ざっくり解説 時々深掘り

混迷する立憲民主党代表選挙 – 次の代表に必要な資質とは

Xで投稿をシェア

総選挙が終わって一週間以上が経った。このところページビューが「爆増」していたのだが違和感を感じていた。

クリック攻撃のようなことも考えられるのだが滞留時間が長く別のページを探そうという人も多かったようである。つまり熱心に読まれているページが多かったのだ。

それだけ「立憲民主党敗戦の解釈」について知りたかった人が多かったことがわかる。

Follow on LinkedIn

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで

|サイトトップ| |国内政治| |国際| |経済|






一つ目の山は立憲民主党の比例票の伸びを前回の参議院選挙と比較したものだった。実は立憲民主党は多くの票を獲得しているので戦略そのものは間違っていない可能性が高いというシンプルにそれだけの話である。結論は風に頼るのをやめて地道に地盤整備をした方がいいですねというものにしたつもりだ。これも当たり前のことを当たり前にやってゆきましょうというような特に面白みのない話だった。

特に敗戦したわけではないのだから、敗戦要因を解釈してみても仕方がない話だ。

最近のアナリティクスはかなりチャートが改善されていてどのページが熱心に読まれているかがよくわかる。今最もよく読まれているのは菅政権がPCR検査を抑制していたんだろうなという記事である。

だがこれも「野党は真っ当なことを言っていたのに世間から認めてもらえなかった」と捉えられているのではないかと危惧してる。

おそらく現在の政治は「政治には大して興味がないが誰かが困る顔が見てみたい」くらいの軽い動機で動いている。これが消極的不支持層である。もっと平易な言い方をすると「意地悪な人」が増えたのだ。

だが、熱心に野党を支持している人は「野党が頑張って正しいことを言っているのに与党が認めてこなかった」という気持ちを募らせているのではないかと思う。だから、正当化のために時間を使っている人が多い。これは個人の時間の使い方としては実にもったいない話だ。

有権者が苛立っているだけならいい。だが実際には当事者である立憲民主党も代表選の構図が全く見えてこない。自分たちが主張してきたことが正しいという確信が得られず「様子見」を決め込んでいる議員が多いそうである。

どうしてこうなったのか。

おそらく立憲民主党もその支持者たちも「消極的不支持層」が作った風に翻弄されている。おそらく民主党ブームは「ちょっと気に入らないことがあったから自民党から離反してみました」くらいの層が作ったのではないかと思う。アンケートや調査をしてもこうしたうっすらとした敵意は表に出てこない。大抵はアンケートに答える時点でなんらかの合理化が図られて別の形に変容してしまう。

だが毎日のようにこうしたブログを書いていると確実に「投票」が入ってくる。閲覧者とページビューの分布は政治に関心がある人たちが秘めている本音をあけすけに語っているのである。組織や社会の成功より個人の失敗に着目する人たちが多いことがわかる。

だが「ニーズがあるのだからしばらくは敗戦気分に浸っていればいいのではないか」とも考えられる。確かにコロナ禍が落ち着き「以前の生活」に戻ろうとしているように見える現在は「しばし休憩」でもいいのかもしれない。

だが残念ながら時代は確実に次のフェイズに入っている。アメリカの事例を見ていると「国家が格差縮小のために経済に介入した結果インフレが起こり低所得者層が苦しんでいる」という状況が起きている。ただ何もしないと格差はますます拡大するだろう。これをどう乗り越えるかに工夫が必要な時期に入っているようだ。持ってゆきようによっては「ほら最低賃金も弱者救済も間違った政治戦略だった」と言われかねない。

実際にアメリカでも比較的高所得の人たちは「物価高など大したことはない」と言っている。感じ方に顕著な差が出ている。仕事が見つかり給料が上がった人たちとその波に乗れない人たちがいるからだ。

次にやってくることも何となく予想ができる。現在ヨーロッパでは新型コロナウイルスが再拡大している。規模は小さくても次の波はやってくるだろう。ヨーロッパ人とアジア人は性質が違うのではとも言われているが、韓国などでも再拡大が起こっているようである。日本だけが例外になるはずはない。

実は今は第二のダイヤモンド・プリンセス号時代なのだ。あの時も「日本にはやってこないのでは?」などと言われていたが、まずヨーロッパで感染が拡大した。大阪などの関西圏も先進的地域だ。

一方で何事にも慎重な日本人は「慎重にコロナ再拡大」を見極めて2021年1月か2月ごろからGoTo事業を再開したいそうだ。岸田内閣は過去の問題点を整理しているだけで将来予測はしていない。だから次の新しい状況にはおそらく対応できないだろう。

この二つの情報を掛け合わせると岸田政権が経済再開策を検討しているうちに第6波がやってくるだろうなあという予測ができる。政府はPCR検査で感染者数を可視化してしまっている。病床の増加が追いつけば収容できるがこれを超えてしまうと永遠にGoToはできないということになる。

野党支持者はありもしない戦勝で勝利者気分に浸ったあとありもしない敗戦に落ち込んでいる。これまでまともに組織づくりをやってきていないのだから勝てるはずはない。つまりやることをやらないと敗戦すらできない。ありもしない勝負に夢中になっているとこうした割と単純な事実をいくつも見逃してしまうことになるのではないかと思う。

ここから導き出せる次の代表に必要なの資質は二つだ。課題を明確に見据えることのできるビジョナリーの資質を持った人が必要だ。もしかすると解散に翻弄されることのない参議院議員の方がいいかもしれない。次に必要なのは党の組織づくりができる建築家だろう。現在の個人商店化した議員のネットワークでは問題の吸い上げなどとてもできないからである。ビジョナリーがいても具体的に政策立案ができる装置がなければ単なる占い師になってしまう。

一人で分担できないならチームで作業分断してもいいと思うがもしそういう人が誰もいないならさっさと解党したほうがいい。

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで