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立憲民主党などの野党は野党はなぜ政権が取れないのか

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今日のお題は「なぜ立憲民主党を中心とした野党は政権を取れないのか」というものだ。

この記事を書くきっかけになったのは朝日新聞のある記事である。「次の国会では麻生財務大臣を攻撃する」というタイトルがついている。これを読んで心底うんざりしたのだが、なぜうんざりしたのかはわからなかった。「何か書かないと」と考えて、この線で途中まで書いたのだが、正直リリースしていいものかと思った。野党がバカでだらしないから以上のことは書けなかったからである。一晩置いてみて「別のアプローチができるな」と思った。ジャーナリズムなら結論は先に書いておくべきだと思うのだが、個人ブログなので考え方の通りにまどろっこしく進めてみたい。

この麻生財務大臣に対する個人攻撃は、政治のクロウト的には効果的なのではないかと思う。麻生財務大臣は安倍政権を支える派閥を抑えている。だからここを蹴り続けたらなんらかの効果がじわじわと出てくるかもしれない。

この個人攻撃というやり方は、普通の会社でもよく見られる。相談してもらえない人が「俺に話が通っていない」という代わりに「誰々が気に入らない」と言って会議で突然ごねだすのである。だが彼らがごねて困るのは、協力が得られないこと困るからである。つまり、これは社長にはなれないがある程度の利権を持っている人たちが「社長に勝手に何かをさせないため」に採用する手法なのである。この出世を諦めた取締役は最初から自分たちで何かをしようと言うつもりがない。

加えてマスコミも本気で政権が転覆してくれなどとは実は思ってはいない。柴山大臣が教育勅語発言をした前後の様子が載っているが、マスコミはヘッドラインが欲しいだけで、特に内容がどうとは考えていないという様子がかなりあからさまに書かれている。だが、彼らは中途半端に頭がいい上にそんなことばかりを考えているのだろう。だから、大臣を挑発して発言を引き出すなど朝飯前なのである。だから教育勅語の問題は、あの大臣がどうしてあのような素っ頓狂な発言に至ったのかを解析するに止めるべきで「戦前が復活する」と言って大騒ぎするのは時間の無駄である。

そう考えると、野党には政権をとるつもりがなく、マスコミも問題を解決する気持ちがないことがわかる。つまり、野党とマスコミを含めて「お芝居を続けること」で利権が確保できることになっている。その意味では慎重45とやっていることはあまり変わらないのである。

問題はなぜこんなことになってしまったのかという点である。

この話の深刻なところは、野党が決して「サボっているからアイディアが出せない」というわけではないという点だろう。日本を変えるためのアイディアは出して出せないわけではないとおもうのだが、官僚組織が実質的なシンクタンクになっていて野党にはアクセスがない上に、支持者の顔を見てしまうとできないことが多いのかもしれない。

と、最初の考察はここで行き詰った。

次に考えたのは「彼らが共産党と組みたがらないのはなぜか」という点だった。共産党について考えているうちに、例えば豊洲の問題や労働法改正の問題で「調査報道」をしているのは共産党だけだったなと思った。民主党系の政党は、官僚のような政策立案機構も持たないし、赤旗のような調査機関も持っていないからダメなんだと考えた。「だからあいつらはなあ」と考えたところでまた考えが止まった。

逆に共産党のダメなところは何なのだろうかと考えると、二つ思い浮かんだ。彼らはマルクス・レーニンという社会モデル(お話)を持っているので新しいモデルを作る力がない。さらに、赤旗を抱えているので外に広報する必要がなく広報力がない。だから共産党はある程度以上には絶対に伸びない。

このあたりで「ああ」となんとなく感じるものがあった。これまで政党とはイデオロギーで結びついているという思い込みがあったのだが、これも「お話」だったんだなと感じたからである。例えばかつての自民党には現業組織から上がってくる利権を調整する力があった。これをアメリカが作ったモデルに当てはめて再配分するのが自民党の力である。その意味では自民党は日本マクドナルドに似ている。アメリカで作ったモデルを実際に運営するのが日本マクドナルドである。政策は官僚が作るので自民党には企画立案能力も育たなかった。つまり、自民党は現地のフランチャイズ経営に特化した「会社」なのである。

経営学の勉強をしたことがある人はこの辺りでイライラし始めているのではないかと思うのだが、しばらくこの「なんとか力」が何にあたるのかがわからなかった。答えを言ってしまうと、政党にはそれぞれ歴史的に積み上げた「ケイパビリティ」に違いがあるのだということになる。ここまででいろいろなケイパビリティが出てきた。そして思っていた以上にみなバラバラなスキルを持っているということもわかる。

  • モデルを作る力:アメリカ
  • 利害調整と分配:自民党
  • 実際の政策づくり:官僚組織
  • 動員:公明党
  • 広報力:旧民主党系
  • 調査力:共産党

次にわかるのは、ケイパビリティがないことをやろうとすると会社は失敗するということだ。

民主党はテレビ政党なので国民の不満を感じ取ってそれを形にするのが上手だった。彼らが「下手を打った」のは実際に政権を担当してしまったからである。蓮舫さんはご自身では「ジャーナリスト出身」と考えていらっしゃるのかもしれないが、実際にやっていることは持続性のない「アジテータ」である。アジというと悪い印象を持つ人もいるかもしれないが、ロックコンサートでは蓮舫さん流の煽りがないと盛り上がらない。その意味ではマスタードのような存在だと言える。つまり、注意力が散漫になりがちなテレビでは扇動も必要なスキルセットだったのだろう。また、自民党はこれまでコンセプトづくりをしたことがないのに憲法というコンセプトづくりに着手してしまったので今後混乱することになるだろうと分析できる。

その意味では、イデオロギーは単なる商品(あるいはもっと下で商品コンセプトかもしれない)にすぎないので、不得意分野を分析した上でお互いに協力し合えばよいということになるだろう。胃底期間「協業」したら、そのあとはまた別れても構わないと思う。

そもそもモデルを作る力はどこにもなさそうなので、これは意識的に勉強して補う必要があるのだが、立憲民主党の場合「北欧などをモデルにした共助型の民主主義」あたりを参考にすれば良いのではないかと思う。作れもしないのに下手に「日本流に」などと言い出すとややこしいことになるのだろうし、山尾志桜里のように党内闘争含みで「立憲民主党も憲法草案づくりに参加すべきだ」などとややこしいことをいう人は出て行ってもらったほうが良いと思う。「どうせお前らにはできないだろう」と言っているわけではない。モデル作りができるようになるためにはいくつかの小さいモデルで練習してからのほうが良いのではないかと思う。

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