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かんぽ生命のニュースでマスコミは何を隠そうとしているのか

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今日もテレビは吉本興業のニュースをやっている。10年以上も前の契約書の問題である。陰謀論の類は展開したくないのだがどうしても「何か隠したいのだろうか」などと思ってしまう。そんななかでかんぽ生命の総括記者会見が開かれたようである。Quoraでは早速「秋に調査報告書を出すと言っているが、その間に証拠を隠すのでは?」という質問が出ていた。なるほどと思った。

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このニュースのポイントは問題Aと問題Bを結びつけさせないという手法にあると思う。ニュースAとBをつなぎ合わせて考えると「不正な株価維持に金融庁が連座しているのでは」という別の疑惑が出てくる。テレビ局はこれが展開したくないのだろう。ではそれは権力による隠蔽なのかという問題が出てくる。隠蔽ではないと思う。テレビ局は単に最初の一人になりたくないのではないだろうか。

なぜ秋まで調査しないのか、その理由は明白である。それは日本郵政株の放出が行われるからだ。これが終われば国の日本郵政に対する監督責任はほぼなくなる。法律で全てを放出することは想定されておらず1/3弱は残すことになっているそうである。日本郵政の経営が誰か(おそらくは外資だろうが)の支配下に入らないようにする知恵なのだと思う。つまりこのオペレーションが終わるまで誰も問題を作り出したくないのでる。

面白いことに材料自体は全て出揃っている。つまり誰も何も隠してはいない。隠すと怒られてしまうので情報は全て出しているのだろう。そしてそれは誰でも結びつけられるような簡単なものだ。Quoraの質問をみてなるほどと思ったのは「こうすると意外と誰も気がつかないんだな」ということだ。Twitterでも連続してニュースが流れてくるのだから、当然みんなわかっているだろうなと思っていたのだが、意外とだれも気がつかないらしい。処理するべき情報量が多すぎるのだろう。

実は前に日本郵政株が売り出された時にも「かんぽ生命の不正を知っていたのではないか」という疑いがでているようだ。これもすでに報道されている。知っていたのに無視して株を売り出しそのあと株が下がったとなれば「実質的な株の売り抜け」になる。これは報道されているのだからマスコミは知っていることになる。知っていて、みんなこれは大問題だなとわかっている。そして誰も何もしない。誰かがなんとかしてくれるだろうと考えているからだ。これは日本型の集団思考である。

もちろんマスコミはこのニュース全体を無視することもできるのだが、それでは「ジャーナリズムの責任を果たしていない」とか「マスコミも隠蔽に加担している」と批判されかねない。そこで「かわいそうな被害者」の映像を流して「問題を扱った」という実績だけを作ろうとしているのだろう。

ここで重要なのは金融庁が関与しているという点だろう。前にも「株価が下がるのを恐れて」問題を表に出さなかったが、それは日本郵政だけの問題だった。今回は金融庁も合わせて株価下落を隠蔽しようとしているのでは?と言われてもおかしくはない。そもそもかんぽ生命の調査発表が参議院選挙のあとになったということも合わせると「一体どこまで連座しているのだろうか?」という話になってしまう。

この件について政府がどこまで情報隠蔽に加担しているのかはわからないのだが、テレビ局は「自分たちだけが取り上げて政府から睨まれたら困る」と考えているのではないかと思う。そこで必死に吉本興業やれいわ新選組の問題を取り上げて別の問題を見ないようにしているではないだろうか?と思ってしまうのである。

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