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菅政権はどこでどん詰まったのか?

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今日は菅政権がどん詰まり状態に陥った理由について考える。人気者になりたい人はぜひ読んでもらいたい。と同時に訪米の意味について考える。結論から言えば、誰かが止めた方がいい。

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3月15日と16日に衆参両院で会食・接待問題についての質疑が行われたが、なんだかおかしな展開を見せている。人気浮揚策のはずだった携帯電話値下げがなぜか菅総理の足を引っ張っているのである。足を引っ張っているのは総理の威光を背景にした人たちである。

NTTと総務省が会食したことが問題になっている。武田総務大臣は国民が疑念を抱くような会食はしたことがないと繰り返す一方でNTTの澤田社長は菅総理と会食したことがあるかどうかは言えないという。つまり菅総理は過去に面会をしていてそれを隠していることが明確なのだ。当然「何か後ろ暗いことをしているのでは?」という類推が働く。

公明党はこれをまずいと考えているようで盛んに「会食自体は悪くない」といっている。だが自民党がよくわかっていないようだ。東北新社とNTTを一方的に悪者にしていじめていた。弱いものいじめは逆効果だがおそらく自民党の人たちは周りが見えていない。

「菅総理が携帯電話の値下げを働きかけるためにNTTと会食していた」のであれば「そもそもそれは隠すべきことなのだろうか?」ということになるのだが、変な空気が流れている今それをいっても開き直りにしか聞こえない。実際に菅総理は開き直り答弁を繰り返していて武田総務大臣もどんどん主張がめちゃくちゃになってきている。もちろん、資本主義・自由経済の国で総理大臣が一民間企業に働きかけをすること自体がめちゃくちゃな話なのだが、庶民感情では「総理ありがとう」という人が出てきてもおかしくない。だがもはや逆効果でしかない。

どうしてこうなった?と考えると「空気のせい」としか言いようがない。

もともと総理の息子が総務省を接待していたという話と二階幹事長らが国民が我慢している最中に会食していたという話がなんとなく合わさった。勢いで「会食はけしからん」という話になっているだけである。隠そうとするから話がややこしくなるのだ。

東北新社の規制問題はどうやら総務省の怠慢か前経営者との馴れ合い問題にすぎないようだが、当事者は野党から追及されることを恐れて「記憶にございません」と連発していた。反省しない官僚の不敵な開き直りがまた世間の反発を招く。

裏返せば「選挙で勝ったら記憶なんかいくらでも戻ってくるんですがねえ」といっているのと同じである。国会を舐めきっている。ほとぼりがさめるまで記憶にございません作戦を続けるのだろう。谷脇さんが週刊誌に「粛清」された今となってはもう自分の身は自分で守るしかないのだが「反省していない菅政権」という印象をさらに深める。

菅総理はいつもこうなのだ。アストラゼネカ社のワクチンに脳出血を引き起こす疑いがあることがわかった。これは菅総理のせいではない。だが日本はアストラゼネカ社のワクチンを国内製造する予定があり日本のワクチン接種計画には重大な影響が出るだろう。強行して何かあれば菅総理のせいということになるだろうし遅れれば河野大臣の任命責任ということになる。

成果を作りたいと焦るあまり問題を引き寄せている。

問題はどこにあるのだろうか。菅総理は成果を出そうと「ぼくの考えたさいこうの」計画を立てる。ところがこの計画にはいつも穴がある。「ぼくの考えた通り」に進まないからだ。その上周囲は「いうことさえ聞いていればあとは好きなことをやってもいいんでしょ」と思っている。シナリオ通りに進まないだけでも菅政権のせいになるだけで考えた官僚は罰せられない。その上、足を引っ張る怠慢な人や偉そうな人が周りにたくさんいる。

ワクチンの不備は「ぼくの考えたさいこうのオリンピック計画」にも暗い影を落とす。これは全てをリンクしてしまった菅政権が悪い。オリンピックと緊急事態宣言とワクチンが連結してしまっている。

3月25日のオリンピック・パラリンピック聖火リレー出発を前に緊急事態宣言を解除したい。神奈川県は順調に推移しているようだが、埼玉県と千葉県は状況が悪化しつつあるので「強行した」という評価になるだろう。おそらくお花見で人が出れば感染者は増えるはずだ。見えないクラスターがあり尾身茂会長が懸念を表明する。変異ウイルスも出ている。世論調査も緊急事態宣言解除には慎重である。だから「菅総理が強行したから感染者が増えた」という評価になるはずだ。

ついに菅総理は意思決定ができなくなった。当然である。どっちに意思決定しても誰かに足を引っ張られる。

安倍政権は単に成果に乗りつつ現実の問題解決にコミットしないことで「いいことはぼくがやったことだしわるいことはあいてのせいだ」と言ってきた。小池百合子東京都知事は問題は引き起こすが「私は後のことは知らない」と逃げ続けている。もはや、こういう人だけしか生き残れないのである。問題解決をやろうとすると失敗を引き受けることになる。

菅総理はシナリオを作るのだがその通りに物事が進まないことで「失敗は全部菅総理のせい」ということになってしまう。

一旦悪い流れができると情報がどんどん集まってくる。文春にはいろいろな「そういえば」話が持ち込まれているようだ。東北新社の外資規制違反の話もその一つだったようだ。問題解決ができないばかりか裏で不満を抱える人たちを大量に培養していたことも明るみに出つつある。

ただこれが終わりではなさそうだ。

バイデン政権は最近民主党の一部の反対を押し切って大胆な国内救済策を打ち出した。おそらくアメリカには東アジアの安定に支出する余裕はまったくないはずである。だがバイデン 政権は頭がいい。日本など三カ国が中国嫌いなのを知っていて仲間を集めて中国の悪口を言わせた。これをクワッドという。アイディア自体も安倍総理のダイヤモンドなんちゃら構想から持ってきたのかもしれない。

さらにホワイトハウスに初めて呼ぶ賓客として菅総理を選んだ。やや先走り気味のNHKはアメリカの報道を引用して「バイデン大統領が就任後初めて対面形式で行う外国首脳との会談になる」と悦しげに伝える。

お金がないアメリカにどんなお土産を持ってゆき何を背負わされて帰ってくるのだろうかと思う。おそらく支持率回復を狙って冷静な判断力を失っている菅総理は「いいカモ」だろう。さらに秘密主義の菅政権は首脳会談の中身は絶対に言わないだろう。つまり結果的にバイデン 政権が全ての情報管轄権を握るのだ。

菅政権が「ぼくが考えるさいこうの」外交成果を高らかに宣言したあとからバイデン 政権側の情報が出てくる。バイデン政権は国内に向けて「アメリカの費用負担を増やすことなく中国に対抗しますよ」と宣伝するだろうからである。おそらく新聞報道で野党が騒ぎ出す。

文春砲で痛めつけられた菅政権がどうなるかは見ものだが、笑ってばかりいては日本国民も法外な負担を背負わされることになるのかもしれない。誰が訪米を阻止した方がいいのではないかと思うがおそらく菅総理は訪米を強行するだろう。

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