「予算委員会が開かれていない」という記事を蓮舫議員が流していた。毎日新聞だけが伝えているようだが他は追随していない。今マスコミの関心事は消費税増税と解散総選挙だからである。
参議院では規則に則り予算委員会の1/3の委員の署名で委員長に委員会開会を求めました。委員長は「開かなければならない」とあるのに、すでに1ヶ月以上経過しても開きません。
— 蓮舫・立憲民主党(りっけん) (@renho_sha) May 19, 2019
自民党の審議拒否が続いています。
今日、予算委員会の野党理事懇を開き、対応を協議します。 https://t.co/v23O1uu75F
蓮舫さんの意見だけを聞くと、ルールは守ったほうがいいように思える。でもそのルールが何なのかがよくわからない。毎日新聞は冒頭だけしか読めないのでその先に何が書かれているかわからないし、蓮舫さんはそれ以上は説明するつもりはないらしい。そこで、まず議員規則とはなにかということを調べてみた。
どうやら、議員規則は法律ではないが法律に準じて運用されているらしい。つまり議会は自律的にやっていますから信頼して法律を守ってくださいねと言っているのだ。議会は自律しているからこそ国民から信頼されるのだが、すでに「与野党間のゲーム」になっている。毎回のように「数の横暴だ」いや「牛歩だ」などとやっている議会にもはや権威はない。国民は逆らうと面倒だから従っているだけである。
だから、蓮舫さんの発言がマスコミから注目されることはなかったし、それを応援する声も上がらなかった。
すでに議会の自律などという言葉を信じている人は誰もいないということは別のニュースからも確認できる。戦争発言の丸山氏、なぜ辞職させられないのかという別の記事を見つけた。議会は議員に辞職勧告できるのだが、それを無視して居座ることには法的な問題は何もないという。すでに「言論の自由だ」いや「戦争はいけない」というような膠着状態になっている。辞職勧告が単なるポーズに終わる公算が強い。これが前例になれば単なる「村八分宣言」に終わってしまうことになるだろう。
さらに解散についても別の記事があった。もともと総理大臣の議会解散権は本来の趣旨からは逸脱しており、かつては違憲という論争もあった。ところが、日経新聞によると与野党支持者ともに「解散総選挙をやればいいのでは」という声が多いらしい。自民党支持者は反対しかしない野党を議会から抹殺したいのだろうし、野党支持者もこの状況に耐えられないのかもしれない。解散風を煽っているテレビだが当のコメンテータたちが「この数字は理解できない」と首をひねっていた。
コメンテータがわからないのだから誰にもこの数字の真意はわからない。だが「選挙でもあってくれたら世の中がガラッと変わってくれるのでは?」という漠然とした期待があるのかもしれないとは思う。
さらに前回のように「消費税増税延期を言ってくれないかな」と思う人もいるだろう。解散=消費税増税延期となれば議会の審議がすべて無効になってしまうのだが、自民党としては勝てればいいのだろうし、有権者も過去の話し合いのプロセスにはさほどこだわりはないはずだ。
確かに記録を改竄したり特区を作ってお友達に利益誘導することは悪いことだが、予算の1/3は借金で賄っており税金ではない。「お金がない中でなんとかするしかない」とならないと国民は真剣にはならないのだろう。その中でなんとなく自分たちで決めたはずのルールすら守れない議会が世論に訴えようと大騒ぎしている状況だけが聞こえてくる。これでは有権者がうんざりするのも当たり前である。
こんな中、ワイドショーのもっぱらの関心事は小室圭さんのキャンパスライフである。もはやマスメディア側はすでにの子ニュースに飽きているようだが、手を替え品を替え番組を作っているところを見るとよほど人気のあるコンテンツなのだろう。国民の多くが勝手に皇室の親戚になったつもりで婿候補を品定めしている。
今まで「マスゴミ」が大衆を踊らせてきたと信じていた人も多かったのだろうが、実はマスコミは大衆が好み理解できるものを流してきたにすぎなかったということがわかる。そして話し合いができなくなった議会はそうした「民意」に訴えるべく日々虚しい奮闘を続けているのである。