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アメリカで民主主義が破壊されたと快哉を叫ぶ人たち

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アメリカでは大統領選挙の開票が続いている。いつもと違っているのは新型コロナの影響で郵便投票が増えているという点である。民主党の方が新型コロナ対策には熱心なため郵便投票が増えているといわれているそうだ。開票に時間がかかる州が多いため「最初はトランプ大統領が強いが徐々にバイデン有利になってゆくだろう」と言われていた。これをレッドミラージュ・ブルーシフトと呼ぶ。赤い幻想がどんどん青くなってゆくという意味である。ついでに言えばトランプ大統領が大統領として「選挙は無効だ」と会見することも想定されていたようで、アメリカでは会見をいったん中断して補足説明をするテレビ局が続出したそうである。アメリカではここまでも想定されていたのだった。

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面白い現象がある。なぜか日本にトランプ大統領を支持する人たちが多いのだ。選挙権もなくアメリカの事情もよくわからない人たちが大勢「アメリカの民主主義は終わった」とか「選挙をやり直せ」などと言っている。要するに民主主義を破壊したいのである。これが安倍政権の支持者に重なっているのも興味深いところである。

このことから安倍政権が日本の政治を破壊したがっている人たちによって支持されて来たということがわかる。もともとネトウヨと呼ばれていた彼らは安倍政権というよりも民主主義のまともな話し合いが破壊されることを喜んでいたのだろう。

知的に無視されてきた彼らはこの問題を持ち出せば教師や憲法学者と対等に語り合っている気分に浸れた。そればかりではなく「勝っている」という感覚さえ味わえた。なぜならば総理大臣は誰よりもえらいからである。

ネトウヨを説得するのは時間の無駄である。これまで頭が上がらなかった人たちが怒るところが見たいだけなのだから。

同じようなことは日本学術会議の問題にも見て取れる。菅政権は論理的にはすでに負けている。出身地や男女の割合をみて候補者を調整したと言っているのだが具体的に女性も落とされているということを指摘されると「個別のことには答えられないが総合的俯瞰的に判断した」と言っている。言っていることが無茶苦茶だ。

この件に関しても、立憲民主党がイラつきこれを支援する教授たちがイラつくのが面白いという人たちがいるに違いない。つまり、菅総理が無茶苦茶なことを言えばいうほど嬉しいという人がいるのである。

学級破壊に似ている。暴れているのはごく少数なのだが内心それを喜んでいる人が大勢いることになる。以前から書いて来ている通りに「民主主義が破壊される」とばかりにネトウヨの相手をしても疲れるばかりだ。逆に彼らに喜びを与えてしまうだけということになるだろう。

アメリカのサイレントマジョリティは人種差別的な感情を持ちながらもそれを表に出すことができない白人層だった。おそらく日本のサイレントマジョリティが望んでいるのは知性の疲弊と破壊である。何も考えずただ社会のために働けと言われてきた人たちが大勢いるのだろう。この現実は受け止めるべきである。

トランプ大統領を支援するネトウヨ系の情報源はどれも同じようなところのにあるようだ。ネトウヨさんたちはこの疑問をインテリ層にぶつけるだけでよかった。するとインテリ層の人たちが色をなして反論してくれる。彼らに取ってはとてもコスパが高く「政治議論」に参加しているような気分にも浸れる。

おそらく餌を与えないことと根元を断ち切ることが重要なのだろう。

アメリカのSNSでは民主主義を守る観点からかなり対策が進んでいる。背景にはアメリカは民主主義の国であるという自負心があるようだ。このため市民から不買運動が起こることを恐れてスポンサーが厳しい対応をSNSプラットフォームに要求するのである。

むしろ気になるのは日本の状況だ。何をしても成長しないと諦め気分になっている日本人は菅政権のでたらめな説明を聞いてももう怒らない。むしろ彼らが怒るのは芸能人の不倫など日常生活を破壊しかねないような行為である。おそらく菅政権の破綻した答弁はこの先も続くだろう。あまり疲れないように気をつけなければならないと思う。

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