ざっくり解説 時々深掘り

「所得減税は来年のボーナスまでにぼちぼちと」と世耕弘成参院幹事長が発言

Xで投稿をシェア

注目されていた衆参の補選が終わった。政治報道の世界では「岸田政権の中間評価だ」と言われたが有権者の関心は低かったようだ。焦点は所得税減税だということになっているが、これもさほど盛り上がってるようには思えない。

そもそもいつ所得税減税が行われるのかもはっきりしない。今回の議論では「税制大綱に書き込む」ことだけが目標になり実施は来年の夏になるかもしれない。世耕参院幹事長が「夏のボーナスに間に合えば」と言っている。もともと岸田総理の「増税メガネ」イメージに対する反論にすぎないので選挙さえ諦めれてしまえば減税は実現しなくても特に問題にはならない。「増税メガネ」批判をされた時に「今検討中でございます」とだけ言えればいい。このまま防衛増税議論が盛り返すのかあるいは議論自体をペンディングにするのかなどに注目が集まる。

Follow on LinkedIn

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで

|サイトトップ| |国内政治| |国際| |経済|






衆参の補欠選挙が終わった。佐世保市などを中心とする長崎4区では与党候補が競り勝った。一方で徳島・高知では野党系が勝った。こちらはかなり差が開いたようだ。勝利した広田候補は元立憲民主党議員だそうだが「より広い支援を得るため」として立憲民主党を離党して選挙に臨んだ。しばらくは復帰する考えもないそうだ。「リベラル差別」が浸透していることが伺える。自民党の対抗勢力は欲しいがリベラル・左派は嫌だという人が多いのかもしれない。メディアの表現は「一勝一敗」ということになっているが「勝者なき」と言ったほうが正しいように思える。

投票率はいずれも過去最低だった。SNSなどを見ると政権への不満が高まっているようにも思えるが、どちらかといえば「消極的反対」「無関心」が今の政治ムードなのだろう。特に徳島の投票率は低かったそうだ。遠く離れた土佐の人であって自分達には関係がないという人も多かったのかもしれない。

広田一氏は土佐清水市の出身。もともとは父親の地盤を継いで高知県議会選挙で自民党議員として出馬し当選したそうだ。だが、国政に出る時に自民党から枠をもらえなかったのだろう。無所属で出馬し当選後小沢一郎氏に誘われて民主党入りしたという経歴を持っている。

Yahoo!ニュースやSNSなどを見ると現在有権者の関心は「所得税減税」にあると思いがちだ。だがどちらかといえば「今の政権は庶民の生活には無関心である」という証拠集めのために利用されているだけという気がする。

おそらく今の状態で選挙を行っても自民党は勝てない。もともと「維新が躍進する前に選挙をやっておいたほうが自民党にとって有利」くらいの感覚だったのだから選挙さえ諦めてしまえば自民党にとっても減税を実施する必要はなくなる。もともと全ては岸田総裁の再選戦略である。

となると所得税減税の意欲も失われてゆく。今回は税制大綱に書き込むことだけが「目標」となるのかもしれない。案の定「減税は夏のボーナスに間に合えばいいかなあ」くらいの話が出てきた。

NHKの番組において稲田朋美幹事長代理は「減税にはメッセージ性がある」と訴えたそうだが「増税批判対策として掲げているだけですよ」と読み取ることもできる。

繰り返しになるが「この秋冬に選挙をやりたい」というのは自民党のというよりは岸田総理の総裁選再選戦略である。このまま岸田政権への支持が盛り上がらず、なおかつ野党支持も増えないという状況が続くならば「なんとなくパッとしない岸田総理を取り替えてその後で選挙をやったほうがいいのではないか」という人たちが増えてくるのかもしれない。

産経新聞が提示した「減税提案を行った政権はその後倒れる」というジンクスは今回も実現するのだろうか。

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで

Xで投稿をシェア


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です