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反日勢力が画策する2032年東京オリンピック計画

前回、補助金を使って大企業を優遇するのは反日的な計画であると書いた。未来の日本を弱体化させてしまうからである。この策謀を実行しているのは安倍政権や菅政権(もっといえば民主党政権も)なのだが、困ったことにそれを応援しているのは「変化したくない日本人」である。日本は総反日化していることになる。

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日本人が全て反日化しているわけだから新しい反日計画を見つけるのは難しくない。今回見つけたのは東京オリンピックの延期計画である。2032年に延期してはという噂だ。現在では噂レベルに過ぎない。2020年大会の払い戻しが始まるので「実は2021年の分は売り出されないのではないか」という不安が広がっているというだけの話だ。

だが「悪くない話なのではないか」と思った。

ヨーロッパでは新型コロナが収まっていない。そんな中でオリンピックを開催するのは難しそうだ。オリンピックは結局のところ「ヨーロッパが世界の中心だということを誇示するために行われている。基礎にあるのはヘレニズムの神格化である。オリンピック貴族日本や中国がコロナ禍をやり過ごしたとしてもヨーロッパのないオリンピックには意味がない。

ところがこれは日本人にとって好都合なのではないかと思った。考えてみれば日本人がオリンピックをやりたい理由はオリンピックとは別のところにあるからだ。

第一、誘致計画にはたくさんのお金が動く。政府はこの計画で広告代理店とテレビを潤したい。広告代理店とテレビは世論を形作っているので彼らを味方につけておけば激しい政権批判などは起こらないだろう。

新聞が不況に陥ったアメリカでは反トランプ政権的な新聞社が増えた。インテリな彼らはトランプ大統領の合理的でない政権運営に我慢ができないのだろうが、おそらく動機はそれだけではあるまい。政府を攻撃することによって読者を集めているのである。このように、新聞やテレビを満足させ続けることは政権維持にはとても重要なのだ。

もう一つの理由は建築業者を満足させることである。オリンピックの準備のために建築資材は高騰し労働者も足りなくなっている。おそらくオリンピックがなくなれば彼らは仕事がなくなってしまうだろう。建設業者にとってみればいつまでも永遠に準備が続くオリンピックこそが理想である。

さらに政治もオリンピック誘致の失敗を認めなくて済む。2032年にオリンピックをやるのであれば競技場は無駄にはならない。だから誰も失敗を認めなくていい。

「いつまでもオリンピック準備が続けば」喜ぶ人が多い。オリンピックには結局1兆6000万円の費用がかかるそうだが、3,000億円を削減するそうだ。削減される費用は次のとおりである。結局、準備にお金を使い大会にはお金を使わないというのが理想のオリンピックの形なのである。

削減する約300億円のうち、組織委が公表した主な7項目は、仮設設備の見直し(150億円)、組織委スタッフの雇用期間短縮など(30億円)、来日するIOCや各国競技団体役員の削減(10億円)、競技会場・選手村の装飾削減(10億円)など。

東京五輪の簡素化、削減額300億円 大会予算のわずか2%

なんでもケチをつけたい東京新聞は「これでは焼け石に水である」と言いたいのだろう。だが、実際に削られる費用は運営者や役員の接待費用である。驚いたことに10億円が接待に使われる予定だったそうだ。削減してもオリンピックが開けるということはこなくてもいい人がくる予定になっていたということだろう。選手がいればオリンピックは開けるはずだが、実際にはオリンピック貴族のパーティーの場所になっている。日本としては広告代理店と建設業者さえ潤えば「後の人たちにはお金は払いたくない」という本音があったのだろう。

では「国民側は騙されている」と言えるのだろうかという問題がある。ちょっと別の話を見てみよう。

大阪で大阪都構想の賛否をめぐる投票が行われる。

大阪は米の集積地として資本を蓄積しその資本で軽工業を起こした。これが下支えになり町工場が生まれ次第に家電の街になってゆく。糸へん商社と呼ばれる商社や家電メーカーが大阪に集積しているのは偶然ではない。

高度経済成長機まで大阪には富の蓄積があった。ところが大阪の繊維産業は工程の最初と最後だけが残り真ん中は中国に抜けていった。また家電も中国に負けるようになった。つまり大阪は中国との競争に負けたのだ。

大阪の没落の原因は大阪府と大阪市の分離ではない。大阪府と大阪市の行政が放漫行政に走るのは大阪の経済が潤沢だったからでありそれは結果である。その時代のことを彼らは忘れられないのだ。つまり大阪都構想はそもそも原因と結果を取り違えている。

だが、これをわざと取り違えて見せることで「大阪がうまくいかないのは怠慢な大阪市のせいである」といえる。「罰するために解体しろ」という議論に一定の説得力が生まれるのである。人は騙されているのではない。わかっていて騙されたがっている。

大阪都構想が成就してしまうと大阪は次の不調の原因を探さなければならなくなる。だが不調の原因は実はわかりきっている。次が見つからないのだ。

大阪の万博は庶民の不満を低減させ「我々には未来がある」という印象を与えることができるうってつけの「次の手段」だった。大阪は次の産業を見つけられず衰退するしかない。それはアメリカのラストベルトのような未来である。その苦痛を和らげるために万博が誘致され湾岸に街が作られるだろう。

「次が見つからない」という事実を日本人は認めたくない。代わりに未来への夢を語りそれにすがって生きてゆくのである。オリンピックや万博があればかつて日本が良かった時代を思い出せる。結局「昔はよかった」と言いたいだけなのだ。だからおそらく2032年にオリンピックが伸びたとしてもそれに怒る日本人はそれほど多くないのではないだろうか。あと12年夢を見ることができるからである。

ただ2032年大会にはインドも立候補するようだ。中国もアメリカを抜いて世界第一の経済大国になっているとい予測もある。もしかしたら2030年はアジアの時代になるかもしれない。おそらくヨーロッパはアジアの新興国に寄りかかり文化を輸出して生き残るだろう。この調子だとその輪の中に日本は入っていないかもしれない。

日本人は未来を見ているようでいて実は未来の日本の可能性を潰している。その意味では日本の総反日化の実態は未来の人から見た負債なのである。

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