり、手放しで応援できそうな政党がない。
  • そもそもマニフェストが「票欲しさ」であとでいくらでも変更できる約束集と化しており、議論そのものも「新しい約束」という言葉で覆されてしまうほど意味がないため、選挙自体が無意味なものになっている。
  • かといって、選挙に行かなければ今の状態が続くことになる。

各政党についての雑感は次の通り。

自民党

  • 官僚や利益団体とのつながりが太く、日本を安定させるためには最善の選択肢と言える。
  • 基本的には何もしないことで失敗しない(安定した)政治を実現している。
  • 中央集権が強いので、強い党首の指導力のもとで安定感がある。
  • 党派対立を経て成長を指向する経済政策を失ってしまった。
  • 基本的には大企業よりなので、非正規労働者を含む労働者にとっては最善の選択肢とは言えない。
  • 日米同盟依存であり、実はこれといった対中国戦略を持っていない。
  • 野党時代のルサンチマンに満ちた憲法改革案を未だに保持しており、議会と民主主義を理解しているようには見えない。党内に基本的人権を軽視する過激な思想が蔓延する。復古主義的な団体とのつながりが指摘されており、国民の主権が制限される可能性が高い。
  • 政治倫理に欠け(あけすけに言えば党首が嘘つきである)現在の政治不信の原因を作っている。

民進党

  • 公共投資より子育てなどの福祉政策を前進させようとしている。
  • 民主主義を理解していない現与党を抑制することができる唯一の現実的な選択肢だ。
  • 基本的には大企業よりなので、中小企業の労働者や非正規労働者にとっては最善の選択肢とは言えない。
  • 党内に右派・左派が同居しており、政策合意ができそうにない。党内に政策をまとめるシステムがないので、方向を決めるたびに、Twitterなどで反対表明が出る。候補者に直接聞いてみないと「右派・左派」どちらかなのかが分からない。
  • テレビポリティクス(短期的に争点を作り政権批判をする)に依存しており容易に脱却できそうにない。
  • 党首が暗く、見ているだけで絶望的な気分になる。

公明党

  • 地域にネットワークがあり現実的な諸問題を解決してくれる可能性が高い。
  • 自民党を政権内部から抑制する力を持っており、おおむね役割を果たしている。
  • 母体が宗教団体であり閉鎖性が高い。支持母体と党ともに官僚化が進行しつつあり、支持者が一部離反している。支持母体が高齢化しているとも言われる。
  • 一部の支持者が熱心な「布教活動」をするために拒否反応を持つ有権者も少なくない。

おおさか維新の会

  • 地方分権という経済活性化策を唯一維持している。
  • 地方自治体を統治した(あるいは現在している)実績はある。
  • 教育の無償化をテコに憲法を改正しようというポピュリスト的な一面がある。
  • 民進党を攻撃してみたり、自民党を攻撃してみたりと、オポチュニスト的な側面が強い。

共産党

  • 地域にネットワークがあり現実的な諸問題を解決してくれる可能性が高い。
  • 民主主義を理解していない現与党を抑制することができる。
  • 分配政党であり、経済成長に対する理解がない。大企業の税負担を増し、軍事費を削減するというのが唯一の経済政策である。
  • 非正規雇用者が支持すべき選択肢だが、当の非正雇用者は弱者扱いされたがらず、政治にも関心がなく、アクセスできていない。『蟹工船』に代表される貧乏なイメージがある。
  • 天皇制の廃止、日米同盟の廃棄、自衛隊の解体など、現状維持を望む国民から支持されない政策を維持している。
  • もともとの支持母体だった共産主義者は高齢化している。

生活の党と山本太郎と仲間たち

  • テレビの討論番組では山本太郎参議院議員がよいキャラを出している。
  • 実際には自民党の派閥争いに破れた小沢一郎衆議院議員が左派の主張を取り入れた政党であり、立ち位置は民進党と同じ。
  • と、いうことであまり興味が持てない。

社民党

  • 沖縄の不満に対する唯一の受け皿になっている。
  • 社会主義・共産主義は既に「終わった主義」だが、そこから脱却できない。にも関わらず共産党との党派対立があり、大局的な団結も難しいようだ。
  • 分配政党であり、経済成長に対する理解がない。大企業の税負担を増し、軍事費を削減するというのが唯一の経済政策である。
  • 党首が暗い。

日本のこころを大切にする党

  • 公共工事頼みでまともな経済政策がない。多分、考える意欲もなさそうだ。
  • 自民党にすら在籍できなくなった過激な(元)政治家の集まりになっている。
  • 「消費税ポイント制」という?な政策を掲げている。年金や税についての基本的な理解がなさそうな上に「ポイントを付ければ消費者がなびく」と考えているあたりに深刻な時代とのずれを感じる。

新党改革

  • 表現の自由派にとっては唯一の選択肢。投票数が少なければオタクや若年層は票にならないという評価が広がるだろう。
  • 参加する候補者がほとんど素人である。
  • アベノミクス支持だが、脱原発というポジションは政策実現性がなさそう。
  • 政治家は外見のさわやかさで判断されることが多いが、背が低く声が低い党首というのはなかなか厳しい。

国民怒りの声

  • 本気で議席を取りに行く雰囲気ではなさそう。
  • 「現政権が気に入らない」以外の政策がない。
  • 党首に感情的なつながりを作る力がなさそう。話が退屈に聞こえるので、支持を集めるのは難しそうである。
  • 党首をブレーンにできなかった野党側の力量不足が残念ではある。

支持政党なし

  • 知名度がない。
  • 政党政治の基本を放棄している。欠点とも言えるのだが、政党が信頼できず、都度判断したいという人には選択肢になる可能性があるかもしれない。