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間違えて踏み込んできた警察に応戦した住民が撃ち殺されてしまう ー ニューメキシコ州

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アメリカのニューメキシコ州で警察が間違えた家に踏み込み間違えて人を銃殺してしまった。のちに警察はボディカメラを公開して「説明」をしている。透明性確保の他に自己防衛の意味合いもあるのだろう。通報から伝達の過程で間違いがあった可能性があるが詳細はわかっていない。なぜこのようなことになったのか。

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AFPによると事件があったのはニューメキシコ州の北西部にあるファーミントンだ。ナバホネーションに隣接しておりアルバカーキなどの州中心部からは外れている。

「バレービューアベニュー5308番地」でドメスティックバイオレンス騒ぎがあったと通報を受けて駆けつけた警察官が住宅に踏み込んだ。中にいた住民(夫婦)が銃で応戦してきたため止むなく夫を撃ち殺したのだが、実はこの住所は5305番地であるということがわかった。警察は間違えて別の人を銃撃してしまったのである。

事件が起きたのは4月5日だった。警察が説明のためにボディカム映像を公開してニュースになった。警察は透明性確保が目的だと説明しているが、おそらく自分達の立場を明確にし自己防衛を図るという目的もあるものとも思われる。

問題が深刻な点は三つある。第一に警官はこの住所が間違っていることに気がついていたようだ。ワシントンポストだけでなく各媒体とも同じような見出しにしている。第二に深刻なのは警官に対して住民が応戦していると言う点である。射殺されたトッドソンさんが警官だと気がついていたのかはわからないのだが応戦できる銃があったということになりそれが必要になると普段から覚悟していたことになる。第三の問題はそもそも最初の通報者の問題がどう解決したのかがよくわかっていない。

ニューメキシコ州公共安全部によれば、今後この問題については地区検事が判断することになるようだ。応戦してきた住民への補償の有無などについて警察が言及することはない。また応戦した妻については「罪に問わない」としている。またプライバシーを配慮してなのか元々のドメスティックバイオレンス事件については「個別に問い合わせてくれ」と依頼している。

「家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス)」の重みが日本とは全く異なっている。

家庭が銃武装している可能性のあるアメリカでは深刻な事態を招きかねない。予算が限られていることの多いアメリカの警察は少ない予算で警官は危険な状況に立ち向かわなければならない。そして警察は常にそれを世論に訴え続けなければならない。一方で住民たちも警察があてにならないことはわかっている。だから当然自分達で自衛のために武装することになる。これが今回の悲劇の原因になっている。

国家は必ず住民を守ってくれるというのはもちろん「幻想」に過ぎない。だがそれでもそれは大切な幻想である。アメリカの一部ではこの幻想が損なわれかけている。そして、一旦それが損なわれてしまうとそれを修復するのは難しいということがわかる。幻想であるが故に努力して守り続ける必要があるのだ。

さらに「そもそも最初に通報をしてきた家(かなり状況が緊迫していたようだ)」がどうなっていたのかが報道されることはない。この手の緊迫はもはやありふれたものになっていてそれほどニュースバリューがないのだろう。おそらく今回の問題も「警察を縮小すべきか」とか「銃を持つ権利は規制されるべきではないか」というお決まりの議論に集約されてしまうのだろうがそもそもの最初の問題が全く片付いていない。

大きな問題についてばかり議論をしていても仕方がない。どうすればこうした悲劇を防ぎ警察の負担を減らすことができるのだろうか。警察への信頼が回復すれば住民の治安も守られる。そうすれば住民も安心して銃を持たずに眠れるようになるだろう。

当座の問題はおそらく情報伝達の過程で何があったかを解明することになるのだろう。警察に通報があってから実際に住宅に到達するまでの間にどんな間違いがあったかを調べるのは非常に重要だ。仮に情報伝達に間違いがなかったのならば現場の警察官がなぜこれほど過敏になっていたのかを調べなければならない。

ABCは自身もカリフォルニアで副保安官として仕事をしているエドワード・オオバヤシ氏にコメントを求めている。大林氏は警察に過去の記録があればこれがどれくらい危険な事件なのかをあらかじめ警官が把握できていたのではないかという。交番システムが発達している日本では家庭調査まで行われているが、アメリカでは911の記録などもきちんと整備されていないようである。

How law enforcement ended up at the wrong address is what Obayashi has more questions about. Investigators will be looking at all 911 calls and other communications to figure out how much information officers had going in, he said. They’ll want to know how serious the reported domestic violence incident was and whether officers had information about weapons or prior history with police, he said.

若い21歳の州兵が国家機密の閲覧権限を持っていたり大統領経験者が自宅にウッカリと機密文書を持ち出したりすることがあるほどアメリカの情報管理は杜撰だ。だが、本当に必要な人のところに必要な情報が行き渡っていないと言うこともわかる。

仮に情報の不備が警察の信頼を損ねているとしたら、まずはこの辺りからきっちりと見直す必要があるのかもしれない。

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に過ぎない。だがそれでもそれは大切な幻想である。アメリカの一部ではこの幻想が損なわれており

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