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「玉木雄一郎降ろし」という愚策

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国会では安倍首相が官邸では菅官房長官がそれぞれ子供のような言い訳をしている。聞いていて不愉快な気分になる。ところが冷静に考えてみるとそれを容認しているのは国民である。そして国民が自民党政権を容認するのは他に選択肢がないからだ。野党が悪い。結局「野党がだらしないからだ」と、そこに行き着いてしまう。

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野党は安倍政権の批判はする。安倍政権が提案するのと反対の「提案」をして「提案をしました」という。おそらく、成長の芽が全く見つからないのだろう。そしてそれが何なのか探せない。以前ヨーロッパの環境問題についてみた。日本人が政治と考えないものが次のイデオロギーになっている。つまり我々は「政治を見れば見るほど政治が分からないくなる」のである。

環境と子供達のニュース

政治ばかり見ていると、最初は「環境なんか政治になんの関係があるんだろう」などと思ってしまう。だが、記事をご紹介したように、環境は今や大きな政治課題である。

普通の政治好きも政治がわからないのだが、永田町にこもっている人たちはさらに政治がわからなくなっているようだ。永田町では政治=予算編成件と信じられているのだろう。現に国庫にはたくさんのお金もあり借金もし放題である。何回も書いているのだが、日本は経常黒字の状態にあり毎月1兆円から2兆円のお金が流れ込んでくる。このため日本円は安全資産と見なされている。この傾向はしばらく(少なくとも一世代くらいは)変わりそうにない。時事通信も同じグラフを出している。つまり、経済成長戦略など取らなくても「お金のあるところにすり寄れば」良いという状態になっているのである。皮肉なことに豊かさこれが政党から選択肢を奪っている。問題は人々がこの「豊かさ」にしがみついてしまっていることである。

そんな中でデイリー新潮が「“玉木雄一郎引きずり下ろし計画” 合流話の裏で謀略を企てたのは小沢一郎か」という記事を出している。小沢一郎が合併に慎重な玉木代表を引き摺り下ろして立憲民主党と組もうとしているという内容だ。対応する立憲民主党も予算編成ができなければどうしようもないと考えているらしい。

「合流話が進まないのは、玉木さんが慎重派の保守系議員にまで気を使い“みんなで合流”にこだわりすぎるから。小沢さんは保守系議員なんてさっさと切ればいいと考えていて、新年会でも、小沢邸の一室を記者立入禁止にして、近しい議員たちと謀議していた。一方の立民もいよいよ懐事情が苦しく、国民の財布が欲しい。その辺りで小沢・安住両氏の利害が一致して、玉木降ろしが企てられたのでしょう」

“玉木雄一郎引きずり下ろし計画” 合流話の裏で謀略を企てたのは小沢一郎か

「ああまた小沢一郎か」という気もするのだが、もう国民のことなどかまっていられないというなりふり構わない気持ちが透けて見える記事である。安倍政権も結局は内閣のポストで党内の安定を図っていた。つまり永田町は「国のお金を誰が山分けしようか」という議論で頭がいっぱいで日本の国の将来や国民のことを考えられなくなっているのだろう。これでは自民党だろうが立憲民主党だろうがどこが政権を握っても結局同じようなことになる。さらに小沢一郎という古い政治家が未だにプレゼンスを持っている。平成の低成長気を生き残りにのみ捧げてきた彼に新しい理念を見つけるのは無理だろう。

こうして、第二自民党もどきにしかなれなかった国民民主党はプレゼンスを失いつつある。自らを保守と名乗るなら長島昭久さんのように「ウリ」を見つけて自民党に行くべきだった。

最近の国民民主党関連のニュースはこんな感じだ。共同通信の記事だけを拾っているがほぼ人事と連携のことしか出てこない。「予算変政権を握りたい」ということだけが自己目的化しており政策の幅が広がらないのだろう。結局誰がお金の使い道を決めるかということだけが国民の関心のテーマなのだから、立憲民主党や国民民主党が政権を取っても自民党が議事を妨害し同じような国会運営にしかならないだろう。そこにアイディアも理念もないからだ。

政策で差別化が図れないのだから、あとは政権にケチをつけてなんとかするしかない。政権の側もなりふりかまっていられず仲間に配分しなければならない。そうすると国民には説明ができなくなる。野党はアイディアがなくてもやることには困らない。政権には突っ込みどころがいくらでもあるからだ。このままではおそらく足の引っ張り合いが将来にわたって続くことになる。「みんなを食べさせる余裕がない」のが国会が膠着して何も決められない一番の理由である。

おそらく大きくなりすぎた自民党も全員を満足させることはできなくなっているのだろう。自民党の中にもIR利権をもらえないという人がたくさんいて汚職事件まで起きている。謝罪はしているが利権に関われる人たちを「管理委員会」で限ろうとしているので自民党の中でも排除されたと考える人が出てくるだろう。結局、加計学園のように特区を作って「その他大勢の自民党議員」を排除しないと利権構造を維持できない仕組みになってしまったのである。

IR汚職関連のニュース

おそらく立憲民主党や国民民主党がやるべきことは、イデオロギーであってもプロパガンダであってもマーケティングキャンペーンであっても何か次世代につながりそうなものを見つけてきてそれを支持してくれる有権者を掘り起こすことなのだと思う。本当は自分で考えて欲しいができないなら外国から持ってきてもらっても構わない。リーダーシップとはそういうことだしバックアップ政党としての役割である。しかし、ネットの片隅でそんなことを提案してみても虚しく響くだけだ。与党も野党もお腹が空きすぎていて明日の食べ物を手に入れることだけで頭がいっぱいになっているのかもしれない。

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