「あんなに元気だったのになぜ?」 李克強前首相が心臓発作で突然亡くなる

李克強前首相が突然亡くなった。心臓発作と言われている。政府の姿勢を検証するメディアのない中国では粛々と事実だけが報道されたようだ。突然の訃報だったのだから「何かあったのではないか」と考える人も多い。だが、確たる証拠もないのだから滅多なことは報道できない。そこで日本のメディアはSNSの声を代替的に伝えている。「権力闘争は怖い」という庶民の声を抜き出して代理で疑念を語らせているのである。中国では習近平国家主席を中心にして激しい序列の移動が繰り返されており内政混乱の予兆なのではないかと指摘する人もいる。現在では世界第2位の経済大国だ。仮に中国が混乱すればその影響は決して少なくはないだろう。






前首相の死は新華社通信では「全力で手当てをしたが残念ながら帰らぬ人となってしまった」と伝えられた。

BBCは習近平国家主席によって傍流に追いやられていたと紹介した上で、現在の境遇をカギカッコに入れて「休養」と表現する。ただしその死についての疑念は紹介していない。証拠は何もない。

ロイターには若干の仄めかしがある。経済的な減速が指摘される中、改革開放路線の頓挫が国民から抵抗される可能性がある。ある種習近平国家主席にとって邪魔な存在になっていたのであろうというわけだ。

22年8月には、中国経済の改革開放を進めた指導者、鄧小平の銅像に花輪を捧げ、「改革開放は止まらない。長江と黄河は逆流しない」と明言。この演説の動画は拡散されたが、習体制批判と見なされ、検閲対象となった。

直接的な証拠があるわけではないのだが、なんとなく「権力闘争の影響で誰かに何かをされたのではないか」というような疑念を持っている人は多いのだろう。共同通信のとった手法はSNSを抜き出して代理で語らせるというものだった。

改革派の李氏は首相在任中に習近平国家主席との確執があったとされる。習氏が国家主席として異例の3期目入りを果たした3月の全国人民代表大会(全人代)で李氏は退任。ウェイボには「闘争はこんなにも激しいのか」などと政治的な背景を疑う投稿もあった。

NHKによると李克強前首相の死を伝えるNHKの報道は一部中国国内で制限されたそうだ。報道されないことを見ると中国の指導部が何を恐れているのかよくわかる。

放送が中断されたのは「習近平国家主席の権力が強まる一方で、李前首相の存在感が低下し、ことし3月に首相を退任した」と報じた部分で中国当局が、習主席の権力に関する報道に神経をとがらせていることがうかがえます。

習近平体制において有力政治家が消えるのは特に珍しいことではない、とNHKは指摘する。約一ヶ月前の記事である。

結局国防大臣はのちに突然解任が発表された。汚職疑惑があるそうだが理由は全く説明されなかったそうだ。

経済の安定的な成長を失いつつある中国では指導部をめぐる不安定な動きが続いている。習近平国家主席の「お気に入り」が権力を得る図式になっているため、増長した幹部が習近平国家主席の逆鱗に触れ降格させられることが増えているようだ。李強首相ものその例外ではなく「序列が低下した」と指摘されている。

時事通信が心配しているのはその後の「分裂」である。大きな人事的成功の後は必ず激しい権力闘争となり政局が混乱する。全てが共産党の指導体制のもとで属人的に管理されているため共産党の政局はそのまま国内の混乱につながるという図式がある。次のような一節で締めくくられている。

それぞれの党大会で勝者となった文革派と改革派は、いずれも数年以内に林彪事件や天安門事件で分裂し、政局は大きく混乱した。習主席は毛沢東や鄧小平の失敗を避けることができるだろうか。

これまでの2回の先例は単に国内が混乱しただけで終わった。中国の国際経済上の地位がそれほど高くなかったからだ。現在では世界第2位の経済大国になっていることを考えると、これまでのように「国内が少し混乱しました」というだけでは済まないのではないかと思われる。

いずれにせよ李克強前首相のご冥福をお祈りしたい。

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“「あんなに元気だったのになぜ?」 李克強前首相が心臓発作で突然亡くなる” への1件の返信

  1. 健康な68歳が心臓発作で亡くなることは、特別珍しいことではないと思いますが、中国の前首相だからここまで憶測が飛び交うのも分からなくはないという感想です。

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