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スーダンからの邦人退避 タイムリミットは24日午前

混乱が続くスーダンから各国民を退避させる動きが始まった。両陣営とも停戦には合意しているがタイムリミットは24日午前(現地時間)だそうだ。現地情勢はかなり危険なようで民間人の退避ができていないところや負傷者が出たところもある。日本人ははハルツームから港のあるポートスーダンまで逃げられれば自衛隊の船に乗ることができる。そこからジブチにのがれて空路で帰国できることになる。だが、ハルツームからポートスーダンまでは直線距離で671キロメートルあるそうだ。

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スーダン情勢は混沌としている。長期政権を協力して倒した国軍と準国軍が民政復帰後の勢力争いで揉めている。準国軍とはいってもアラブ系が非アラブ系を支配するために組織された「ならず者」の集団である。「準国軍」と書いているところもあれば「民兵組織」としている媒体もある。NHKは軍内部の衝突としておりマスコミの書き方もバラバラである。

ただしどちらの陣営も「民政復帰後」には周辺国から支援してもらいたい。このため「各国の人たちを避難させるため」として一応の停戦に合意した。BBCの報道によると「アメリカ、イギリス、フランス、中国」の外交官が含まれる。アラブ系の国々はハルツームからポートスーダン経由で逃げたようだ。

アメリカやイギリスの外交官の退避は成功したようだ。だがフランスの避難者の中から負傷者が出た模様である。またアメリカやイギリスの民間人の退避の目処が立っていないという情報がある。BBCはイギリス民間人の「政府から見捨てられた」という声を伝えている。現地はかなり混乱しているようだ。

そもそも日本は合意のリストには入っていないようなのだが、それでも停戦の窓が開いている間にできるだけ安全なところに逃げなくてはいけない。

加えて自衛隊の活動には制限がある。おそらく作戦上は自衛隊に犠牲者が出れば政局化しかねないという懸念もあるのだろう。政権は長い時間をかけて徐々に自衛隊の活動範囲を広げておりここで失敗したくないという気持ちもあるに違いない。このため、自衛隊はスーダンの内部に入り込むことはできない。

スーダンは非常に広い国でハルツームから港のあるポートスーダンまでは直線距離で671キロメートルあるそうだ。自衛隊航空機はスーダンには入らずジブチで待機している。自力でポートスーダンまで辿り着いてもらえればそこからは自衛隊の輸送船でジブチまで送ってもらえるようだ。テレビ局の中には「邦人の一部が避難を開始した」と伝えているところがあるが現地は混乱していて全容はよくわからない。またこの「邦人」が民間人をカバーしているのかもよくわからない。

CNNによると停戦発表時にスーダンの死者は400人超と言われていた。国軍も民兵側も「お互いを殲滅するまで戦い続ける」といきまいており落とし所は見つかっていない。

現地時間で24日午前を過ぎるとまた激しい戦闘が再開される可能性が高い。とりあえずはこのタイムリミットまでに自衛隊の船に乗れる人が何人いるのかに注目が集まる。停戦合意があっても自衛隊の護衛は内陸には入り込めないのだから合意が切れれば現地の日本人は保護なくスーダンに取り残されることになってしまう。

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