トルコのような通貨下落とインフレは日本でも起こり得るのか?

トルコで通貨安が起きており、経済が混乱してる。日本でも同じことが起こり得るのか?という視点で情報を整理してみたい。結論だけ先に書いておくと日本ではここまでの混乱は起こりそうにない。だが将来も起こらないという保証はない。教訓になるのは誰もマーケットには勝てないいうことである。トルコのエルドアン大統領はこれを「根性」で乗り切ろうとしている。

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アメリカ人は卵かけご飯を食べない – 生卵をめぐる日本とアメリカの違い

日本で暮らしていると当たり前のことが外国では当たり前でないことがある。生卵をご飯にかけて食べる人がいるがアメリカでは危険な行為だと考えられている。今回は生卵について考える。

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「早く逃げた人からおトク」を感じさせるみずほ銀行の障害騒ぎ

みずほ銀行がシステム障害を起こしたという。月末の日曜日のお昼に障害が出て翌日月曜日朝の復旧を目指して作業をしているそうだ。ネットニュースで見た限りだと「お取り扱いができない」としてキャッシュカードが吸い込まれたままになり電話も通じないという。このニュースを見て「みずほ銀行を使わなくなって正解だった」と思った。

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GoToトラベルが旅行業界を壊滅させる仕組みを行動経済学から考える

先日来、携帯電話からトランプ大統領まで「情報が氾濫すると人は選択に疲れる」という話を書いている。これについて何かフレームワークになるようなものがないかと探してみたところ「行動経済学」というジャンルを見つけた。早速、図書館から本を取り寄せて読んでみた。

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なぜ地方の観光産業は煩悶するのか

本日は何故地方の観光産業は煩悶するのかというテーマでお送りする。煩悶というのは悶えて苦しむという意味である。その地域に独特の魅力があり「お金を払ってでも見に行きたいという人がいるのだから精一杯もてなしてあげよう」という誇りが観光業を支えている。つまりそれは単なる産業ではなく生業である。だが、その誇りが揺れている。だから煩悶するのだ。

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問題を複雑に考えたがる人たちとベーシックインカム

新型コロナでアメリカの新規失業者数が4,200万人になったそうである。その一方でアメリカの富裕者の元に62兆円がなだれ込んでいるそうだ。これをみて資本主義は終わったなあと思った。「終わった理由」は極めてシンプルなのだが、これがそのままでは受け入れてもらえない。イデオロギーが入りこみ人々は話を複雑にしてしまうのである。

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マスクはなぜ値崩れを起こしたのか

本日はマスクはなぜ値崩れを起こしたのかということを考える。これが重要だと思うのは日本ではなぜハイパーインフレが起きないのかということを考えるきっかけになると思うからである。背景には二つの事情がある。裁定取引だけを狙う中間業社と消費者の防衛意識だ。おそらく二つがあってはじめてこの現象が起こるのだろう。

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資本主義社会というカジノでデモは伝染する

香港でデモが暴徒化してからしばらく経った。このデモはいいデモなのか単なる暴徒なのか、中国の影響があるのでは、いや資本主義社会が先導しているのではないかと、様々な議論が生まれた。だがその憶測は急速に無意味化しつつある。デモや暴動が広がり続けているからである。




香港の手法の一部はカタルーニャ地方に飛び火した。独立派の禁固刑に反対した人たちが道路を封鎖して火炎瓶を投げたりしている。空港に行く道や観光名所が封鎖されたとも伝えられている。香港のデモを快く思わない人たちは「香港がデモを輸出した」と揶揄した。つまりインフラを封鎖して外国に影響を知らしめようとした手段が似ているというのである。お気に入りの観光地を失うまで世界は振り向いてくれない。暴動の担い手たちにはそんな気持ちがあるのかもしれない。カタルーニャの民族主義者たちに司法の光は差さないからだ。

