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自民党のつく嘘が大好きな日本人

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自民党の稲田朋美議員が「自民党の憲法草案は」国民主権・基本的人権・平和主義を遵守していると発言した。この人は相変わらず息を吐くように嘘をつくなあと思った。自民党の安倍首相に近い一派は野党時代に国民主権・基本的人権・平和主義こそが諸悪の根源だと主張しており、未だに撤回していないからだ。自民党の憲法草案にはこれまで国民が自民党の統治の邪魔をしてきたというルサンチマンが渦巻いている。
こうした嘘つきが跋扈するのは国民が安倍政権を甘やかしているからだ、なんとかしなければならない。……と、数年前なら書いていたと思うのだが、現在はそういう気分になれない。普段から観察していると、どうやら国民の方から騙されたがっているからだ。
自民党がついている嘘にはいくつかあるのだが、おおむね通底するメッセージは一つだ。それは「今のままで大丈夫。あなたたちは何もしなくてもよい」というものである。NHKは「約束した全ては実行できないものの、アベノミクスの果実を分配する」と言っている。だがこれは「安保法制で動揺した国民をなだめるためにいろいろ「議論」と称して約束をしていたが、全て反故にする」というのと同じことだ。
これは「国会の議論などは儀式に過ぎない」というあけすけなメッセージになっている。つまり、選挙公約も全て「嘘になるかもしれない」ということになる。与党ですらそうなのだから、野党も嘘を書いた方が得だ。聞きたいことを聞かせてやって「自民党が反対しているから」と言った方が受けがよいし、辛い現実を突きつけても有権者が離反するだけだからだ。つまり、全てのマニフェストは無効なのだ。
NHKは国民が一番ほしがっている物を提供する。それは安心感だ。これを受け取った人は「ああ、暮らしは今まで通りだが負担は少なくて済むのだなあ」などと思うに違いない。徐々に悪くなっている分には気がつかないし、将来不安は直視したくないのだろう。
人の信任を得たかったら、相手がほしがっている物を与えるのがよい。自民党が取っている「戦略」は嘘でもいいから相手が欲しい物を与えるというものだ。ただそれが嘘だったとき、それでも、相手がほしがっている物を与えるのがよいのかという疑問が残る。


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