外為市場でドルが軟調なのにさらなる円安が予想されるわけ

このところ「ドル高円安がさらに進み1ドル150円になるかもしれない」などと囁かれていた。ところが少し風向きが変わってきた。FRBの急激なタカ派シフトのために急速に世界経済が冷え込み「世界経済リセッション」の可能性が出てきたためだ。アメリカの消費者の経済見通しも悪化している。米CB消費者信頼感という指標があり先月から4.5ポイント下回り100を割り込んだ。こうなると急激な利上げが難しくなるしその必要もなくなるだろう。

では円安危機は去ったのか?ということになる。答えは「どうやら円安危機は去っていない」である。順番に記事を読んで行く。

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ロシアがようやくデフォルト? いやまだまだデフォルトしていない?

NHKを見ていたら「ロシアがデフォルトした」というようなニュースをやっていた。正確には「デフォルトした」ような印象を勝手に持った。アメリカはG7に合わせて「ロシアはデフォルトした」から経済制裁の成果が出ていると主張している。ああやっぱりデフォルトしたんだなと思った。これをQuoraで書いたところBloombergの記事を持ち出して質問してきた人がいた。そこで改めて調べて見たのだがNHKの記事のタイトルは正確には「ロシアの外貨建て国債 “デフォルト”が起きた認識広がるか」というものだった。未曾有の事態が起きていて正確にデフォルトが定義できなくなっているのだ。

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ルビコン川を渡りつつある日本銀行とその先にある増税議論の行方

Bloombergが日本銀行は「ルビコン川を渡りつつある」という記事を書いている。株式に投資している人は「もう知っているよ」という話ではあると思うのだが、そうでない人は全く気がつかないニュースだろう。これまでの政府・日銀破綻論と違って派手なインパクトはないのだが、日銀が金融政策を変更せざるを得ない時期は意外とすぐそこまできているのかもしれない。国債がこれまでのように発行できなくなると考えると次に出てくるのは政府サービスの縮小か増税議論だろう。つまり現在参議院選挙の各党のキャンペーンにはあまり意味がないかもしれない。「その後」について語っている政党はどこもないからである。

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日本の物価高はいつから始まっていたのか?

今日のテーマは日本の物価高はいつから始まっていたのかというものだ。そんなのは岸田政権になってからなので考察する必要などないと考えている人もいるのではないかと思う。立憲民主党などの野党が提唱する「岸田インフレ批判」もその典型だろう。

だが実はインフレはすでに始まっていたのではないかと思う。

これがあまり意識されてこなかった理由は統計に表れない値上げだからだ。その一例が「ステルス値上げ」だ。

ある研究によるとステルス値上げが最初に多く見つかるのは2008年ごろなのだそうだ。黒田総裁が就任してから徐々に増え始めて最近では落ち着きを取り戻してきた。いよいよステルスではカバーできなくなってきていたのだ。これが2019年ごろの状態だ。

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岸田総理の「新しい資本主義」と骨太のグランドデザイン(案)はなぜこんなに不評なのか?

岸田政権が発足してしばらく経った。政権そのものの支持率はそれほど悪くないものの「新しい資本主義」の評判は良くない。一体何が不満なのだろうと考えて記事を探して読んでみることにした。探してみて驚いた。誰もが不満を表明しており褒めている声が全く聞かれない。さらに驚いたのはその不満の内容が人によってバラバラなところである。

ただよくよく調べて見ると対立点は明確だ。それは「成長か分配か」という点にある。論点は意外と簡単なので識者の声はまとまりそうだがなぜかまとまらない。さらに国民の関心も高くない。そもそも実体がなく期待していないという人が多いのではないだろうか。

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「奇跡の都市」だった深圳の凋落は中国経済の暗い未来を暗示しているのか?

ロイターが深圳の凋落について書いている。この文章を読むと中国の経済に暗雲が立ち込めておりいよいよ衰退が始まったのではないかと思える。最近ではシリコンバレーにその地位を奪われているというのである。ロイターが指摘する原因は二つある。バイデン政権は政権発足後2年間対中国政策を推進しておりその成果が出て来た。つまり経済制裁の効果が出ているようだ。さらに、共産党のかなり強引なゼロコロナ政策も追い風になっている。

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「なぜ日本人の賃金が上がらないのか」を日米トラックドライバーの例から考察する

「なぜ日本人の賃金が上がらないのか」という議論が延々と続いている。政府がなんとかすべきだとする人がほとんどだがめぼしい成果は得られそうにない。そこで実際に賃金が上がっている業界を探して調べて見ることにした。「こうすれば賃金が爆発的に上がる」というヒンが得られるからだ。そこで見つけたのがアメリカのトラックドライバーの賃金だ。中には数年で二倍近くに跳ね上がったというケースもあるそうだ。日本でも「何かが劇的に変わらなければ賃金上昇は起こらない」ということがよくわかる。ただこの状況を全て真似したいかと問われるとそうは思わない。実は問題も起きている。

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ソロスする? 中央銀行に挑戦する人々とその対抗策

FOMCは週明けからの予想通り0.75ポイントの金利上昇ということになった。FRBはあくまでもインフレ対策を優先する構えであり強いメッセージを発信した格好だ。日本ではこれを受けて1ドル140円を指摘する声も出始めている。だがドル円市場が直線的に円安に動くことはなかった。臨時の欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されることが決まりドルの独歩高がなくなりそうだという観測が出ているからである。ヨーロッパではもう一つ重要な動きがある。投機的な国債売買を防ぐための「新ツール」の開発である。この発表により市場から挑戦を受けていたイタリアの国債の利率は落ち着きを取り戻したそうだ。ブルーベイが日銀にたいして「ソロスのような」戦いを挑む一方でヨーロッパECBは入念に対策を取ろうとしている。

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経済紙記事などのまとめ:アメリカの金融市場は悲観一色

14,15日とFOMCの会合が開かれている。焦点は物価高対応のために0.75ポイントの利上げに踏み切るかどうかだ。アメリカの金融市場は悲観一色だが日本にも動揺が広がっている。ついにNHKの7時のニュースやワイドショーまで円安の影響を伝えるようになった。すでに「知っている」という人も多いと思うのだが、あまりこの問題に詳しくないという人にとっては突然降って湧いた話のように感じるだろう。短い時間で「今何が起きているか」がわかるようにできないかと工夫してみた。各論を全部把握しようとするとかなり時間がかかる。興味のある記事だけを拾うと良いのではないかと思う。

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金利の「黒田防衛線」突破と財務省の新しい評価会議

昨日の午後のTwitterは円安と株価下落で大いに荒れていた。FOMCを前にした慌ただしい動きだ。日経新聞は「日本売り」という記事を出しそれを引き合いにTwitterで騒いでいる議員もいた。その裏であまり注目されなかったニュースがある。それが金利の0.255%ラインの突破である。合理的な動きではなく関係者はその意図を測りかねているようだ。しばらくすれば解説記事が出るのではないかと期待していたのだが今のところ何が起きているのかは不明だ。そんな中、財務省が「日銀依存を改めるため新しい有識者会議を立ち上げた」というニュースが出ていた。いよいよ氷山が動き出したようである。

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