香港のデモに対する感情はうっすらと日本の政治事情を反映している。自民党支持者たちは中華人民共和国を嫌っているので香港のデモを応援したりしていた。普段は野党のデモをバカにしているのだからこれは奇妙なことである。自分が守りたい立場がありそのために意見が変わってゆくのである。

ところが、カタルーニャに飛び火するとこれがわからなくなる。香港のデモを応援するならカタルーニャのデモも支持しなければならないが中国という敵はいない。これが政治的な主張に支えられているならそこで煩悶する人がでてきてもよさそうだが、そうはならない。所詮はバラエティ番組を見るようなノリでしかないのだろう。彼らは沈黙してしまった。

ところが今度はまた別の展開があった。

チリの首都サンチアゴで非常事態宣言が出された。地下鉄の運賃値上げに反対したのだという。1月に3円値上げした後今回は5円上がったそうだ。「消費税が上がっても文句を言わない日本人」から見ると「たったこれだけ?」と思うのだがこれが暴徒化した。チリはもともと安定した政治状況で知られるだけに驚きも大きい。さらに経済が極端に悪いというわけでもない。太平洋向けの貿易を頑張ってきた国だからである。OECDの中では先進国に分類される。

面白いことにTwitterでは暴徒を応援するつぶやきが見られた。高校生が運賃ゲートをこじ開けて中に入ったらしい。これが好ましいという人が出てきたのだ。心情的には香港のデモに学生が参加しているのを見て応援を始め、それがサンチアゴの高校生への心情と接続しているのであろう。若い人たちが社会改革をしようとしているということなのだが、やっていることは犯罪である。ここまでくるともう何が正しいのか何が間違っているのかがわからなくなるが、日本にもこうしたラディカルな社会改革にためらいなくシンパシーを表明する人が出始めているというのは確かである。つまりこれまで既存政党のデモの担い手たちの一部が「これは生ぬるいのでは?」と感じ始めている。参議院選挙の時にれいわ新選組を応援していたような人たちも混じっているのかもしれない。

そこに重ねてレバノンのデモの動きが入ってきた。こちらもタイヤを幹線道路で燃やしたりして街を麻痺状態にしようとしたようである。数千人が参加しており負傷者も出ているという。デモ参加者はアラブの春のスローガンなどを叫んでいるとAFPは伝えている。

どうやら、香港の「交通インフラに影響を与える」という手法がSNSなどにのって拡散しているのは間違いがないらしい。原因は表向きはバラバラである。香港は中国本土の政治的影響を懸念しているようだしカタルーニャは独立したがっている。チリとレバノンでは経済的な不安がデモを過激化させているようだが民族問題は関係がなさそうだ。しかしそこには未来への漠然とした不安という共通の問題意識がある。こうしたバラバラの動きがSNSによって結びつけられているという意味では実は日本も例外ではない。

1989年以降共産主義が倒れた時には独裁者という明確な敵がおり政治が民主化することがソリューションだった。ところが30年後の我々の目の前には明確な敵がいない。だから暴動には終わりがない。

考えてみれば資本主義はカジノのようなところである。資本主義社会に生きるということはこのカジノに賭け続けるということである。だが、その勝負は賭ける前からついている。お金のない人や後から勝負に参加する人(つまり若い人たち)ほど巻き上げられる可能性が高まる。

政府は彼らに賭け金を提供し続けなければならないのが、提供すればするほどお金持ちの取り分が増え政府には借金が残る。欧米ではこれが持続可能な領域を超えつつある。日本は破綻を先延ばしにしているが共通の仕組みに乗っているのだからやがては同じような未来が待っている。

共産主義崩壊の30年後である2019年に始まった形のない崩壊は今後しばらくは続くだろう。基本的に資本主義カジノ問題を解決する策はないからである。もうこうなってしまうと「良いデモ・悪いデモ」というような区別は意味を失ってしまう。

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人民元が安いのか、ドルが高いのか?

