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本物のピザを求めて

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ピザはイタリア発祥とされる食べ物だ。小麦粉で作った生地の上にトマトソース、チーズ、その他の具材を載せて食べるのが一般的に知られたピザの作り方である。

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レバノン料理に付いていたピタ。レバノンではクマージュと呼ぶそうだ。

最初のピザがいつ頃作られたのかは分からないようだが、地中海沿岸で丸い発酵パンが広く食べられていたのは間違いがなさそうだ。中東のピタという丸い薄焼きパンが知られている。こうした丸い発酵パンの文化圏はナンやチャパティを食べるインドにまで広がっている。
イタリアのピザにはナポリ風とローマ風があるという。ナポリ風の方が元祖だとされているそうだ。ナポリ風は厚目のパンの上に単純な具材の載せて食べる。モッツラレラチーズ、トマトソース、バジルを使ったマルゲリータなどが有名である。
チーズ、トマトソース、バジルの葉だけで作られたマルゲリータ。具材というよりも台の小麦粉の風味を楽しむ。
チーズ、トマトソース、バジルの葉だけで作られたマルゲリータ。具材というよりも台の小麦粉の風味を楽しむ。

日本でもイタリア風の窯を備えた「ナポリ風」のピザ屋がよく見られるようになった。アンチョビを載せたビザをシチリア風と呼ぶそうだが、シチリアで食べられているのか、ナポリの人がそう呼んだのかは不明だ。このシチリア風ピザにはチーズは使われていない。
ローマより北ではピッツァ・アル・タッリョと呼ばれる量り売りの長方形のピザが売られているという。つまり、ピザは丸いとは限らないらしい。
イタリアでは庶民の食べ物として知られるピザだが、日本では別の捉えられ方をしている。一つはアメリカを経て伝わった「アメリカ風」のピザだ。もう一つは「ナポリ風」を唱っているピザだが、日本ではむしろ高級料理だと見なされている。高級な小麦粉が使われていて独特の風味を楽しむことができる。
シチリア風という名前のついたナポリ風ピザ。白金のISOLAで作ってもらったものを持ち帰って、有り合わせの安いワインと一緒に。
シチリア風という名前のついたナポリ風ピザ。白金のISOLAで作ってもらったものを持ち帰って、有り合わせの安いワインと一緒に。

イタリアの移民が多かったアメリカでもピザは食べられている。トウガラシやパプリカ入りのサラミ(ペパロニ)を使った薄い生地のピザなどが有名だ。ニューヨークではこれを大きめに焼いてスライスに分けて売り出している。学生が食べる安い食べ物というイメージでごちそうとは呼べないのだが「懐かしくて食べたくなる」という人も多いのではないだろうか。作り置いたものを食べるので「だらり」とした印象がある。焼きたてのピザを食べさせる「イタリア風」とは違っている。
一方、シカゴでは厚い鍋で焼いたピザが食べられるそyだ。中にトマトソースやチーズなどが詰まっており「シカゴスタイル」「ディープディッシュピザ」「スタッフド」などと呼ばれるという。
カリフォルニアの人たちはこうした素朴なアメリカ料理に飽き足らず、イタリア料理などを参考にして、カリフォルニア・キュイジーヌというものを作り上げた。カリフォルニアスタイルのピザはニューヨークのものよりも小降りで1人で1枚を食べる。日本でもウフルギャング・パックで食べられる。
日本でピザ屋のチェーン展開を始めたのはシェーキーズだそうで、宅配ピザを始めたのはドミノピザということである。どちらもアメリカの会社なので、一般的に知られているピザはアメリカ式ということになる。しかし、日本のピザは具材が豊富で、豪華さがウリになっているものが多い。そこで本場のものを食べると「味が単調でつまらない」という印象を持つ人もいるかもしれない。
イタリア人はピザを単純な具材で食べる。作り置きもしないので、新鮮で小麦粉の味をしっかりと味わうことができる。具よりも台を楽しむのがイタリア風と言えるかもしれない。一方、アメリカ人の食べるピザは作り置きで湿気を含んでいる。気軽に食べられるファストフードといった印象である。
日本の偉大な発明にピザトーストがある。トーストにトマトソース、ピーマン、チーズを載せた「ピザ風」の軽食だ。日本では主に喫茶店フードとして知られている。こちらは発祥の場所が分かっている。銀座の珈琲館紅鹿舎が発祥の地とされているとのことである。


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