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次期日銀総裁は雨宮氏で最終調整

今週10日に次期日銀総裁候補の名前が国会に提示される。日経新聞が「日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診 政府・与党が最終調整」と伝えている。事前のロイターの報道に基づくならば「当分黒田日銀の政策修正はなし」と言うことになりそうだ。

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今週10日に時期に日銀総裁候補の名前が国会に提示される。日銀の黒田東彦総裁は4月8日に総裁任期が切れるのだが、雨宮正佳副総裁と若田部昌澄副総裁は3月19日に任期満了を迎える。このため3名の人事を同時に行うものとみられている。

以前、ロイターはUBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント チーフ・インベストメント・オフィサーの青木大樹氏の発言を取り上げていた。黒田総裁を支えてきた雨宮副総裁が繰り上がれば急激な政策変更はなく、中曽・山口氏であればYCC解除がある可能性があるとの予想だった。仮にYCC解除が予想されれば「サプライズ」ということになり円高に振れることになるが今回はサプライズなしということになりそうだ。

仮に今回の報道が最終調整であればそのまま議会承認される可能性が高い。黒田日銀の政策は継続されるため、これまでのようにアメリカの金融政策と各種統計によって日本の円相場が乱高下すると言う状態がしばらく続くだろう。また、金融市場関係者が懸念しているYCCによる市場の歪みとその副作用の懸念は温存されることになりそうだ。

日経新聞の報道を伝えるBloombergも雨宮氏は黒田氏の政策を継承するとみているようだ。異次元とか大胆なという言葉を多用する岸田総理だが基本的にはあまり冒険をしない主義なのだろう。日銀総裁選びではもっとも無難な選択をしたということになりそうだ。次の注目点はアコードの修正に移る。

もっとも一般のニュースとしては副総裁候補の名前の方が注目される可能性もある。日銀ウォッチャーの間では初の女性副総裁候補が出るのではないかと期待されているとBloombergが2022年10月に書いているからだ。

黒田総裁は市場とのコミュニケーションに難点があると見做されてきた。また「家計の値上げ許容度が高まっている」との発言は「国民はインフレを甘受している」と解釈され反発された。女性副総裁が誕生すればコミュニケーション機能が改善されるのではないかという期待もありサプライズとして取り上げられる可能性は高い。

岸田総理が総裁・副総裁人事で思い切った決断ができるのか、このまま無難に終わってしまうのかにも注目が集まりそうだ。

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