「アメリカドルに手を出すのは、今はちょっとやめておけ」と言う話

連日、日本円で運用しても利子はつかないので「ドルで運用した方がオトク」と言う話を書いている。だが「今、ドルを買うべきだ」と言う話は一切していない。単に研究しろと言っているだけだ。

なんかずるいーなあと思うかもしれないのだが理由がある。来月の動向がどうなるかがよくわからないのだ。さらに、150円は既に「オーバーシュート」の領域に入っていると言われている。

年末にかけて155円程度まで円安が亢進する可能性もある。情報を順序立てて組み立てればそれなりの方針が立てられるが既に情報酔いしている人は手を出さない方がいいかもしれないと思う。ギャンブル好きの人には活躍のチャンスだが、単に「あ、値上がりしている」で買ってしまうと後で損をする可能性も高い。

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来月はアメリカ経済統計の発表停止に注意 政府閉鎖の影響で

ロイターで大きく報道されているので知っている人は既に知っていると思う。アメリカの政府が閉鎖されると経済統計の発表が止まる。アメリカの株や債権に投資をしている人や為替動向に興味・関心のある人は、アメリカの議会動向を注意しておいたほうがいいかもしれない。

米政府当局者は25日、米議会が期限までにつなぎ予算案を可決できず政府機関が一部閉鎖されれば、雇用統計や消費者物価指数(CPI)など、主要経済指標の公表が無期限で停止されることになると発表した。

米政府閉鎖なら雇用統計など主要指標の発表が停止=当局者(Reuters)

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ついに一時149円 円安定着で、ついに一部の大手都市銀行も米ドル定期預金利率を5%台に引き上げ

また円安が進んだ。植田総裁と経済界の対話と不安定なアメリカの政局が重なったのが要因だ。これ以上は極端な円安は進まないものと思われるが基礎的な要因が解消されない限り円安基調は定着しそうだ。そんななかある大手都市銀行の外貨預金の金利引き上げが密かに話題になっている。難しい金融商品を探さなくても最低限5%の金利が付与されるという。塩漬けの円預金を原資にしたアベノミクス時代の終わりを告げる象徴的な出来事といえるだろう。

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「円の実力が53年ぶりの低水準」と聞いて、損をする人、得をする人、そしておいてゆかれる人

「円の実力が53年ぶりの低水準」というニュースが話題になっている。このニュースを見て「日本を貶める報道だ」と気まずく感じた人も多いだろう。だがそれでもやはり現実を受け入れ今持っている財産や資産の保全を図るべきだと感じる。

どう状況を整理するのが良いのだろうと考えて色々と書き直したのだが「大きな枠を提示しないで細かい経済ニュースを紹介しすぎていた」と反省した。おそらく情報酔いしている人も多いのではないかと思う。感情的に否定する人や情報酔いしてしまった人はおそらく今回の変化で最も損をする可能性が高い。だが実際の状況はかなり複雑である。

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1バレルあたり100ドルも視野に 原油価格が再び上昇の危機

石油大手シェブロンのCEOがBloombergのインタビューで「原油の価格が100ドルに近づいている」と表明した。ガソリンスタンドを経営する会社のCEOの発言なので、ガソリン価格の高騰を正当化する狙いがあるのだろうと思うのだが、アメリカの経済はこの原油価格の高騰についてゆくことができるのだそうだ。

ただしついて行けるのはアメリカだけである。ヨーロッパと日本は追随できず犠牲になる可能性が高い。さらにガソリン価格が高騰すればインフレが再加速しアメリカの高金利政策が持続する可能性があるほか値上がりに引き寄せられた投機資金が原油に流れ込む「バブル」の可能性もありそうだ。

ガソリン価格や燃料を公費で補っている日本政府にとっては財政悪化にしかならないのだが、石油掘削コストが高いアメリカ合衆国にとってはメリットもある。アメリカは石油価格の上昇によって恩恵を受ける産油国なのだ。

