UBSがクレディ・スイスを救済したとして話題になっている。「スイス発の金融危機は防がれた」というわけである。では、これが本当に救済だったのかということになる。結果的に三つのことが起きた。まずスイス発の金融危機は防がれた。ただしスイスの威信は損なわれた。そして最後にスイスに大きくて潰せないモンスター金融機関ができた。今後スイスはこのモンスターを「飼う」ことになる。
“モンスターの誕生 UBSがクレディ・スイスを救済” の続きを読むメディアの「クレディ・スイスはどうしてこうなった」はまとめのまとめが必要な状況
クレディ・スイスが経営破綻するのではないか? 金融市場は落ち着きのない状況が続いている。中央銀行が日本円にして7兆円の補償をすることにしたが「これでは足りないだろう」と言われているようだ。ヨーロッパ中央銀行は0.5%ポイントの大幅な利上げを先ほど発表し「インフレ対策を優先させる」とのメッセージを明確にした。つまり今回の件とインフレ対策を分けて考えているようだ。それぞれの判断が正しいことなのかが知りたいのだが、そもそもなぜクレディ・スイスが経営不振に陥ったのか。その理由がどこにもない。すでに知られている話なので経済紙を読む人は知っているだろうという前提のようだ。改めて読んでみたいと思った。
※当初「クレディ・スイス」を「クレディ・スミス」と、ミスタイプしてしまいました。記事とタイトルはすでに訂正させていただいています。
“メディアの「クレディ・スイスはどうしてこうなった」はまとめのまとめが必要な状況” の続きを読む今度はクレディ・スイス騒動 「感染性金融破綻不安症」がヨーロッパに飛び火しニューヨーク株が大きく下落
アメリカ財務省など金融当局の初期対応が効果を示しアメリカの金融不安はおさまったかに見えた。ところが一拍おいて今度はヨーロッパに飛び火している。今度はクレディ・スイスに経営問題が浮上した。ニューヨークの株価は一時600ドルを超える値下がりとなった。
関連報道を短くまとめて分析を加えてみた。
“今度はクレディ・スイス騒動 「感染性金融破綻不安症」がヨーロッパに飛び火しニューヨーク株が大きく下落” の続きを読む2月CPIの評価はまちまち これまでの金融市場の読みはいったん白紙に
シリコンバレーバンクの破綻をきっかけに市場が動揺している。これまでのように急激には金利は上げられないだろうとする意見がある一方でインフレ対策を先行させるべきだという意見もある。仮にインフレが収まったという兆候があればFRBは金利の引き上げを緩やかにすると見られていた。結局アメリカの2月のCPIも評価が別れる内容になっており不透明性がますます増した形になっている。例えばロイターとBloombergで書き方が異なっている。
“2月CPIの評価はまちまち これまでの金融市場の読みはいったん白紙に” の続きを読むシグネチャーバンクの破綻は新たな金融危機を引き起こすのか
シリコンバレーバンク破綻の驚きが冷めやらぬ中、関係者を驚かせる新たなニュースがあった。共同プレスリリースで「シグネチャーバンクが破綻した」と伝えられたのだ。中には「新しい金融危機が起きる」などと不吉な予想をする人もいたが、結論だけをいうと今のところ「新しい金融危機」はかろうじて食い止められている。キーワードはシステミックリスクと感染性だ。
“シグネチャーバンクの破綻は新たな金融危機を引き起こすのか” の続きを読む今週はシリコンバレーバンク破綻の後処理とアメリカのCPIに注目
先週末はFRBのポジションに対しする評価が二転三転し円相場が大きく動いた。現地時間金曜日にはシリコンバレーバンクが破綻し激震が走っている。明けて月曜日には処理の内容が発表される。さらに14日にはアメリカのCPIが発表されるという忙しい一週間になりそうだ。
“今週はシリコンバレーバンク破綻の後処理とアメリカのCPIに注目” の続きを読むシリコンバレーバンクの破綻と今後の影響について 金融メディアを簡単にサマリー
シリコンバレーバンクが破綻した。リーマンショックの時のようなシステムの失敗ではなく単独銀行の失敗と見做されている。つまりシステミックリスクはないものと考えられている。だがそれなりに大きな銀行の破綻であることには間違いがなくパニックが広がるかもしれないと恐れている人もいるようだ。今わかっていることとわからないことをまとめた。
- シリコンバレー銀行破綻、金融危機以来最大 加州当局が閉鎖命令(ロイター)
- 米シリコンバレーバンク、資金調達できず経営破綻 米金融機関で史上2番目(CNN)
- SVBが破綻、米当局の管理下に-過去10年余りで最大の米銀破綻(Blooberg)
まとめると、波及効果は小さいものと思われるが心理的なインパクトはかなり大きかったということになる。「いつかこうなるのではないか」という恐れが具現化した結果なのだ。
“シリコンバレーバンクの破綻と今後の影響について 金融メディアを簡単にサマリー” の続きを読む円が137円近辺から134円に急変動、アメリカの雇用統計を受け
円の価格がドルに対して急変動を続けている。背景にあるのは日銀の政策維持とアメリカの経済指標だ。ただここでドル円相場が落ち着いたわけではない。次の指標は消費動向になる。すでに状況が分かっている人には既知のニュースが多いのだが、改めておさらいしてみよう。今後とも注意が必要な相場になっている。
“円が137円近辺から134円に急変動、アメリカの雇用統計を受け” の続きを読むアメリカFRBのタカ派政策は2024年いっぱい続くのではないか
アメリカの高金利政策は2024年を通じて継続する必要があるのではないかという記事をロイターで見つけた。「2023年の間違いでは?」と思ったのだが、やはり2024年と書いてある。
“アメリカFRBのタカ派政策は2024年いっぱい続くのではないか” の続きを読む植田日銀総裁の仕事はジェンガの続行かパンチボールの片づけか?
植田日銀総裁候補の国会での面談はまずは合格点だったようだ。日本のマスコミはどこも植田さんは思ったよりもちゃんとした人であるという論調の記事を書いている。ただ、外国の識者の視線は極めて冷たい。今回はまず日本の媒体の評価をまとめた上で、Forbesの記事を紹介する「植田氏の仕事はジェンガかパンチボールの片づけ」と書いている。誰がこんな記事を書くのだろうと思って筆者名を見たら外国人だった。英語の翻訳記事なのだ。ジェンガは崩れないように木片を引き抜くゲーム。つまりこれは日本経済が崩壊する危険性を孕んでいるという意味合いになる。またパンチボールには日本経済は宴会状態だったという含みがある。
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