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不安を軽減する為にはどうしたら良いか

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リスクや不安には様々なものがある。実際起こっているものと将来不安は分けて考える必要がある。
すでに危険な状態に陥っているものを「カタストロフ」と呼ぶ。カタストロフには自力で対処可能なものとそうでないものがある。対処できない場合には逡巡せずに「火事だ!」と大声で助けを求めるべきだろう。
リスク分析は重要でかつ難しい。例えば、民主党政権は福島第一原子力発電所が爆発事故を起こした時「訴訟」が政権にとって大きなリスクになると考えたようだ。ところがこの事で初動が遅れ問題をこじらせた。「直ちに健康被害はない」などと繰り返したため、政権の問題解決能力に決定的な疑問符が付くことになり政権を失った。
彼らは「リスク」と「対処すべき問題」の切り分けを決定的に間違えてた。リスク対処に当たっては感情も大きな要素になるのだが、あの「直ちに…」という弁護士的な発言で、民主党は国民の痛みが分からない冷たい政党だと気がついた人も多かったのではないかと思う。もともとは天災由来なのだから「一緒に危機を乗り越えよう」と言い、情報開示していれば状況はかなり違ったかもしれない。
さて、対処すべき問題が分かったら、今度は問題にアプローチする為のモデルを明確にすべきである。それぞれのモデルには前提となる「合理的な前提」がある。モデルには前提があるのだから、限界もある。
複数モデルを不用意に混ぜると前提条件が不明瞭になる。
例えば、マネタリズムのモデルではデフレからの脱却が可能だが、そのあとに人々が経済参加する意欲を取戻すかどうかは分からない。マネタリズムのモデルには意欲というパラメータはなく、アクターはただ「合理的に行動することが期待されている」からだ。
自民党政権は「市場に意欲があることを前提とした自由主義的な政策」と「国家が最低限の暮らしを保証してくれるだろう」という社会主義的な政策を混合した政策モデルを持っているようだ。国民は常に不安を抱えている状態なので、新自由主義的な政策が効果を発揮しないうちに、社会主義的な政策を取って、効能を半減させるのではないかという点が懸念されている。危機の後に安心を提示してしまうと意欲が削がれる。効果が実感できない国民はさらに不安になり、消費を冷え込ませる。
リスク回避のためにもっとも扱いにくい要素は感情だ。不安により消費行動や起業意欲が抑制される場合があり、いくら「合理的な説明」を加えても思い通りに動いて貰えない場合がある。
解決崎を受け入れてもらうためには感情が非常に大きな要素になる。つまり、コミットメントや情熱といった非合理なものが、実は分析やソリューションそのものよりも重要な場合がある。