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結局アメリカの自動車株は今「売り」なのか「買い」なのか 二極化とイノベーションが同時進行し入り混じる期待と不安

前回、前々回とアメリカの状況について書いた。これはおそらくバブルなのだろうがバブルが弾けるまでは「祭り」に参加し続ける人は増えるだろうという内容だった。この中で「家計資産は好調なので車も売れているのだろう」と書いたのだが「これは間違いではないか」という指摘がQuoraで入った。Quoraではこのように時々読んでいる人からの指摘が入り考察と修正が加わることがある。この方向性がブログとSNSであるQuoraの違いだ。

そこで自動車産業について周辺記事を読んでみた。不調と好調が入り混じっており、そこにEVシフトというイノベーション要素や、半導体不足やストという供給制約条件も加わっており極めて複雑な事態が進行している。

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ぶっ壊れたまま突き進むアメリカ経済と出口を模索する日本経済の行く末についてあれこれと考える

このところ経済専門メディアの報道を見てもよくわからないと感じることが多くなった。これまでの経済の常識が通じなくなっていると感じる。Reutersなどの記事を読んでゆくと。アメリカの経済が一種の狂乱状態に入っているようだ。つまり経済としては「ぶっ壊れている」ことになる。ただ、このぶっ壊れた状態はしばらく続きそうだ。つまり誰もが「狂乱」だとわかっているのにそのまま踊り続けているということになる。「その先」を考えた投資をしている人もいるが、大半は明日の利益を求めて奔走することになる。

このエントリーに結論はない。単に「この先どうなるのだろうか」ということを考えているだけだ。

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アメリカの8月CPIは「どっちつかずでちょっと気持ちが悪い」内容に

アメリカで8月のCPIが発表され分析記事が一通り出揃った。FOMCの追加利上げの有無を占う判断材料として注目されていた。9月の追加利上げはほぼないだろうということになったが「もう利上げはやめて良い」と言い切れるほどのものでもなかった。Bloombergは「後味の悪さを残す」と表現している。平たく言えば「ちょっと気持ちがわるいよね」ということになる。日本の金融政策もどっちに転ぶのかよくわからない状況になっており、先行き不透明感を漂わせつつしばらくは現状維持という状態が続くようだ。

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年率5%のアメリカ短期証券が投資家の間で大人気 この状態が続けば円安が定着するのではないか

このエントリーは「個人的な勉強用」にBloombergなどの記事をまとめたものだ。したがって投資に詳しい人が読んでも「基本的なことしか書いていない」とがっかりするに違いない。アメリカのTBのレートが5%になり世界中の投資家たちの人気を集めているという内容なのだが、そもそもTBって何?ということからわからない。だが記事を読む限り「円安傾向を転換するのはかなり難しいのだろうな」という気がする。エントリー(記事)のタイトルが難しいところだが「定着するのではないか」とした。中には晩秋に予定されている利上げでもう5%ほどドルが上がると言っている人もいる。仮にこの予測を採用すると「更なる円安」ということになる。

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日銀植田総裁の読売新聞インタビューに市場は動揺 ドル円は一時145円台にタッチ

土曜日に掲載された読売新聞の植田日銀総裁のインタビューをきっかけに為替レートが大きく動いた。不動産株が下落し銀行株が値上がりしたそうだ。植田総裁はおそらく時間を与えるためにタイミングを計算したものと思われるが「市場」の反応はいかにもせっかちなものだった。ロイターは「市場は動揺した」と書いている。今後も日銀の動きに一喜一憂する状態が続くのだろう。

このエントリーはまず昨日一日の動きをまとめ最後に読売新聞とロイターの総括をご紹介する。政治的に配慮された記事も出回る上に日銀の中でも次の動きについては異なる意見がある。このため投資家は「どちらに転んでも対処できるように」心の準備だけを進めておくべきだということになる。

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