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OpenAIがGoogleの対抗馬になるサーチエンジンを来週月曜日に発表へ

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OpenAIがGoogleの対抗馬になるサーチエンジンを月曜日に発表するとロイターなどが消息筋の話として伝えている。以前から新製品の噂があり「Googleにとっての悪夢」と言われていた。現在アルファベットの株価にはさほどの変動はないようだが製品の出来次第ではGoogle(アルファベット社)に動揺が走るかもしれない。

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今回の発信元はロイターだが現在の時点ではほとんど判断できそうな情報がない。特に製品の出来がよくわからないため評価のしようがないのが実情だ。

  • 2名の関係筋からの情報
  • 発表は月曜日に行われる予定(火曜日にはGoogleの大きな開発者イベントが予定されているためそれに合わせたといわれている)
  • GoogleはAI検索のスタートアップであるPerplexityと協力して検索エンジンとAIの統合に取り組んでいる。

ChatGPTは「なんでも答えが出てくる魔法の箱」のように扱われていて一時は日本のテレビなどでも話題になった。だが実際にリアルタイムの情報(例えばニュースなど)を扱うのには適していない。特に無料で使える3.5はあまり性能が良くなかった。

このため、当初は注目を集めたものの(月間アクティブユーザーが1億人に達したペースが最速だったそうだ)が「普段の検索には使えない」ということになりその後のユーザーは一度落ち込みを見せたという。

この「リアルタイム情報に弱い」という欠点がなくなればChatGTPは格段に使いやすい製品となるだろう。当初はプラグイン形式での提供が予定されていたようだが4月に廃止されているそうだ。

AI Revolutionというビデオフッテージが見つかったので内容を調べてみた。冒頭ではブログ記事(OpenAI Developes Web Search Product to Compete with Google)を元に「対抗製品の計画がある」と解説している。


GoogleとOpenAIは開発者獲得競争に血道を上げている。マイクロソフトは既にBINGにCopilotという拡張機能を実装している。これはChatGTPとほとんど変わらない製品である。いずれにせよCopilotはGoogleの優位を崩すに至っていない。GoogleもGeminiというサービスを展開中だ。

ある人の予想によると、新しいOpenAI社の製品はGoogleとほとんど変わらない見た目になるという。つまりサーチボックスがあるだけというインターフェイスだ。ただしGoogleと違って長い文章を要約して適切なタイトルをつけて表示することができる。確かにこれだけでも今までの検索エンジンが持っているフラストレーションからは解放されそうである。

現在AI・ラボからスタートアップへの人の移動が進んでいるそうだ。いよいよAI実装段階に入っていることがわかると同時に「いつかは稼げるかもしれない金脈」ではなく「どうやって実際にお金を稼ぐか」というビジネス競争にシフトしつつあることがわかる。つまりかつてのブラウザー競争のように誰が一番ユーザーを集めてくるかという競争が始まったことになる。Googleは優れたサーチエンジンだがGoogle Chromeが便利だから使っているという人もいるだろう。一度慣れてしまうとなかなか他のブラウザー(BingやSafari)を触らなくなってしまう。

AI RevolutionはGoogleは既にテック・ジャイアントになっていると指摘する。つまりGoogleにAIを実装したときに何課題失敗をしでかしてしまうと株価に大きな影響が出るのを恐れるだろうと言っている。これは的確な指摘かもしれない。特に稼ぎ頭の広告に影響が出るような失敗は避けたい。

一方でOpenAIはいまだにチャレンジャーであるため失敗しても大目にみてもらえる可能性がある。つまりチャンレンジャーの方が有利な環境にあるといえるわけだ。

このビデオは「AIサビー(流行に敏感な人・事情通)」としてはサーチエンジンの現状(status quo)がどう変わるかがわかる1週間になるだろうと言っている。

AIサビー、テックサビーではない人たちにはどのような影響があるのか。

日本はガラケーサイト(NTT DoCoMoなどが「公式サイト」を展開しディレクトリを支配していた)依存のビジネスモデルがYahoo!とスマホの登場で徐々に崩壊した時代を経験している。キャリアのポータルで優位な地位を獲得したサイトが有利だったのだがこれが成り立たなくなった。さらに当初は「検索エンジンに何を入れていいかわからないからYahooの方が便利だ」と言っていた人も圧倒的な検索性能の差を目の当たりにして次々とGoogleサーチエンジンに流れていった。

一方、現在ではウェブサイトの量が多くなり過ぎてしまい「いつまで経ってもほしい情報に辿り着けない」とか「リンク先に飛んでみるまでそれが自分の欲しい情報かどうかわからない」などの不満を持つ人も多い。Googleはリスティングされるサイトの数を絞っているようだが(このため新しい記事を書いてもなかなかサーチエンジンにかからなくなった)それでも欲しい情報が手に入らない。優良なサイトかどうかの判断も「引用が多いかどうか」などによって行われているため分野によっては不満を感じる人もいるのではないか。

OpenAIの新システムがきちんと情報提供元にトラフィックを提供してくれるならば詳細な情報を書いたライターが報われる世界がやってくる可能性もある一方で単位情報を盗まれることにもなりかねない。いずれにせよWebライティングやSEOの世界もこの数年(あるいは数ヶ月)で大きな変化を経験することになるかもしれない。できるだけ肯定的な期待を持ちつつ発表を待ちたいところだ。

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