お盆休みに入った。テレビからも政治関連ニュースが消え、政治ネタのブログなどを見る人が減る時期である。今回はよくわからない為替関連の基礎知識の整理をしたい。よ結論も洞察もない。単に混乱した情報を整理しているだけである。




トランプ大統領がFRBを恫喝したとして話題になっている。「ドルが高いのはFRBのせいだ」というのだ。別の場面では人民元が為替操作で安くなっていると言っていた。一体どちらが正しいのか。

先日、アメリカは中国を為替操作国に指定した。中国は為替を不当に操作しているというのである。だが、実際には中国はアメリカの言いがかりとは逆のことをやっている。つまり、人民元の価格を高めに設定している可能性が高いのだという。そうしないと人民元で投資している資産をドルに変えて資産流出が起きる懸念があるそうだ。実際に今回も人民元を下げた結果資金流出が起きているという。

概念上の観測と実際に起きたことが合致しているので何か起きているのだろう。ただ中国人が資金を逃しているのか、あるいは海外投資家が新興国から資金を引き上げているのかはわからない。そもそもそれを問題にする人はあまりいないようだ。

IMFは元の価値は適正だがドルは6-12%過大評価されているとしている。この状態でトランプ大統領がIMFに裁定を求めてもIMFは中国に是正勧告しないだろうというのだ。するとトランプ大統領の中国への圧力は単なる言いがかりということになる。単なる言いがかりで株価が下がったり経済が急速に悪化するわけだから、世界経済というのは恐ろしい。

実はアメリカは追い込まれている。他国を名指しして通貨安競争をやっていると言ってしまったために自分たちが為替介入ができない。実際にはドルが高いのだからなんらかの措置を取らなければならないのだが、それができないのだ。

さらにコラムトランプ氏の「ドル安誘導術」、それぞれに相応の代償には面白いことが書かれている。ドルは基軸通貨として世界中にばらまかれているため中央銀行が介入しても動かすのが難しいのだという。トランプ大統領はアメリカの投資環境を悪化させて(すなわち経営者をいじめて)ドルの価値を毀損することはできるが代償があると書かれている。

そうなるとトランプ大統領は誰かを指差して声高に叫ぶしかなくなる。「誰かなんとかしろ」というわけだ。

FRBは春先には金利を下げる必要はないと主張していた。にもかかわらず金利を下げたのはトランプ大統領の批判をかわす政治的な意味合いがあるのだという。効果がない政策でありながらも「やらざるをえない」というところにFRBの苦悩が見て取れる。

金融緩和策はその場しのぎであり早い時期に出口を見つけなければならない。そこでFRBは「金利を維持しますよ」というメッセージを発信してきたのだろう。ロイターによると、アメリカは2008年の出口を見つけようとしていたようだ。

FRBが前回利下げしたのは、金融危機が深刻化した2008年だった。それから7年間、政策金利はゼロ近辺で推移した後、イエレン前議長が15年終盤に利上げを開始。昨年12月に25bp幅で最後の利上げが実施されてからは、政策金利は2.25─2.5%に維持されていた。

ラム:市場も大統領も喜ばせないFRBの10年半ぶり利下げ

多分2008年の金融思市場混乱回復のコストは誰かが支払っているはずだ。これを調べればなぜFRBがここから抜け出したがっているのかがわかるのかもしれない。

だが、その動きに世界は追随せず物価が上がってくれない。さらにトランプ大統領が「FRBを名指しで攻撃し」はじめ、さらに中国経済を悪化させる動きに転じた。こうなるとアメリカだけが利下げをしないというわけには行かなくなる。

2019年6月頃の記事では「FRBも利下げやむなし」という議論になっている。そして、実際に「予防的」と称してちょっとだけ利下げをしてみたのだろう。ロイターの記事によると「予防的に利下げしてみてもいいことがなかった」ことがわかればトランプ大統領の攻撃も無効化できるということだ。もっともトランプ大統領は「やり方が生ぬるいからだ」と攻撃するだけなのではないかと思う。

トランプ大統領が暴れれば暴れる程世界経済は減速する。その先に何が待っているのかは誰にもわからない。

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