ざっくり解説 時々深掘り

自民党を支持するということは消費税増税を支持するということ

Xで投稿をシェア

カテゴリー:

「消費増税中核に」 政府税調、財政悪化を懸念という記事を見つけた。どうやら政府は増税をしたいようだ。今回は冷静にその手口について調べた。

Follow on LinkedIn

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで

|サイトトップ| |国内政治| |国際| |経済|






いわゆる「税調」というのは自民党税調のことだった。かつては税調のドンと呼ばれるような人がおりこの税調を無視した議論はできなかったというような話を読んだことがある。だが今回の政府税調は総理大臣の諮問機関のようだ。自民党税調の議論とは別に「官邸主導で」決まるようになったんだなと思った。世襲政治家が増えており、山中さんのように必死で勉強して官僚に食らいつくような人がいなくなってしまったのだろう。

まず増税が良いことなのかということを考える。日本は海外から利子収入が恒常的に流れ込んでくる債権超過状態にありお金は足りている。問題はそれが政府や消費者レベルに回らないことである。その意味では消費税にのみ焦点を当てた増税は悪手なのだが今の政権はなぜか法人税の話はしたがらず消費税の話ばかりをする。いずれにせよ債権超過にあるのに市中ではお金が足りないというのが実感なのだから「これをおかしい」と思わなければならない。

もちろん政府税調は「今すぐ増税しろ」と言っているのではなく「議論を始めるべきだ」と言っているだけである。新型コロナウイルス関連の給付金が出費がかさんでいるから支出の議論だけでなく収入を補う議論もしろと言っているのであろう。菅官房長官は予備費を国会審議なしで一兆円使いますよと表明しているので、このまま支出超過が続いては困る。だから消費税増税議論なのだ。

このニュースで面白かったのは与党支持者の人たちの反応である。与党支持者というのは要するに今の体制を維持するために使われているだけの人なので薄々「何かがおかしい」ことには気がついている。だがそれを認めてしまうと存在価値を失うのでどうしても政府・自民党が消費税増税路線にいることを認めたくない。

彼らは消費税は増税して欲しくないしそのことが話題に上っただけで増税の空気が醸成されるのではないかと恐れている。その一方でこの政府に批判的なことを言って野党支持者にポイントを与えるのも避けたい。このため自民党支持者たちにこの話を振ると認知不協和を起こしてフリーズしてしまう。中には怒り出す人もいる。

では進んで騙されたがっている人たちを誘導するにはどうすればいいのか。これを今回は手口というのだが、自民党支持者にとってみれば「甘いお薬」である。まずは使って見せて後から回収すればいいのである。

財政に関する資料(財務省)

政府は巷に反対意見の多い消費税増税を打ち出そうとして最初に「教育無償化」などの支出拡大をやったのだろう。まずは餌をぶら下げておいて後から回収しようとしたのだ。このため令和1年度にまず伸びがありさらに令和2年度の歳出はグンと伸びている。まずはお金を配っておいてあとから回収するというのが常套手段になっていることになる。

餌は配ったら回収しなければならない。これは釣りなのだ。だがこの時に議論の前提になる景気拡大がないと困る。そこで景気後退をないことにした。餌の喰い逃げは困るのだ。だから、議会にも景気後退はないと言い張っていた。エコノミストも「俺は知ってたもんね」とはいうものの「嘘はいけない」とまでは言わない。生活に支障が出るようなリスクは背負いたくないのだろう。彼らもこれが釣りであるということを知っている。

ただ嘘をつけば罪悪感は残る。ではそれを嘘でばくせばいい。

2019年1月には「安倍政権が発足して以来景気は回復してきましたよ」と主張した。ところが最近になって景気動向指数研究会という諮問機関が2018年10月には景気回復は終わっていたと軌道修正した。

ただいろいろな記事を読んでゆくと「2018年10月」が山というのは民間の経済アナリストの間では定説になっていたようだ。「驚く話ではない」とか「それはわかっていた話である」というような論評が並んでいる。3月頃から(つまりまだ新型コロナの影響が出ていない)影響がわかっていて政府は5月頃から軌道修正を狙っていたようである。

西村経済産業大臣は景気後退そのものを認めない。2020年1月2月には経済が回復し始めていたと主張している。つまり、たまたま数字が落ち込んでいただけで上がりかけていたという主張である。運が悪くコロナがきてしまったので自分たちの努力は無駄になったと言いたいわけだ。

おそらく自民党支持者は読まないだろうが日経新聞の分析では景気回復は企業には実感ができたが家計にまでは波及しなかったと言っている。そもそも一般支持者向けの政策ではなかった。

さらにだが餌付きの増税は財政債権にも寄与しない。単に場当たり的に国民の消費生活を苦しくするだけだ。縮小まではいかないだろうがおそらく「パッと使う」ような人は出てこないはずである。こんな環境で新しいサービスや画期的な製品が出てくるはずはない。企業は国内市場には投資をしないので企業が蓄えた資金は市場に出回らないままで溜まり続ける。

新型コロナではアクセル(GoToトラベル)とブレーキ(自粛要請)を同時に踏んでいると言われているが税金でも政府は同じことをやり続けている。そしてこのアクセルとブレーキで行き詰まるのは中小の飲食や旅行業の人である。

だが、今の政府も野党もこの先10年のことを考えている余裕はない。おそらく政府は「新型コロナにお金を使ったがこのままでは高齢者の医療や年金などのサービスが維持できなくなる」として消費税増税を押し通そうとするだろう。今は消費税引き下げはしないという話に止まっているが落ち着けば増税議論が始まるはずである。岸田政調会長も「減税には応じられない」と言っている。

おそらく、新型コロナが落ち着き政権が変わった頃にまた増税の議論が出てくるはずである。自民党支持者たちは議論には勝っている。それが自分たちの暮らしを苦しくしても構わない。ただ考えなければいい。単に「苦しい生活」に慣れてくれればますます政治にしがみつくことになるだろう。

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで

Xで投稿をシェア


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です